StarCityGamesより。
Sam Blackの自信作。プレミア明けを楽しみにしていた記事です。

シナジー好きには涎が出ます。
血の芸術家がレガシーで輝くなんてうれしい。

Sam Blackはこの記事の直後、メインの沼を1枚Marsh Flatsに変え、サイドを2枚増減させた以外はそっくり同じリストを使い、GPアトランタでトップ8入りしました。


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Revisiting Zombies In Legacy
By Sam Black
06/20/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24323_Revisiting_Zombies_In_Legacy.html

みんな知ってると思うけど、先週インディアナポリスでSCGインビテーショナルが開かれた。僕はスタンダードでは青白ミッドレンジ(Cavern of Souls3枚入りのやつ)、レガシーではゾンビを使ってまともな結果(22位)を出せた。
レガシーのゾンビはめちゃくちゃ楽しくて、今回はこいつにフォーカスするよ。

このデッキを選んだのは、緑系デッキに強いGriselbrandが予想されていて、僕のゾンビデッキにThoughtseizeとTidehollow Scullerを加えることで、コンボデッキ相手がそれほど悪くないマッチアップになると思ったからなんだ。

緑デッキが減ってほしいと思ってたことも言っておこう。というのも、これまで相手にしていて一番うまくいかなかったのが緑デッキなんだ。おもにScavenging Oozeのせいで。

SCGインビテーショナルでの8回戦の中では、コンボデッキには一度も当たらず、緑デッキには5回当たった。僕がメタに望んでたようにはまったくならなかったってことだね。
緑相手の5戦中3戦は首尾よく勝つことができて、このデッキはかなり色々な戦略相手に闘える力を持ってるんじゃないかと、もう少し信じられるようになった。

日曜のSCGレガシーオープンに備えて、緑デッキに強くなり、コンボに弱くなるようにデッキをいじった。
そしてもちろんスニークショーに2回、リアニに2回、ベルチャーとドレッジに1回ずつ当たり、唯一相手にした緑デッキはVeteran Explorerデッキだったよ。レガシーはまったく予測不能だね。

これがレガシーオープンで使ったリスト、最新バージョンのゾンビだ:


Zombies
A Legacy deck, by Sam Black
96th place at a SCG Legacy Open Indianapolis on 2012-06-17

Maindeck:
3 Tidehollow Sculler
3 Blood Artist
4 Bloodghast
4 Carrion Feeder
4 Gravecrawler

2 Bitterblossom
4 Lingering Souls
3 Goblin Bombardment
1 Tragic Slip
4 Thoughtseize
4 Cabal Therapy
4 Faithless Looting

3 Swamp
3 Badlands
3 Scrubland
1 Undiscovered Paradise
3 Bloodstained Mire
1 Marsh Flats
3 Polluted Delta
3 Verdant Catacombs

Sideboard:
1 Pithing Needle
3 Dark Confidant
1 Darkblast
2 Disenchant
2 Go for the Throat
2 Surgical Extraction
2 Perish
2 Vindicate


僕は前にこのデッキについて書いたけど、このデッキの動きを見たことや読んだことがなかった人には一体何事なのか分かりにくかったかもしれない。レガシーではほとんど見かけないカードがいっぱい入っているからね。

基本的な考え方は、墓地に置きたいカードをFaithless Lootingで捨て、クリーチャーを簡単に場に戻すことで得をしよう、ってこと。
このデッキは比較的弱いカードたちに頼っている。これら全てのカードの間に素晴らしいシナジーがあるからね。

基本プランは、序盤はハンデスで相手のデッキが思惑通りに動くのを止め、適度なクロックを用意する。こいつらはまったく死なないので、相手にとっては妨害するのがとりわけ難しい。
そしてアタックするかコンボを決めてフィニッシュする。Goblin BombardmentやBlood Artistを使ったコンボによって「全部焼き尽くす」みたいなことができる。

相手に殺られるのを防ぐためにThoughtseize、Cabal Therapy、そしてTidehollow Scullerが入ってる。
Thoughseizeは優秀な軽い妨害手段で、Cabal Therapyと一緒に持っているときは特に効果的だ。完璧なカードを言い当てられるからね。
フラッシュバックコストがまったく取るに足らないのでCabal Therapyはこのデッキには最高だよ。
Tidehollow Scullerはわりと弱いけど、(こいつ自身がそれなりの妨害になるだけじゃなく)Cabal Therapyの前に相手のハンドを見る追加の手段になるし、Gravecrawlerたちを場に戻すためのゾンビでもある。さらに、多くのコンボデッキはクリーチャーを殺すのがあまり得意じゃない。そういうわけで、漕ぎ手はかなり効果的なハンデス呪文なんだ。

一番良いクロックを形成するのはブロックできないクリーチャーたち、Gravecrawler / Carrion Feeder / Bloodghastだ。
理想的にはBloodghastはFaithless Lootingで捨てられるからキャストする必要はないけど、そんな贅沢は言わずにBBを払って場に出すのでもOKだよ。Bloodghastで得をすることは後からでもできる。

屍肉喰らいは「(B): 屍肉喰らいの上に+1/+1カウンターを1個置く」と「上陸:屍肉喰らいの上にあなたの場または墓地にいる恐血鬼1体につき1個の+1/+1カウンターを置く」を持っている。こいつはスピリットトークンでチャンプブロックしたときにも成長して、あっという間に手に負えなくなるんだ。
戦闘中にクリーチャーをサクれるのもとても重要。絆魂持ちや十手持ちのクリーチャーが戦闘ダメージを与えるのを防げるからね。

Goblin BombardmentはCarrion Feederみたいに働く。Gravecrawlerを場に戻すことはできないけどね。
そのかわり、対戦相手のクリーチャーを全て殺すことができる。これはたいていの場合でとても良かったよ。

僕はこのデッキをゾンビデッキと呼んでいるけど、実際にはゾンビクリーチャーよりも「ブロックできない」メカニズムを持つクリーチャーの方が多いし、デッキ内のブロックできるゾンビ、Tidehollow Scullerでは普通はブロックしたくない。カードが相手のハンドに戻っちゃうからね。
クリーチャーデッキを相手にすると、ブロックは実はとても重要な能力だってことに気づく。「ブロックできない」はデッキを構築する上で扱いにくいメカニズムなんだ。この問題に対処するため、このデッキには多くの専門ブロッカーが入っている。Lingering SoulsとBitterblossomという形で。

Lingering Soulsは「捨てるのがとても嬉しいカード」としてこのデッキには特に合ってる。
だけどこのデッキではこれを捨てたいと思わないことが多いんだ。ブロックできるクリーチャーを追加するというのはそれほど大事なんだね。

BitterblossomはSCGインビテーショナルの後で提案されてすごく納得したよ。Blood Artistの追加とセットだったからなおさらね(Blood Artistについては後で)。
苦花は遅すぎるんじゃないかとちょっと心配してたけど、テストプレイではかなりうまく動いたと思う。苦花を複数枚引くのが嬉しい場面はないので4枚入れたいとは思わないけど、たしかにこれは僕が見逃していた面白いツールだよ。

以前はTombstalkerとGeralf’s Messengerを他のクリーチャーと一緒にガンガン攻めるために使っていたけど、どちらも遅いし、キャストするのに問題があった。しかもGeralf’s Messengerはタップ状態で出るのでブロッカーとして使うにはすごく不便だったんだ。
Blood Artistがこの席を占めて、これはとても良かった。インビテーショナルでは2枚入れてたけど、こいつはすごく活躍したので3枚目を足したよ。
彼はダメージレースに強いのでこのデッキのブロックできない弱点を補ってくれるのが素晴らしい。ライフゲインとライフルーズの両面で完全に優位に立てて、Artistはとんでもない回数誘発させられる。

1枚のTragic Slipはファッティを殺せるようにしておきたくて入れているけど、メインにたくさん入れようとは思わない。レガシーは多様で全てのデッキがクリーチャーに頼ってるわけじゃなく、固め引きは大きな負債になり得るからね。

土地については、Bloodghastの価値をできるだけ高めるためにフェッチの枚数を最大化したかったけど、デュアランが2枚だけではあまりにも簡単に不毛で色が揃わなくなることが分かったんだ。
3枚目のベーシックの沼はGeralf’s Messengerを抜いた今ではたぶん必要なくて、フェッチか2枚目のUndiscovered Paradiseに変えられそうだね。

Undiscovered Paradiseは素晴らしい3色土地で、Bloodghastを毎ターン戻せるボーナスがついてる。
だけど、初手にこれしか土地がない状況はまずいのでたくさん入れすぎないことが重要だ。2枚目の土地を出すのが遅れるし、特に他の土地が0~1枚のときにParadiseを2枚引くのは悲惨だからね。
でも、このデッキは土地が3枚あれば動くし、5枚あれば十分なのでParadiseの短所はそんなに気にならず、きっと2枚目を試してみるだろうね。

このデッキはシナジーで満ちているのでサイドボーディングはかなり難しくなるね。
長いこと(インビテーショナルの間も)、クリーチャーデッキ相手では除去を入れるためにCabal Therapyを抜いてた。
単純に強すぎるのでセラピーは抜けないというのが今の僕の意見だけど、実際には思考囲いも抜けない。そこで代わりに、サイドインするスペースを作りたい場合は、Surgical Extractionされる可能性の高いカード(Faithless Looting以外)をそれぞれ3枚に減らしてサージカルの影響を小さくするというのを試しているところだよ。

明らかにこのデッキは特定のマッチアップ向けに大量のカードをサイドインしたいデッキではないね。どれかのカードを全て抜くと必ずシナジーが壊れて、デッキの残り全てのカードのパワーも落ちてしまうから。

Perishは緑デッキの不毛のせいでキャストできないことが多かったのでしばらく抜いていたんだ。だけどその後土地を増やしたし、緑デッキ相手ではやっぱり重要だし、キャストできたときはすごく強いし、少なくとも2枚は入れておく価値はあるね。

Go for the Throatはおもに緑生物、特にScavenging Oozeへの速い回答として入れてあるけど、変えたほうがいいかもしれない。

Pithing NeedleはSCGレガシーオープンの日の朝に言われるまで考えたことがなくて、しっかり考える時間もテストする時間もなかったので、保守的な枚数から始めようと思ったんだ。針はウーズとレリックへの素晴らしい回答だし、他にもたくさんのヤバイものを止められるので、このアイデアは気に入ってる。
たしか全ての相手に対してサイドインしたと思うので、もう1枚増やすのが適正な可能性が高いかな。

Surgical Extractionはほぼ墓地デッキ用、特にリアニ用に入れているけど、墓地対策の中でこれを選んだ理由は、ハンデスと組み合わせると墓地ベースでないコンボデッキに対しても効くプランを作れるためだ。キーパーツをリムーブできる可能性を潜在的に持っていられるからね。

DisenchantとVindicateはおもにLeyline of the VoidやChalice of the Void(どうも"Void"が刺さるね)への対策だ。
それ以外にもSneak Attackを割るのに使ったり、ときどきサイドインする場面があるよ。

Darkblastはいくつかのクリーチャーデッキに対してとても効くし、特にこのデッキでは発掘によって得るものがたくさんあるので合っている。喜んで何枚かのカードを墓地に落としてこれを拾い上げ、こちらのゲームプランを進めながらクリーチャーを殺すことができるよ。

Dark Confidantはすごく良くてしょっちゅうサイドインする。メインに入れない理由は、大きく得るものがないままに相手の除去の価値を高めてしまうことと、マッチアップに合った良いカードが入るサイド後の方がたいていはカードを引くことの意味が大きいためだ。

バルチモアのSCGレガシーオープンでこのデッキを初めてプレイしたとき、みんながこれを真面目に取り上げるとは思ってなかった。インビテーショナルで使うほど十分に僕がこのデッキを信じてなかったのがその理由の一つだね。
今では、時間をかけてデッキをブラッシュアップしたし、Blood Artistが印刷された。これは本物のデッキだと信じられるよ。

このデッキはどんな相手に対しても強力な動きができる堅固なゲームプランを持っている。
相手が取りうるあらゆる選択肢に干渉できる汎用的な妨害手段を持っている。
そして、想定される相手デッキが突きつけてくるそれぞれ特有の問題への最高の回答を持っている。
多くの人が予想していない、もしくは十分に対策を用意していない攻撃をしかけることもできる。
ほとんどの墓地対策はたいして効かない。よく刺さる2,3のカードはあまり使われていないし、こちらは既に回答を持っている(特にLeyline of the VoidとGrafdigger’s Cageに対するDisenchantとVindicate)。

GPアトランタではおそらくこのデッキを使うだろうけど、一つのデッキのおよそ全体を自分で構築、調整するのは大変で、もういくつか答えを出さなきゃいけないことがある。

Tidehollow Scullerは妨害スペル兼追加のゾンビとして本当に最高なのか、また何枚入れるのが正しいのか、これはまだ検討中なんだ。
墓地/ゾンビ戦略に対してトークン戦略をどのぐらいの比率で入れるのか、これも検討中。このデッキが実はGoblin Bombardmentデッキで、Blood ArtistとともにBombardmentの枚数を増やす構成に気づき(ただし両者は同時に出るから強い)、とにかく可能な限り大量のクリーチャーを出すことの価値は高まってる。
このことはBitterblossomやMogg War Marshalのようなカードの価値を押し上げる。Moggは良い思い出のある、僕のお気に入りの赤クリーチャーだ。

この方向性で行くなら、Greater Gargadonのような追加のサクリ台についてもさらに検討した方が良いだろうね。

このデッキはまだまだ大きな伸びしろがあるし、みんなはこれを考慮すべき真面目なデッキだと思っていなさそうだから、このデッキを磨き上げていくのはエキサイティングだよ。

僕はこのデッキで周りの人たちを驚かせるのが好きだけど、そのうち、たとえこの記事を読んでいない人でも、僕が何を企んでいるかをみんな知ってる状態に慣れなきゃいけなくなると思う。
このデッキはすごく楽しいし新しいから、プレイするといつでもたくさんの人が興味を示してくれる。もうじきみんな試し始めるんじゃないかと思うんだ。
もしレガシーをたくさんプレイする人なら、トーナメントで相手にしたときにこのデッキが何をしてくるのか知っておくためだけでも、どこかの時点でこのデッキ相手に何ゲームかプレイしておく意味が出てくると思う。

僕にとっては、このデッキはこれまでプレイした中で最も楽しいデッキの一つだよ。
僕は狭いシナジーでちょっとした得をするのが大好きで、たくさんの小さなクリーチャーで勝つ、特にちょっと普通じゃないやり方で勝つのが大好きだ。誰にとっても当てはまるわけじゃないだろうけどね。

ともかくこのデッキは十分良くて、他に何かとんでもなくすごいものを見つけるか、Baleful Strixの誘惑に負けないかぎり、ほぼ間違いなくアトランタで使う。
一度試してみることをオススメするよ。

ここまで読んでくれてありがとう。

Sam

Eternal Centralより。
最近ヨーロッパの大会結果でときどき見かける、全カード4枚ずつ&Dread Returnレスなドレッジの紹介記事。

次はちょっと間が空く予定です。


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It’s a Dredgedy - The Legacy Takeover
by ERIK HEGEMANN
Written on JULY 10, 2012 AT 6:52 PM

http://www.eternal-central.com/?p=2890

こんにちは、そしてようこそみんな!
これは僕の初めての記事だから簡単に自己紹介をさせてもらおうと思う。僕の名前はErik、23歳だ。ドイツ生まれで今も住んでる。
マジックは2000年からプレイしてる。はじめはカジュアルにやってたけど、2004年にダークスティールが刷られたときスタンダードに飛び込み、白ウィニーや親和みたいなアグロデッキをよくプレイしてた。
2005年から約2年間やめてたけど、結局2007年に戻ってきた。このときレガシーを選んだんだ。
いくつかコントロールデッキを試した後、「ドレッジ」と呼ばれているデッキを見つけた。このデッキは当時まだがっつり開発中だった。
未来予知でBridge from BelowとNarcomoebaが刷られたとき、このデッキはとても強いと思った。僕はこのデッキのかなりダメなバージョン――Lion’s Eye DiamondとDeep Analysis以外にHomura, Human Ascendantが入ったやつ――を使って、それでも僕がドレッジを使った初めてのトーナメントでまずまずの結果を出せた。

1年間ドレッジを使って飽き、ロームコントロール型の黒緑デッキのデザインにトライした。「Trisomy 21」という名前のデッキを知ってる人がもしかしたらいるかもしれないね。
このデッキはかなり良かったけど、これを正しく使う準備が僕の側に整っていなかった。僕のスキルはこれを正しく動かせるところまで行っていなくて、まだまだ勉強中だったんだ。

2010年、スウェーデンのイエテボリで開かれたグランプリに参加した。このGPはシールドトーナメントで僕は二日目に残れず、サイドイベントに参加するためのレガシーデッキが必要になった。
親友のTimo Schunemannがドレッジ使ったら?と言って、デッキ(LEDレスのやつ)をまるごと貸してくれてサイドプランも教えてくれた。そして、2年間まったく触れてなかったドレッジを使って、僕は150人超えの大会でトップ16まで行ったんだ。

おもてなしのために、ここでいくつか個人的なことを話そう:
僕はテストプレイが嫌い(息切れしちゃうよ!)で、デッキリストのチューニングが嫌いで、50人未満の小さな大会に出るのが嫌いだ。このままじゃ結局は小さな大会に出て、大会でプレイしながらテストしなきゃならなくなる。
ラッキーなことに、友人たちがデッキをテスト、調整してくれて、サイドプランを僕に授けてくれる。ふつう僕は何も疑問を挟まず、ただそのデッキをプレイする。今のところこれでかなりうまくいってる。

さあ、僕の個人的な背景はこの辺にして、仕事に取り掛かろう。
もう疑いようもなくみんな分かってる通り、これはレガシーとヴィンテージの両方で最も忌み嫌われ、しばしば誤解されているデッキ:ドレッジについての記事だ。


過去

毎年5月、"Bazaar of Moxen" (BoM) という巨大なエターナルのイベントがフランスのアヌシーで開かれる。
2011年はBoMの開かれる週末に新たなるファイレクシアが発売になり、イベントの前には多くの人がMental Misstepがフォーマットに大きな影響を及ぼすだろうと考えていた。Mental Misstepによってあらゆる起爆剤(Careful Study、Putrid Imp、X=0のBreakthroughなど)をカウンターされてしまうドレッジも、ダメージを受けるであろうデッキの中に含まれていた。
でも、どのデッキを使うべきなんだろう?
幸い、仲間たちがドレッジを大規模にテストしていた(Mental Misstep入りマーフォーク相手だけで少なくとも続けて5時間はやってた)。結果はドレッジ良しで、いつものように彼らは僕にデッキリストとサイドプランを授けた。レガシーのメインイベントで、僕は633人のプレイヤーの中で4位に入ることになった。

これが僕の使ったリストだ:

Dredge, by Erik Hegemann - 4th place

Business (45)
3 Ichorid
4 Golgari Grave-Troll
4 Stinkweed Imp
3 Goglari Thug
1 Darkblast
4 Putrid Imp
4 Tireless Tribe
4 Narcomoeba
2 Dread Return
4 Careful Study
4 Cabal Therapy
4 Breakthrough
4 Bridge from Below

Mana Sources (15)
4 City of Brass
4 Gemstone Mine
4 Cephalid Coliseum
3 Tarnished Citadel

Sideboard (15)
1 Elesh Norn, Grand Cenobite
1 Realm Razer
1 Iona, Shield of Emeria
1 Hypnotist
4 Nature’s Claim
4 Ancient Grudge
2 Ray of Revelation
1 Darkblast


初心者のために、ここでデッキの中心となる動きを説明しておこう。
まず、手札を捨てられるカードを使うか、手札を8枚にしてターンエンドに捨てることによって、あなたは発掘持ちのカード(Golgari Grave-Troll、Stinkweed Imp、Golgari Thug、Darkblast)を墓地に落とす。その後あなたがカードを引く場合、発掘メカニズムによってドローを置換して上に名前を挙げたカードを手札に戻し、そして、3~6枚のカードをライブラリから墓地に落とすことができる。このプロセスをできるだけ数多く繰り返す。
さらにこのとき、クリーチャーをタダで場に出すことができる。Narcomoebaは発掘で墓地に落ちたときにそのまま場に出ることができて、基本的に0マナのクリーチャーだ。一方、Ichoridはアップキープの開始時に墓地にいる必要があり、黒のクリーチャーカードを墓地からリムーブすることで戦場に出すことができる。
タダでクリーチャーを出すもう一つの方法がBridge from Belowだ。この素晴らしいカードがあなたの墓地にある時にあなたのトークンでないクリーチャーが死亡した場合、あなたは2/2ゾンビトークンを墓地にあるBridgeの枚数ぶんだけ手に入れる。

Ichoridのターン終了時に死亡する誘発型能力のほかに、あなたのクリーチャーを戦場から墓地に置く方法がある。ちゃんと言うと、Cabal TherapyとDread Returnだ。これらのフラッシュバックコストによって場にいるクリーチャーをサクれて、これでBridge from Below(s)が誘発する。
Cabal Therapyはこのデッキでは本当に輝いていて、ゲームの状況に応じて異なる役割を演じられる。
まず、このカードで対戦相手の手札に何があるか、彼がこの先なにをどんな順でプレイ可能か(と同時に遊んでいるカードも)見ることによって価値ある情報を得られる。
2つ目に、あなたが正しいカードを言い当てて対戦相手のハンドを十分破壊できれば、あなたが小さな生物たちでアタックするあいだ相手の意味のある行動を防いで、しばしばそのまま勝ててしまう。
3つ目に、このカードでトークンでないクリーチャーをサクることによって、(橋の助けで)トークンを生成することができる。

全体としてドレッジはアグロコントロールデッキで、構築によってはコンボ的な勝利手段を持つこともできる(例えばFlame-Kin ZealotやFlayer of the Hateboundを入れているバージョン)。たいていの場合、あなたがこのデッキで目指すのは、たくさんのカードを発掘でできるだけ早く墓地に落とし、大量のトークンを生成して、Cabal Therapyで相手の手札にあるカード(と場に関わるための選択肢)をコントロールすることだ。

ドレッジが真にどういう動きをするのかもっと知りたければ、Richard Feldmanの記事"The Dark Art of Dredge Fu"を読むのがいいと思う。彼のサイドボードのアプローチは好きじゃないけどね。墓地対策対策をサイドに入れる方が普通は簡単に勝てると思うんだ。


現在

闇の隆盛が印刷されて、僕たちは本当に強力なカード、Faithless Lootingを手にした。このカードがスポイルされた後すぐに、うちらのドレッジの黒幕Timo Schunemannが、僕らにとってはもういじるところがなく、たぶん他の多くの人にとってもほんの少ししか変えるところがないであろうリストを思いついた。このデッキはメインの全てのカードを4枚ずつ積んでいるので、僕らはこれを「Quadlaser」と呼んでる。
これがその最新バージョンだ:

LED Quadlaser Dredge, by Erik Hegemann

Business (44)
4 Ichorid
4 Golgari Thug
4 Narcomoeba
4 Stinkweed Imp
4 Golgari Grave-Troll
4 Putrid Imp
4 Faithless Looting
4 Cabal Therapy
4 Breakthrough
4 Careful Study
4 Bridge from Below

Mana Sources (16)
4 Lion’s Eye Diamond
4 Gemstone Mine
4 Cephalid Coliseum
4 City of Brass

Sideboard (15)
4 Leyline of the Void
1 Ancient Grudge
4 Nature’s Claim
3 Ashen Ghoul
2 Tarnished Citadel
1 Undiscovered Paradise


そう、このバージョンと闇の隆盛以前のものとの大きな違いは、Lion’s Eye Diamond、Faithless Lootingが入ったことと、目を引くのはDread Returnがないことだ。
Faithless LootingのおかげでLEDを有益にプレイできるようになった。Faithless Looting以前は、LEDから得られるマナを使うためにDeep Analysisを入れる必要があった。問題はDeep Analysisが単体では何もせず、かなり不安定なことだ。
しかしFaithless Lootingは、フラッシュバックというちょっとしたナイスなボーナス付きのCareful Studyの同型再録みたいなものだ。
Careful Studyはドレッジで常に良かった。8枚入れようじゃないか。4枚ずつ入れるのは間違いなく良いはずだよ。

LEDを入れて得たスピードによって、1ターン目にCabal Therapyで相手のハンドを崩しつつなかなかの量を発掘する爆発的なスタートが可能になった。

このスピードがあればもはやDread Returnは要らない。
このデッキは安定性を第一に組まれていて、だから良いカードを全て4積みし、そこそこのカードは全てゼロ枚にしている。初手にDread Returnがきて、もしそれが別のカードならキープなのにマリガンやむなし、っていうのは本当に最悪だ。

Dread Returnはほんのちょっとだけ勝つのを簡単にしてくれるから、これをすごく好きなプレイヤー達がいるけど、いくつかミスをしていることに気づいていない。
個人的にはDread Returnは不要だと思うけど、このカードを3枚までデッキに入れてFlayer of the Hateboundでコンボフィニッシュしたりするのはあなたの自由だ。でも、このデッキに本当に入れたいとても良いカードを削る必要があるってことは忘れないで。


サイドボーディング

サイドボードも変わった。普通このデッキはサイドボーディングは一切したくないけど、対策されれば対応する必要がある。Snapcaster Mageが印刷されて、一番よく見かける対策はSurgical Extractionだ(特にサージカルは色マナが要らないのであらゆるサイドボードに入りうるからね!)。
この対策カードと戦うためのとても良いアイデアなのが、サイドの3枚の土地とAshen Ghoulたちだ。対戦相手がいくつかキーカードをサージカルしたとき、Ashen Ghoulがまた別のアタッカーになる。

サイド後は、状況がよくないときにスペルをハードキャストするための土地が必要になる。
瞬唱を入れているデッキは普通そんなに速くないからLEDを抜くのがいいね。もっと多くのカードをサイドインする場合は、Ichorid1枚、Breakthrough1枚、Golgari Thug1枚をここに書いた順に抜いていく。

ここでよくあるマッチアップでのサイドプランをいくつか書いておこう。


マーベリック:

マーベリック側の対策はほとんどいつもパーマネントベースなので、通常サイド入れ替えはしない。Cabal Therapyを賢く使ってダメージレースをしよう。


U/W/x 終末:

-4 Lion’s Eye Diamond
-1 Ichorid
-1 Breakthrough
+3 lands
+3 Ashen Ghoul

青白終末デッキはとても遅いので、相手に対応するカードを入れるためにLEDを抜き、こちらがスローダウンしても時間は十分にある。
相手がサージカルをIchoridに撃ってくることも予想されるので、Ichorid1枚を抜き、この手の対策と戦うためのサブとしてAshen Ghoulをインする。


カナスレとU/xデルバー:

-4 Lion’s Eye Diamond
-1 Ichorid
-1 Breakthrough
+3 lands
+3 Ashen Ghoul

これらは終末デッキよりは速いけど、LEDを抜いても結局こちらにとってかなり良いマッチアップだ。彼らはしばしばこちらの戦略への十分な対策を積んでいない。


ストーム、Doomsday、ベルチャー、Spanish Inquisitionなど:

-1 Ichorid
+1 Ancient Grudge

これらのデッキにはとにかく速いハンドをキープする。
こちらのCabal Therapyを嫌ってプレイするマナアーティファクトを狙って、1枚のAncient Grudgeは便利に使えると思う。彼らがLeyline of the Voidみたいなものををサイドインする場合、必要に応じてNature’s Claimを入れる。


スニークショー:

Leyline of the Voidを入れてきそうなら、こんな風にするのがオススメ:

-4 Lion’s Eye Diamond
-1 Ichorid
-1 Golgari Thug
-1 Breakthrough
+4 Nature’s Claim
+3 lands

彼らが対策を持っていなさそうなら速いハンドまでマリガンしてアグロに行こう。力線やRelic of ProgenitusやGrafdigger’s Cageを持っていそうならNature’s Claimで全て対処できる。


リアニ:

このマッチアップでは相手が力線を持っていないことに賭ける。

-1 Ichorid
-1 Golgari Thug
-1 Breakthrough
-1 Putrid Imp
+4 Leyline of the Void.

彼らが力線を持っている場合、またもやNature’s Claimを入れるけど、対策へのリアクションをさせることで彼らはこちらのゲームプランを遅らせられる。多くの場合は、彼らはせいぜい2枚のCoffin Purge程度しか入れていない。


レガシートーナメントでのパフォーマンス

僕がこのデッキをプレイした最初の比較的大きな大会は、2012年4月だった。127名のプレイヤーのうち、トップ8に入った。このとき、今年のアヌシーのBoMで去年のトップ4の地位を守るにはドレッジを使わなければならない、とはっきり悟った。

僕らの「ドレッジカー」に乗った4人全員がBoMのレガシーメインイベントでドレッジをプレイした。この4人はTimo Shunemann、Julian Hecker、Pierre Liebsch、そして僕だ。
ヨーロッパのいろんなトーナメントでこの名前がトップ8に入っているのを知っている人がいるかもしれない。
残念ながら僕らはいいところまで行けなかった。僕は700人超えのメインイベントで125位(6-3-0)、前日の440人超えのサイドイベントで35位(7-3-0)だった。

レガシーイベントで思ったように成功はしなかったけど、まだBoMのヴィンテージメインイベントでもう一度力を証明するチャンスが残っていた。
もうじき載る僕の次の記事では、このデッキをどうやってヴィンテージの今のメタに合わせこんでいくかを議論し、BoMヴィンテージトーナメントでの発掘アドベンチャーの模様をお届けするから、その時までチャンネルはそのまま!
(※訳注:2012年のBoM6ヴィンテージは筆者Erik HegemannがやはりDread Returnレスドレッジを使い、326人中で優勝。)

読んでくれてありがとう。

Erik “The Maggot” Hegemann

Channel Fireballより。
2012/6/24に行われたSCG Legacy Open DetroitでCaleb Durwardがエルフで2位になったときのレポート。

エルフのことをよく知らなかったので、鏡の精体を使った無限コンボやサイドのインアウトなど勉強になりました。

"Pointy-Eared Folk": 耳のとがった者たち

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Legacy Weapon - Pointy-Eared Folk
Posted by Caleb Durward
July 5, 2012

http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-pointy-eared-folk/

デトロイトでのレガシーオープンでエルフを使おうとは思っていなかった。
考えてさえいなかった。
Brainstormと独楽とForce of Willを入れたデッキが理想だった。

開催地に着いたとき、ほとんど知り合いがいなかった。知っているのはトレーダーではなくプレイヤーばかりで、彼らは自分のデッキしか持ってきていなかった。仲間のRobのカードを使って間に合わせでツギハギだらけのストームデッキを作ったが、Burning Wishが見当たらなかった。
まず私はJon Johnsonのところで足を止めた。彼はドレッジ相手にエルフをプレイしていた。
彼のデッキはゲームのあらゆる段階でやりたいようにやっているようだった。
私は何らかのエンジンをベースにしたデッキが大好きで、このデッキはとても楽しそうに見えた。

Jonは私の求めるBurning Wishを持っていなかった。
次にAriに会ったが、彼は笑って言った。

「Burning Wishだって?俺はAri Laxだよ。自分のストームデッキで使うに決まってるじゃないか。」

彼は、Griselbrand対策にReanimateとBriberyの入ったウィッシュボードを見せてくれた。
私は笑顔だったが、彼には私の顔が残念そうに見えたに違いない。
というのも、彼は自分のエルフデッキを私に使うように提案してきたんだ。数分間無意味な詮索をした末に、彼の提案にのることにした。

AriとChris Andersonがこのデッキの勝ち筋を親切に教えてくれた。
たいていの場合は典型的なエンジンを決めて勝つ。カードを引き、マナを生成し、勝利手段を探して、妨害を経由してプレイする。
しかしこのデッキには、限られたリソースでも無限コンボを決められるトリックがある。

これが教えてもらった最も簡単な3つのコンボだ:

1.
Priest of Titania、Mirror Entity、Wirewood Symbioteが出ている状況から始める。
1マナで鏡の精体を起動し、次にPriestをタップして3マナを出し、共生虫で自身をバウンスする(Priestをアンタップ)。結果として、1マナ増えて最初の状態になる(Glimpse of Natureを撃っていればキャントリップもつく)。

2.
Heritage Druid、Mirror Entity、Nettle Sentinel、Wirewood Symbioteから始める。
1マナで精体を起動し、ドルイドの能力でイラクサと共生虫ともう一体エルフをタップし、共生虫をバウンスする(イラクサでない方のエルフをアンタップ)。共生虫を再度唱えてイラクサをアンタップ――これで1マナ増えて最初の状態に戻る。
(※訳注:ドルイド、イラクサ、精体の3体タップから始めれば最初の1マナも不要ですね。)

3.
これはトリッキーだ。
2体のWirewood Symbiote、Mirror Entity、Heritage Druidから始める。
1マナを精体に使い、次に3体をタップして緑3マナを得る。寝ている共生虫をバウンスしてエルフをアンタップし、出し直す。マナプールには緑2マナ残っている。精体を起動し、再び遺産のドルイドを使う、これで緑4マナ。共生虫を2体ともバウンスして残り2体のエルフを起こし、共生虫をプレイし直す。
これで1マナ増えて最初の状態になる。

最後のルートでマナを出す必要がある場合は要注意だ――Glimpse of Natureは「引いてもよい」ではないので、自分のデッキを引ききってしまわないように気を付ける必要がある。
幸いGreen Sun’s Zenithをライブラリに戻すことができるので、これは起こりにくくなっている。
ループを省略するときだけ慎重になろう。例えば、Glimpseを2回唱えた後に「これを(3番のループを)10回繰り返します」と言ってしまうと、あなたは60枚ドローすることになる。こりゃだめだ。

一度無限コンボを決めれば、鏡の精体の起動とWirewood Symbioteのバウンスを繰り返して召喚酔いしていないエルフを全てアンタップし、精体で500/500になったそいつらでアタックできる。

週末を通して無限ループは3回決まった。3番のループが2回に、2番が1回。
レガシーのイベントを勝ち抜こうとしたとき、おそらくどこかでループを決めなきゃならない場面はあるが、ほとんどのゲームは良い手札をキープして正しい順序で使えば勝てるだろう。いくつかのゲームでは正しくフェッチを使う必要があったり(Wastelandが出ている、あるいは出てきそうな場合)、大量の妨害をくぐり抜けて勝つ道筋を導き出すことも必要になるだろう。

これが私がスリーブに入れたデッキだ:

Elves!

* Main Deck
* 4 Verdant Catacombs
* 2 Misty Rainforest
* 1 Wooded Foothills
* 1 Dryad Arbor
* 2 Savannah
* 3 Forest
* 1 Horizon Canopy
* 2 Gaea’s Cradle
* 1 Pendelhaven

* 2 Quirion Ranger
* 1 Regal Force
* 1 Viridian Shaman
* 3 Birchlore Rangers
* 4 Elvish Visionary
* 4 Wirewood Symbiote
* 4 Heritage Druid
* 4 Llanowar Elves
* 2 Fyndhorn Elves
* 3 Priest of Titania
* 2 Mirror Entity
* 4 Nettle Sentinel

* 4 Green Sun’s Zenith
* 4 Glimpse of Nature
* 1 Crop Rotation

* Sideboard
* 2 Humility
* 1 Meekstone
* 2 Thorn of Amethyst
* 1 Thalia, Guardian of Thraben
* 4 Faerie Macabre
* 1 Scavenging Ooze
* 1 Gaddock Teeg
* 1 Qasali Pridemage
* 1 Mortarpod
* 1 Umezawa’s Jitte


週末を通して、サイドボードのカードは2枚目のHumility以外は全て使った。これはショーテルデッキ相手のときしかサイドインしないのだが、やつらには勝てる。
一方、1枚目のHumilityは多くの仕事をする。

Chris Andersonのリストとのもう一つの違いは十手だ。
彼は十手は良かったと言っていたし、これなしでは私はトップ8に残れなかっただろう。


Round 1: RUG

ゲーム1、私はエルフをテーブルに並べ「ループを見るかい?」と言った。

私が何枚かカードを引いたあと、相手は投了した。

SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Humility, +1 Meekstone

ゲーム2、彼はDelver of Secretsからスタートし、ビートを開始した。
2,3ターン後、私は6ライフを残してHumilityを解決。彼の場にいる3/2飛行と2体の4/5を3体の1/1に変え、私はボードに7体の1/1を展開し始めた。

勝ち。


Round 2: ?

このラウンドでどうプレイしたのか思い出せない。
ごめんね。


Round 3: Jon Eldonの青白

これはなかったことになったフィーチャーマッチだ。

ゲーム1、彼は私の1ターン目Heritage Druidをウィル。彼がUmezawa’s Jitteを出しているあいだに私は手札を吐き出した。
十手は緑頂点してきたViridian Shamanで割り、彼はStoneforge MysticでBatterskullをサーチした。

幸い、十分な戦力とWirewood Symbioteが出ていた。彼のBatterskullによるブロックとアタックに対して、Germに出くわしたエルフを毎回バウンスした。
1,2ターンの後、Jonは場を片付けた。

SB:
-1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte

ゲーム2、私はソープロ、ヴェンディからの瞬唱ソープロをくらった。Wrath of Godが私のボードを壊滅させ、そこから復旧することはできなかった。

相手の場にいる瞬唱と墓地に積み上がったクリーチャーを見て、私はサイドミスしたことを悟った。

SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Scavenging Ooze, +1 Mortarpod

ゲーム3、私は先攻で1マリし、彼は私の1ターン目マナ生物をソープロした。
それでも早期にGlimpseを使って爆発し、彼を倒した。


Round 4: Josh Glantzmanのマーベリック

これはビデオフィーチャーマッチだった。

ゲーム1、JoshはGaddock Teegをプレイし、私の手札にある2枚の緑頂点を腐らせた。
幸いなことに彼のデッキの残りは緑と白のクリーチャーばかりで、最後には私が彼を上回った。

SB:
-1 Green Sun’s Zenith, -1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod

ゲーム2、私は十手ハンドをキープしたが、彼はそれを阻止するMother of Runesと、さらにLinvala, Keeper of SilenceをサーチするためのFauna Shamanまで出してきた。
倒せない3/4飛行を前にほとんど投了しかけの場面でBirchlore Rangersを手に入れて変異で出し、マザーで止まらない無色ダメージによって主導権を得ようとした。
しかし、彼はSwords to Plowsharesで対処した。

ゲーム3、彼は1ターン目Noble Hierarchからの2ターン目Knight of the Reliquaryという出だし。
私は3ターン目に勝利した。

カバレッジチームがうっかり――ほとんど事故で――同時に複数のエルフデッキをフィーチャーしてしまったため、さらにもう一つのエルフのフィーチャーマッチを見させられた多くの人がTwitterで愚痴を言っていた。
カバレッジマネージャーのGlenn Jonesはこの事態に次のようにツイートした:

「こんなことどうやって想像するんだい?Calebはいつもクレイジーなものしかプレイしないじゃないか。」

ナンテコッタイ。


Round 5: RUGテンポ

このマッチは典型的なエルフの動きで勝った。

ここで、私の車の同乗者に会った。RUGを使っていたJeremyも無敗で、私達はお互いに当たらないことを祈った。もし当たれば二人のうちどちらかはトップ8に進めるだろうが、一方、二人がともにトップ8に進む確率は、当たらない場合の方が高い。


Round 6: 親和(勝ってID2回で抜け)

ペアリングが発表され、Jeremyと私はハイタッチをした。
身内同士でプレイしなくていい。これはトーナメントマジックを素晴らしいものにし、旅を価値あるものにしてくれる友人達の間ではめったにない、最高の瞬間の一つだ。

ゲーム1、私はそこそこ良いハンドだったが、私が彼を倒す前に、彼のCranial PlatingとInkmoth Nexusが私をきっちり殺した。
このゲームはGreen Sun’s Zenithがあれば勝てるだろう。メインに入れたViridian ShamanをサーチしてWirewood Symbioteで使い回せばイージーウィンだからね。

SB:
-2 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Qasali Pridemage, +1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod

ゲーム2、彼は序盤にEthersworn Canonistを出し、私はViridian Shamanのための緑頂点をまたも持っていなかった。
彼のVault Skirgeに殴られながらお互いにドローゴーを続け、私は1ターンに1枚のElvish Visionaryをプレイするだけでまいっていた。
私の最終ターン、ついにMirror Entityを引き込み、自軍を全部15/15にした。彼は持っていたDispatchによって死なずに済んだが、場にいるクリーチャーでのチャンプはマストだった。
彼のターン、彼は最後の2枚のハンドを展開し、ミシュラン2枚を起動して、再びきっかり私を倒した。

私の知る限り、当時のスタンダードでの親和対エルフは、親和にとってつらいマッチアップだ。それをやってのけた対戦相手を称えよう。


Round 7: RyanのRUGアグロ(勝てばほぼ抜け)

この時点でJeremyは抜けが確定し、3人目の同乗者Rob Vacaは今のレガシーでは最悪のデッキである青白相殺ソプターを使って私と同じく1敗だった。

Ryanは知人で、イベントの前にお互いのリストについて少し話をしていた。
彼は、典型的なRUGテンポよりは青赤デルバーを彷彿とさせるような、かなりアグレッシブなRUGのリストを使っていた。緑はタルモとKird Apeのために入っている。
先ほどのラウンドでは彼と隣の席になり、二人とも勝ってID2回で抜けのところを落としている。

ゲーム1は、序盤のGlimpse of Natureのおかげでなんとか私がとった。

SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Meekstone, +1 Humility

ゲーム2は土地3枚とHumilityのあるハンドをキープ。
火力がこちらを遅らせ、彼は順調に脅威を送り出した。私がやっとHumilityを張ったときには、彼はこちらよりも多くのクリーチャーを出しており、さらにMind Harnessがとどめとなった。

ゲーム3、私は2ターン目に手札を大量展開し、3ターン目に十手をプレイして装備。そのまま逃げ切った。


Round 8:

1敗ラインのオポトップとして、私は引き分ければトップ8に行くことができた。
しかし、例によって対戦相手はそうではなく、やる必要があった。

私のドローの申し出を断ったあと、対戦相手はシャッフルして手札を引いた。お互いにキープし、私がエルフを出した。
彼はそれを見下ろし、気遣うように言った。

「それはVeteran Explorerじゃないよ。」

「ああ、もちろん違う。」

(※訳注:Caleb DurwardはNic Fitを好んで使っていた。)

こちらが手札を展開しきったあと、彼はジェイスをプレイしてブレストした。
私はMirror Entityを出して彼を倒した。

SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Thalia, Guardian of Thraben, +1 Gaddock Teeg

ガドックを入れるとき緑頂点を削らないように言われた。この伝説のヘイトベアーを出す前に手札のZenithは使い切ることができるためだ。

ゲーム2、彼は先攻で4枚になるまでマリガンした。再び後攻をやるか持ちかけそうになったが、 IDをするか、再度持ちかけそうになったがすんでのところで抑えた。
我々はマジックをするためにここまで来ていて、彼はマジックをすることを選んだプレイすることをために先攻を選んだ
それをもう一度聞くことは失礼だ。
(※追記訳注:誤訳していました。高潮のさん、ご指摘ありがとうございました!)

彼は1ターン目にSensei’s Divining Topを出し、私はアタッカーを何体か展開した。彼はTerminusを奇跡で撃ち、私には数枚の手札だけが残された。
ゲームは少し前よりもだいぶ負けに傾いているように見えた。

最終的には、私は十分なプレッシャーを用意できて、彼はジェイスをプレイしたが、こちらが勝った。


準々決勝: Jon Eldon

スイスラウンドでもあたった青白石鍛冶プレイヤーだ。
このゲーム、私がマリガンしたときに何人かのジャッジが彼を脇に連れ出した。テーブルを離れるとき、彼が困惑した顔をしているのを見た。

時間が経ち、事情が飲み込めてきた。
ジャッジ達が彼に見当違いな話をして、何も起こらない。これが最良のシナリオだ。
その後は、ただ悪くなる一方だ。
たぶん私が他の冷血な出場者達と比べて感情移入しすぎなのだろうが、デッキ登録ミスみたいなことで対戦相手が自身を負かしてしまうのは愉快なことじゃない。

トップ8のリストは既にチェック済みのため、これがデッキ登録ミスでないことは分かっていた。つまり、おそらく何らかの取り調べが行われている。
私は何もすることがなく、気分が沈み、ジャッジと軽く話をした。このあともまだやるべきマジックは残っており、ゲームをするモードになっていなければそこでベストを尽くすことはできない。

注文していたピザをRobが持って来てくれて、ジャッジは親切にも待っている間に食べることを許してくれた。
カフェインとストレスは私の代謝をとても落としていた。朝から何も食べていなかったにもかかわらず、2,3切れがやっと喉を通っただけだった。

結局、ジャッジ達はJonと一緒に戻ってきた。
この若者はもはや私がスイスラウンドで相対したような大胆で思慮深いプレイヤーではなかった。彼はもうろうとしており、目は赤かった。
数分後、彼らは再び立ち去り、ジャッジは彼のデッキを取りに戻ってきて、私に次のラウンドに進むように言った。

私のこれまでで最も満足いかないマリガンはこうして終わった。

後に自宅に向かう車の中で、#twobatterskullsで話題になっていたビデオをRobが見せてくれた。Jonはヴェンディを出されたときにフェッチを使ってシャッフルし、彼のライブラリのボトムにあったBatterskullを手札に落とし入れていた。
私はびっくりし、このビデオをどう考えればいいのか分からなかった。
Jonは好ましい対戦相手だった。私は彼を裁いたり嫌悪したりする気になれなかった。幸い、私にはそれをする必要はない。

友人達が「準々決勝でbyeだなんてお前はツイてるな」とかそういうことを言っているのを聞いたが、私はツイてるなんて思えなかった(し、今も思わない)。私はマジックをするために長旅をしてきたのに、自分の対戦相手になるだろう人が過去をほじくり返されている間じっと待つ、極めて不快なラウンドをやるハメになった。
たとえ誰かが罰を受けるに値するとしても、私はその人の悲惨な状況から楽しみを取り上げることはできないし、そうしている人を見るとサディスティックだと思う。
イカサマ師や、犯罪者や、スーパーで列に割り込む人達はそれでも人間で、多くの場合、周囲の環境が彼らを作り出す。ある意味、彼らは学ぶべき教訓そのものだ。私たちは容易く学ばせてもらえることに感謝すべきだと思う。

私はジャッジの仕事を羨ましいとは思わないし、私たちのためにジャッジがいてくれるのを嬉しく思う。
私はゲームのプレイを研究し、彼らは今回のような状況について研究する。
結局、Jonがカメラの前でやったことと、私の彼に対する印象とは合っていない。一方で、これに厳しいペナルティを課さなければ、あらゆることにペナルティを与えられないことになる。


準決勝: Chris Andersonとのエルフミラー

Chrisとの対戦は、彼が入れていない十手を私はサイドに入れているため、私に有利なことは分かっていた。
それでも、Chrisはこのデッキについて週末ずっと助言をくれており、私は彼(とAri)の助けがなければこの場にはいなかっただろうから、トップ4をスプリットする申し出を断ったのはまったくひどいことのように思われた。加えて、彼は常に、いかなるときにもエルフを使ってきており、私が少しでもつまづけば負ける可能性はいくらでもあった。

組み合わせ表のもう一方はRUGを使うJeremyがLandsと対戦、絶望的なマッチアップだ。これもまたスプリットを受け入れる理由になる。

ゲーム1、初手をキープし、2ターン目にはGaea’s CradleとMirror Entityを含めて手札を全展開した。

「あのさ、鏡の精体はエムラよりいいと思うよ」と私は言った。

この週末の初めの頃、私はChrisにエムラを入れるべきかどうかをたずねた。私の理由は、いわばヘルメットをかぶりたかったというのと、このデッキの経験がなく、精体のループが複雑すぎるように思えたからだった。
Chrisは私の理由がいかにバカげているか、精体はコンボにもビートにも役立つのに、エムラを引くのは実質マリガンしているのと同じだということを力説した。
Chrisの忠告を聞いていなければ私はトップ8には残らなかっただろう。このゲームで安定して結果を残すには、友人の意見を聞くときと、自らの意見を聞くときをバランスさせることが重要だ。常に正しくあることは誰にもできない。

Chrisは自分のターンにカードを引き、盤上を片付けた。

SB:
-1 Viridian Shaman, -1 Birchlore Rangers
+1 Mortarpod, +1 Umezawa’s Jitte

Chrisは先攻でマリガンしたが、手札には満足なようだった。私は十手ハンドをキープした。

お互いにマナ生物を出し、Chrisは2ターン目に手札を展開しきって、最後に緑頂点でElvish Visionaryを持ってきた。
私は3マナを出し、頂点でPriest of Titaniaを持ってきた。Priestはボード上の両者のエルフの数を参照するので、ChrisはPriest(とMortarpod)に回答するか、このターン中に私を倒さねばならない。

彼はGlimpse of Natureを持っていたが私を殺すには燃料が足りず、私は自分のターンにRegal ForceでMortarpodを調達し、彼を倒した。

試合後、Lands対RUGの対戦が終わるのを待った。LandsがRUGを破った後、RobがJeremyを励ますハグをしようと近づいたが、Jeremyは相手にしようとしなかった。

「お前はいらないよ。いるのはピザだ。」
Jeremyは、大の大人から聞くことはほとんどない、不機嫌な子どものような声でそう言った。
彼の悔しさを思い、そのふてくされた顔を見て私は微笑んだ。


決勝: Lands

Landsについてはみんなまったく読みたくないんじゃないかな?そうだろう?
私は負けた。有利なマッチアップではあったけれども。

明るい面を挙げれば、対戦相手は「このトーナメント」のラウンド3で私が水没させたのと同一人物だ。
(※訳注:「このトーナメント」(原文ではリンク)はMステ入りZooでCalebが優勝した2011年7月のSCG Legacy Open Cincinnati。レポートはこちら(英語)→http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-getting-there-in-cincinnati/

もし機会があればレポートのラウンド3を読んでみてほしい。後手のZooがベルチャーに勝ってしまうようなおかしな時期に開かれたトーナメントだが、このLandsとの対戦はこれまでで最も気に入っているレガシーストーリーの一つだ。


今週末のGPではエルフをプレイすることになりそうだ。このデッキは安定していて、パワフルで、RUGとマーベリックと青白とスニークショーとリアニに強い。
一方、まだ完成はしておらず、GPに向けてより多く妨害要素を入れることになるだろう。

読んでくれてありがとう。

Caleb Durward
StarCityGamesより。
M13の気になるアイツについて。

(リンクしていただいたみなさま、ありがとうございます。開設のいきおいで訳してまいりましたが、このペースはちょっとしんどいので少し落とすことになりそうです。短めの記事を挟めると良いのですが、あまり見かけないんですよね。)

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Eternal Europe - So What Did You Bring To Class?
By Carsten Kotter
06/29/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24387-Eternal-Europe-So-What-Did-You-Bring-To-Class.html

祝おう、Land Taxのお帰りだ!
ひとつだけ気になるのは、僕とDCIは偶然一致しただけなのか、それとも僕の記事を読んだナイスな人達が何かはたらきかけてくれたのか。どっちにせよ、再びParfaitデッキを広げて楽しめるようになったことには感謝だね。
(※訳注:Carsten Kotterは6/15にレガシー禁止カードの分析記事の中でLand Taxは解禁でいいんじゃね?と書いていた。)

僕はこのまたとない旧友に会えてとても嬉しいけれど、正直言ってLand Taxが今のレガシーに革命を起こすとは思えない。マナカーブはめちゃくちゃ低く(それだけTaxの起動は難しく)、起動しても見返りはそんなに大きくなく、Land Taxを実際に機能させるために必要なデッキスペースを割くことなく、Squadron Hawkを使えば似たような悪さをはたらける。
それでも機能しだしたときのパワーは高いし、このカードを使っていろいろ面白いことができるのを僕は知ってる。まだ言わないけどね。
みんなに知らせるに足るリストができたら今後記事にするよ。

大丈夫、他にもおもしろいものがあるから。
今日僕が教室に持ってきたのはこいつだ。

全知 / Omniscience (7)(U)(U)(U)
エンチャント

あなたはあなたの手札にある土地でないカードを、それらのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。


なんでも唱えられるだって?・・・いいじゃないか。

「着地したら勝つカード」の限界をウィザーズは明らかに押し広げようとしていて、この最新の反則カードはM13でお披露目だ。
GPアトランタではぎりぎりリーガルじゃないけど、次のGPヘントは揺るがすかもしれないね。

この他に類を見ない呪文はOmniscienceじゃなくて"Omnipotence"とでも呼ぶべきかもしれない(「全知」って名前はライブラリを全部手札としてプレイできるようなカードの方が合ってるだろう?)けれど、ともかく誰もこのカードのパワーは否定できまい。
とどのつまり、ハイタイドがデッキ全体で実現しているマナ生成エンジンを1枚のナイスなデッキパーツに凝縮したもの、それがOmniscienceだ。
アクセスできるスペルならなんでもキャストし放題というのは本当に壊れてる。10マナっていう値札がなければね。

何か革新的な構築や、レガシーの広大なカードプールに眠る隠れた秘宝を見つけだして、この大きな大きな課題をうまく避ける方法を思いついた人がいたら、みんなが彼を「全知」として見上げ、彼のアイデアに褒賞を授けることを厭わず・・ってちょっと待った、今のナシ。
Show and Tellしましょう。さんざんいろんなところでうまくいってるし。結局これでしょう。
おまけにフレイバー的にも完璧で「トレイリアのアカデミーでの実物提示教育。今日のテーマはいかにして無限マナを出すか」――冗談だよ。


実物提示の時間

僕のアイデアはこれだ:

Teacher’s Pet
Featured by Carsten Kotter on 2012-07-01 (Legacy)

Maindeck:
4 Omniscience
4 Brainstorm
1 Flusterstorm
4 Force of Will
2 Misdirection
3 Spell Pierce
4 Griselbrand
4 Burning Wish
4 Ponder
4 Preordain
3 Show and Tell
4 Lotus Petal

3 Island
1 Mountain
2 Ancient Tomb
3 City of Traitors
1 Flooded Strand
1 Misty Rainforest
1 Polluted Delta
4 Scalding Tarn
1 Underground Sea
2 Volcanic Island

Sideboard:
4 Leyline of the Void
2 Echoing Truth
1 Flusterstorm
1 Red Elemental Blast
1 Eye of Nowhere
1 Grapeshot
1 Overmaster
1 Petals of Insight
1 Pyroclasm
1 Show and Tell
1 Virtue’s Ruin


そう、このリストはいわゆるショーテルデッキとはやや違っている。Show and Tellが見つからないときの補助プランになるSneak Attackのようなカードが入っていないし、Hive MindやDream Hallsとは違ってOmniscienceをハードキャストすることはできない。
それらのかわりに、Show and Tellプランに全てを賭ける。
たったひとつのプランに全てを託さなきゃいけないなんて、スニークショーやハイブマインド、ドリームホールではなくあえてこのデッキを選ぶ理由なんてあるのかな?


教育の時間

みんな大好きスニークショーから始めよう。
2つのアドバンテージがある。
第一に、クリーチャーによる勝利が不可能(Humilityとか、Karakasだけでも結構面倒だよね)なときの別の勝ち手段になる。
二つ目に、Show and Tellの解決後、アンタップステップを待つことなく勝つことが可能だ。

この2点はドリームホールとハイブマインドがエンチャントを握っている場合にもあてはまるけれど、それと比べてもまだ2つの大きな利点がある。
ひとつには、エムラやProgenitusのかわりにGriselbrandを入れている。これは正しい方向を向いた大きな一歩だ。
このデカくてワルイ破滅のデーモンファーザーはEmrakul, the Aeons TornよりもShow and Tellの「対象」として優れている。なぜならグリセルは着地してすぐに(次のターンを待たずして)勝ってしまうことがよくあるからだ。7~14枚の新しいカードを残して除去されたとしても、それらのカードを使って次のターンにはOmniscienceで勝つはずだ。

他にファッティの選択が問題になるポイントとして、Omniscienceを貼った状態で引くとしたらどれか、を考えると、この場合はグリセルとエムラどちらでもいい。相手がKarakasを出している状況ではエムラを支持する意見がありそうだけど(そう、Time Walkできるからね)。

とはいったものの、Omniscienceデッキの持つ最大の利点は、デッキスペースの効率性だ。
ConfluxやBeacon of Immortality、Pact of the Titanのようなひどいカードにスロットを無駄使いする必要はない。それらのかわりにハイタイドや青黒ANTみたいにたくさんのキャントリップを積める。つまり伝統的なショーテルデッキよりもかなり安定したデッキになる。
そのうえ、さらに捗る勝利手段が入った。Burning Wishだ。

願いはこのデッキにとってマジでパーフェクトなカードだ。Show and Tellをサーチすることもできるし、いったんOmniscienceが出れば願い1枚でゲームに勝てる。
どうやるんだって?
よろしい、まず願いでPetals of Insightを手に入れて100回プレイする(もちろん毎回ボトムに送るんだ)。十分なストームを稼いだらさらに何度かInsightを唱えてもう一枚Burning Wishを手に入れ、Grapeshotを持ってきてぶっ放す。

ヘッドジャッジがOKすればだけど、ライブラリの枚数が3で割り切れないときにかぎり、Petals of Insightを使ってデッキ内の好きな3枚の組み合わせを用意することができる(ボトムに送るときに好きな順序に並べ替えられるからね)。**
なんでそんなことをするのかって?
Stifleをはじくためのカウンターが必要かもしれないし、対戦相手はLeyline of Sanctityを出しているかもしれない。つまり回答が必要な場面だね。

Burning Wishによる即死コンボ以外にも、Omniscienceによって、無制限にスペルをキャストできる能力、つまりGGと書かれているGriselbrandを出すこともできるし、キャントリップを狂ったように撃ちまくる(そしてGriselbrandやBurning Wishを見つける)こともできる。

その他、マナソースとShow and Tellを守る手段が入っている。
マナベースは単純にスニークショーから拝借した。Ancient Tombを1枚City of Traitorsに変えたのは、ダメージが問題になることが予想以上に多かったのと、丁寧にプレイすれば土地を失うことはそれほどなかったためだ。

防御用パッケージとしてはMisdirectionを1枚減らしている。これはOmniscienceを勝ち手段とするにはなにかしら有効牌を握っている必要があり、ピッチカウンターが多すぎて手札を使い果たしてしまうのは都合が悪いためだ。

サイドボードを見てみよう。普通のサイド用カードが8枚、ウィッシュボードが7枚となっている。
ウィッシュボードとしてはPetalsとGrapeshotが一番必要な勝利手段だ。Show and Tellはまた別の勝ち手段、Overmasterは相手のカウンター呪文を搾り上げるのに申し分なくて、Eye of Nowhereはこちらを勝てなくする置物への対処だ。最後にPyroclasmとVirtue’s Ruinはマーベリックのヘイトベアーを片付けるためのもので、パイロは早く、Ruinは信頼性が高い。

そう、Ruinを撃つための1枚のUnderground Seaには価値がある(Virtue’s RuinはOmniscienceのもとで撃たれることが多いのは事実だけど、それでも)。コンパクトな除去パッケージは実際すごくよくて、相手に並べさせるように動いて4ターン目に流すというコントロールデッキに似たプレイがときどき可能になる。これはキャントリップで積み込むときのとても強力なオプションだ。

いつも入れておくカードとしてキャントリップが付いていないLeylineが正しいかどうかは自信がないけど、このスロットに4枚の墓地対策は欲しいね。ドレッジとリアニは数少ないこちらよりも速いデッキで、対策すべきだ。

Red Elemental BlastとFlusterstormはコントロールを相手にしたときメインのカウンターパッケージをかなりアップグレードしてくれるし、カウンター以外の問題(それぞれMeddling Mageとハンデス)に対して便利だ。最後に、Echoing Truthはパーマネントによるいろいろな妨害に対して昔から使われている手段だね。


School’s Out

今のところ、このリストではまだ数十ゲームしかプレイしていなくて、調整の余地は残っている。
けれど、この骨組みの持つ力とハイブマインドやドリームホールと比べたカードの質の向上によって、Omniscience Show and Tellはスニークショーと最も近くで「最高のショーテルデッキ」のタイトルを争える、そしてOmniscience型は安定性と妨害への耐性の面で一歩先んじられるんじゃないかと思う。少なくとも理屈の上では。
僕が正しいかどうかは時間が明らかにしてくれるだろう。

そしてあなたはShow and Tellの次の進化形を手にする。もしあなたがデカブツを出したり、スペルをタダで唱えたり、7枚のカードを引いたりすることが好きなら、このデッキはすぐに選択肢に入る。単純にパワーの高いカードとキャントリップが大量に入っていて、このデッキをプレイするのはたいして難しくない。やるのは2枚のピースを見つけること、それだけだ。

今日はここまで。
このデッキでできる僕が見逃している面白いトリックや、その他なんでも言いたいことがあればコメントで教えてね。
それじゃあまた次回、知ったかぶりになろう!

Carsten Kotter

(※訳注:このあと、Wizards R&Dのカードデザイン思想へのコメント、Petals of Insightを何度もプレイしてライブラリ操作をする手順を省略してもいいのか、という話題で脚注がありますが本題からは外れるので省略。⇒実際に起こりそうでだいじそうな気がしたので脚注2は訳すことにしました。)

** Four Horsemenデッキに与えられた運命のように、Petalsを何度もプレイしてライブラリを並べ替えることが遅延行為にあたるのかどうかが分からない。これは、ルールに書かれている文言をそのまま受け取れば、そのプレイヤーが数学を得意かどうかによって変わってしまいそうだ。ライブラリを任意の順序に並べ替えるのに必要な繰り返し回数が有限なのは明らかだが、ある状態から厳密に何回必要なのかを言うことが僕にはできない――特に今回のように3枚のかたまりを見ることになる場合は。ジャッジコールした場合どのように解決されるのか、誰か教えてもらえれば感謝します。

(※追記訳注:Four Horsemenは、Basalt Monolithでマナを出して自身をアンタップ→Mesmeric Orb誘発で自分のライブラリ1枚削り、という手順を、戦場にナルコ3体&墓地にDread ReturnとシャルムとBlasting Station、という状況になるまで繰り返すデッキですが、エムラが入っていて揃う前のどこかで誘発して墓地が空になってしまう可能性がある(シャッフル後も何度でも誘発する可能性がある)ため、「何回繰り返せばよいかを決めることが原理的に不可能。」
一方、Omniscience + Petals of Insightの場合は「何回繰り返せばよいかは決定可能(欲しいカードが見えた時点で決まる)だが、回数の計算が複雑。」
The Source: Four Horsemenスレの#131 http://www.mtgthesource.com/forums/showthread.php?21377-Deck-The-Four-Horsemen-Orb-Monolith&p=616506&viewfull=1#post616506 には「決定不可能だから遅延行為」と書いてありますが、信じていいのか分かりませんし、やはりジャッジの判断を仰いだ方がよさそうですね。)

※脚注の誤訳を修正。分詞構文が課題だなあ。
Channel Fireballより。
「マーフォークについて、グリセル入りペインター、土地税関連のアイデア」
の3本立て。

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Legacy Weapon - Shifts in the Format
Posted by Caleb Durward
June 27, 2012

http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-shifts-in-the-format/

ついこの間のインビテーショナル(※訳注:2012/6/17に行われたSCG Invitational Indianapolis)はいくつかの理由で重要だ。
まず、Griselbrandはこのフォーマットを破壊したりしておらず、ウィザーズがグリセルを禁止しなかったのは正しかったことが分かった。
2つ目に、何人かがメタゲームの結果としてマーフォークを持ち込んだ。マーフォークは良い成績を上げ1人のプレイヤーをトップ8に送り込んだ。
普段RUGを使っているJustin Uppalと話したところ彼はマーフォークを絶賛しており、それで私は日曜のレガシーオープンはマーフォークでいくことに決めた。

インビテーショナルでは多くの人が青単マーフォークを使っていたが、かつて齋藤は実にダイレクトに、いかにPerishが優れているかを私に見せつけてくれた(※訳注:齋藤友晴が2010年GPコロンバスで優勝したときに使っていたタッチ黒マーフォークのこと)。
レガシーで緑が最も優秀なクリーチャーを擁するかぎり、私は青単よりも齋藤のマーフォークを好む。副産物として、黒マナはDismemberをライフロスなしに撃たせてくれる。

もう一つ別の観点からインビテーショナルのリストで気に入らないのは、4枚フル搭載したPhantasmal Imageだ。このデッキに合うカードなのは認めるし、こいつがいかに効果的にバカでかいレジェンドを処理するかも分かってるが、それでも複数枚引くのは間が抜けている。
例えば、ImageはSilvergill Adeptで公開できないし、除去入りデッキ相手で自分の場に1体の脅威しかいないときにプレイするのも危険だ。したがって、脅威の薄い手札をさらに薄めることになるし、またImageは追加の1ターンをもぎ取るための妨害スペルの枠を奪ってしまっている。

これが私の使ったリストだ。

* Main Deck
* 4 Underground Sea
* 4 Mutavault
* 3 Island
* 2 Misty Rainforest
* 2 Scalding Tarn
* 1 Flooded Strand
* 4 Wasteland

* 4 Cursecatcher
* 4 Silvergill Adept
* 4 Merrow Reejerey
* 4 Coralhelm Commander
* 4 Lord of Atlantis
* 2 Phantasmal Image

* 4 Aether Vial
* 4 Daze
* 4 Force of Will
* 1 Stifle
* 1 Spell Pierce
* 1 Dismember
* 3 Standstill

* Sideboard
* 2 Perish
* 2 Dread of Night
* 2 Submerge
* 2 Tormod’s Crypt
* 1 Nihil Spellbomb
* 1 Surgical Extraction
* 1 Sower of Temptation
* 2 Kira, Great Glass-Spinner
* 1 Hydroblast
* 1 Pithing Needle


親和、MUD、マーベリックといったデッキを倒し、RUG相手に1勝1敗、スニークショーとハイタイドに負けて3敗だった。
一日を通してメインデッキにはとても満足だった。
Standstillとの相性は悪いが、Stifleは1ゲーム目に相手に見せておくカードとしては最高だ。たとえそれがForce of Willのピッチコストとしてだったとしても。
ほとんどの対戦相手は残りのマッチをStifleを意識して動いてくれる。なにしろStifleを1枚だけ入れる奴なんていないからね。

プレイした後の調整として、メインに1枚Sower of Temptationを入れるためにSpell Pierceを抜くつもりだ。このカードが着地したときは毎回勝った。Imageのコピー先としても素晴らしいしShow and Tellへの回答にもなる。
経験則から言って、もしコンボに対しても優れているならSowerはメインに入るカードだ。

サイドボードでは2枚目のPithing NeedleやHydroblastを入れるためにSurgical Extractionを抜こうと思う。
Dread of Nightは1枚Virtue’s Ruinに変えるべきだ。

週末を通して、多くの人がマーフォーク算に苦心しているのを見かけた。
たとえあなたがマーフォークをプレイしていなくても相手にする機会はあるだろうから、これは大事なスキルだ。

ロードのサイズは常に2/2プラス周りのロードの数。
Cursecatcherのサイズは周りにいるロードのサイズと同じ。
Silvergill Adeptはロードのサイズに+1/+0で、Mutavaultはロード+1/+1。
珊瑚兜ははじめは分かりにくいと思うが、戦場の珊瑚兜以外の部分が分かってしまえば計算は簡単だ。
これらのルールを覚えておけばCursecathcerとMutavaultと2体のLoard of Atlantisのアタックで13ダメージ受けることが盤面をひと目見るだけでわかる。

Merrow Reejereyを使うのをすっかり忘れている人も見た。
このカードはただ相手のクリーチャーをタップするだけでなく、自分の土地をアンタップしたり戦闘後にクリーチャーをアンタップして警戒を持たせたりできることを覚えておこう。
たぶん最も重要なのは自分のAether Vialを起こすことで、これによってこのデッキに用意された強力な相互作用が引き起こされる。瓶をタップしてReejereyを出し、マーフォークを手札から唱えて瓶を起こし、もう1体Reejereyを出す。
追加で1体ロードを出せるかどうかが勝敗の分かれ目になることがよくある。

もしあなたがマーフォークを倒せるか不安なら、Pithing Needleと合わせて単体除去を使うのが一番確実だ。
それはそれで打撃にはなるが、針は瓶を刺すだけじゃない。もし対戦相手が瓶を出していないかゲームが終盤に突入しているなら、Coralhelm Commander、Mutavault、Wastelandが良いターゲットだ。

よく効く除去としてはソープロ系が一番ありふれているが、Force of WillやKiraのカウンターもできるRed Elemental Blastが理想的だ。
Kiraについて言えば、もしあなたがKarakasを出しているならKiraのシールドをはずすのに使え、1枚の除去スペルで殺すことができる。Kiraがアタックしてきた場合はMaze of Ithも同じように機能する。

多くの部族デッキと同じくマーフォークは相手の十手にカウンターが載っているのは見たくない。
ラワンはパワフルな奴だが、今のレガシーでは狭すぎる。


ペインター

この週末はペインターで相手をすり潰している人も見た。
私はまだペインターにはGriselbrandをつっこんでみたことがない。
その挑戦受けて立とう!

* Main Deck
* 3 Volcanic Island
* 2 Misty Rainforest
* 2 Scalding Tarn
* 1 Flooded Strand
* 1 Island
* 3 Ancient Tomb
* 2 City of Traitors
* 4 Seat of the Synod
* 1 Great Furnace

* 3 Mox Opal
* 4 Brainstorm
* 4 Force of Will
* 4 Show and Tell
* 4 Griselbrand
* 4 Painter’s Servant
* 4 Grindstone
* 4 Sensei’s Divining Top
* 3 Red Elemental Blast
* 4 Intuition
* 3 Relic of Progenitus

* Sideboard
* 2 Spellskite
* 2 Pithing Needle
* 1 Kira, Great Glass-Spinner
* 1 Misdirection
* 2 Pyroblast
* 4 Goblin Welder
* 3 Jace, the Mind Sculptor


今このデッキをプレイしない理由はいくつかある。
はじめに、スニークショーをPainter’s ServantとGrindstoneで殺すにはエムラクールの誘発にスタックで追放するために墓地対策(Relic of Progenitusとか)を入れる必要がある。
逆に良い面としては、GriselbrandはShow and Tellへの回答になる。

もう一つの理由は、Sneak Attackによく効くPithing Needleのような他のデッキへの対策がこのデッキに刺さってしまうことだ。
針は青を指定したPainter’s ServantがいればRed Elemental Blastできるが、対処が必要な妨害のごく一部にすぎない。

最後の理由は、ブルーカウントが16しかないForce of Willデッキだということだ。
これは私が最後にペインターを使ったときの14よりは多い。幸いPainter’s Servantが出ていれば、Griselbrandや余ったGrindstoneなどなんでもウィルのピッチコストにあてることはできる。

マーベリックはアーティファクト除去とクリーチャー除去の量が多くきついマッチアップだが、数を減らしつつある。
Relic of Progenitusはふつうメインには入らないが、RUGやリアニの海ではたしかに理に適っていそうだ。
最有力デッキのほとんどがBrainstormを使っている状況ではRed Elemental Blastはメインに入れるのに最高のカードだ。

Red Elemental Blastといえば、このカードがマーフォークに対していかに良いかをさっき話した。私はペインターで出たトーナメントで青単デッキに負けたことは一度もない。

サイドにジェイスというのを私はやったことがない。
見たことはある。たしかChristian Valentiのリストだったと思う。
例えばHumility入りコントロールのようにShow and Tellが理想的でないデッキに対して、ジェイスがまた別の勝ち手段になるというアイデアだ。
なにしろこのデッキはジェイスを2ターン目に着地させることが可能だ。

Humilityといえば、Painter’s Servantと一緒には使えないと思うかもしれない。
M10でのルール変更前はどちらのカードも同じ種類別(※訳注:ルール用語の種類別/layer)だったので依存性があった。そのため、HumilityはPainter’s Servantによる色変更を妨げた。

しかし今では色変更と能力変更は第5種と第6種に分けられている。そのためPainter’s Servantがあらゆるものの色を変え、そのあとでHumilityがPainterの能力を除去する。
Painter’s ServantとHumilityの両方が出ているときにGrindstoneを起動すれば、あなたは相手を削り切ることができる。


Land Taxの禁止解除

普段私は、禁止されない、というのが好きだ。みんなが自分のカードを使えるべきだからだ。それが大事なところだ、いいかい?
ましてや、禁止解除はもっと好きだ。そのカードが本当に危険でなくなったのなら。
Mind Twistのようなカードは、Grim Monolithや2マナランドやMetalworkerのいるフォーマットではかなり安定して2ターン目に手札全てを捨てさせられるため危険だ。
一方、Land Taxはだいぶ安全だ。

そう、このカードは強い。それがはじめに禁止された理由だ。
しかし、今のレガシーはこのカードを禁止せざるを得なかった頃のレガシーとはかなり違う。
土地を置くのをスキップすることはサリアのいるフォーマットでは致命的になりうるし、Aven MindcensorやQasali Pridemageはメインに入る土地税への回答だ。さらにLand Taxを運用するのに必要なたくさんの基本土地をマナベースに入れる余裕はない。

このエンチャントがカウンターされたらどうなるだろう?
レガシーで最近Scroll Rackを使おうとしてみたことはあるかい?
筆者はある。が、特に感銘は受けなかった。
さらに、Aether VialやDelver、Noble Hierarchデッキは2枚目以降の土地を置かないようにしてLand Taxの起動を防ぐこともできてしまう。これらのデッキとLand Taxデッキが勝てないコンボも合わせてメタゲームの大部分を占めている。

Land Taxは明らかに強力だが、来たるGPに向けた良い選択には見えない。
簡単に思いつくアイデアはたいして良いものじゃない。
もちろんSeismic Assaultとともにプレイすることはできるが、大量の基本土地を入れるためにデッキの色は制限される。

こんなデッキになるんじゃないかな。

* Main Deck
* 4 Land Tax
* 4 Seismic Assault
* 2 Zuran Orb
* 2 Enlightened Tutor
* 3 Scroll Rack
* 2 Sensei’s Divining Top
* 4 Lightning Helix
* 4 Path to Exile
* 1 Swords to Plowshares
* 1 Lightning Bolt
* 2 Isochron Scepter
* 2 Humility
* 1 Oblivion Ring
* 2 Mox Diamond
* 2 Terminus
* 1 Pithing Needle
* 1 Blood Moon

* 1 Undiscovered Paradise
* 7 Plains
* 8 Mountain
* 3 Plateau
* 3 Arid Mesa

* Sideboard
* 2 Red Elemental Blast
* 2 Pyroblast
* 2 Tormod’s Crypt
* 2 Relic of Progenitus
* 3 Cursed Totem
* 1 Engineered Explosives
* 1 Ethersworn Canonist
* 1 Solitary Confinement
* 1 Grafdigger’s Cage


もしLife from the Loamを入れたいなら森が1枚入るが、要らないと思う。
結局のところロームが機能し始めるのは必要なものが既に揃ってからだ。いったんそうなれば相手を殺るのにはLand TaxとSeismic Assaultで十分だ。

Luminarch AscensionとEntreat the Angelsは勝ち手段の良い補強になるが、Humilityとうまくかみ合わない。
Humilityは今の環境では素晴らしいカードだ。
そう、こちらを殺すために相手に残されるのは1/1生物だけだが、Lightning Helixの入ったデッキとダメージレースをするにはもう2、3体は必要になる。HumilityはShow and TellやQasali Pridemageのような厄介な脅威への回答にもなる。

エルズペスは良い選択で、2枚までは入るだろう。しかし私はLand Taxのもとでうまく運用できるIsochron Scepterが好きだ。
その他、火力はSeismic Assaultプランとよくかみ合う。

このデッキの主な問題は今のメタにあからさまに合わないことだ。
スニークデッキには本当にまったく勝てないし、このデッキがやりたいことに対処する手段をほとんどのデッキが持っている。
赤白が最後にレガシーで輝いていたのはいつだったろう。
あのデッキ、Rifterは、Eternal Dragonを手札に戻しLightning Riftで相手を殺していた。ガラスの大砲デッキで、クリーチャーデッキを倒しコンボに負けていた。
(※訳注:ガラスの大砲は"glass cannon": 高い攻撃力と低い防御力を併せ持つこと。)

同様に、上のリストはコンボに負け、ひとつやふたつのクリーチャーデッキにはたぶん勝つだろう。しかし、環境でベストなデッキがコンボである今、おそらく赤白を使うのは得策じゃない。

たぶん、今の奇跡デッキに似た青白のシェルが合っているだろう。
Caw BladeでSquadron Hawkが恐ろしく強かったのは、結局ジェイスのブレスト1回であまった鷹をフレッシュなカードと交換できたからだ。
アクティブなLand Taxがあれば、ジェイスとBrainstormどちらでも基本土地を使って鷹と同じトリックができるし、同じ基本土地を毎ターンサーチして場をつなぐことができる。これによって、青白デッキはLand Taxの価値を最大化したまま基本土地の枚数をより少なく、例えば6枚に減らせる。そんなデッキにはBlood Moonの代わりにBack to Basicsが入るだろう。

その他のアイデア:

Land Taxは手札を満杯まで増やせるためディスカード手段としてはたらく。これはTombstalkerやPlanar Birth + Zuran Orbみたいなカードを使うときに有効だろう。
いくつかのParfait(※訳注:ヴィンテージのMeandeck Parfait?)のリストはPlanar BirthとLand Taxのシナジーをベースに、Sacred Mesaをマナの使い道として採用していた。

2,3回起動するだけの時間を得られれば、Land Taxは遅いMana Severanceとなり、Goblin Charbelcherが勝利手段になる。

エンチャントレスは限界までエンチャントを積むデッキだ。2色デッキなのでLand Taxは良い補強になりえる。
このデッキでコンボしようとするとき、1回起動したときのデッキ圧縮には意味がありそうに見える。さらに、Land TaxはSolitary Confinementとダイレクトにシナジーがある。

Scroll Rackはカードを引かないドローエンジンなので、Chains of Mephistophelesは黒をタッチする場合の良い銃弾だ。

PsychatogとTerravoreはLand Taxデッキの素晴らしいフィニッシャーになりえる。

Caleb Durward

StarCityGamesより。
SCG Open Indianapolis (2012/6/15-17) でStandard 32位、Legacy 21位のAdam Prosakのデッキ解説記事。

前半がスタンのエスパーミッドレンジ、後半がレガシー青黒テゼレット。
テゼレットは後日の調整版も書かれており、後半のみ翻訳。

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Esper Midrange And Legacy Tezzeret
By Adam Prosak
06/28/2012

http://www.starcitygames.com/magic/standard/24381-Esper-Midrange-And-Legacy-Tezzeret.html

(前略)

楽しいデッキといえば、SCGインビテーショナルでドレッジを使ったよ。

ドレッジは楽しくないって?そうだね、でもドレッジは知ってるデッキなんだ。コロンバスではRUG Delverを使って、3敗した相手は全てコンボデッキだった。コンボ相手に信頼できないRUGをインビテーショナルで使う気にはなれなかったんだ。他のレガシーデッキで今年使っていたのはドレッジだけ。SCGインビテーショナルでは知ってるデッキをプレイするのが一番だからね。

だけど日曜のレガシーオープンはまた別の話。何か楽しいデッキを使いたかった。
誰かが少し前のSCGレガシーオープンで入賞したテゼレットデッキを教えてくれて、リストを見せてくれた。興味を惹かれたけど僕はゼロからデッキを組み上げようと思った。
まず4枚ずつのForce of WillとThoughtseizeが欲しかった。このフォーマットの壊れたデッキ達に対抗するにはそれがスタートポイントだと思う。
これまではテゼレット用に十分な量のアーティファクトとForce of Willの両方を運用するのは明らかに無理があったけど、プレーンチェイスの新顔がデッキの組み方を変えてくれた。

Baleful Strixは本物だ。

単純にプレイに値する青いアーティファクトとして、Baleful StrixはForce of WillとTezzeret, Agent of Bolasの同時運用という可能性を開いた。
そのうえBaleful Strixはプレインズウォーカーを守るなかなかの仕事をするし、Force of Willが働かない状況ではBaleful Strixが最高に機能する。
有名人を引き合いにだすわけじゃないけれど、Chris AndersenはレガシーでのElvish Visionaryの力を示してくれた。Baleful Strixは僕らのElvish Visionaryなんだ。
(※訳注:Chris AndersenはElvesでレガシーオープンに何度も入賞している。)

それから、これはEnsnaring Bridge+プレインズウォーカーデッキだ。
Jace, the Mind Sculptorは追加のテゼレットとして、橋で守られながらボードを支配するプレインズウォーカーとして入れてある。
Ensnaring Bridgeについて、このカードはただデッキに入れておくだけで結構な数の勝ち星を稼いでくれる。スニークショーは基本的に何もできなくなるし、さらに良いことにレガシーデッキの多様性のためスニークショーはメインに対策を入れる余裕がない。
カウンターを構えたりカードドローしたりで手札を減らしにくいこともあるけど、それでもEnsnaring Bridgeは最良のカードの一つだ。

このデッキのもう一つの特徴で、他であまり見かけないのはAncient Tomb / Chrome MoxとBrainstormの組み合わせだね。
しょっぱなから爆発的な右ストレートを繰り出すだけのデッキではないけど、爆発的なシーケンスは用意されている。
Ritualsは入っていないけれど、このデッキはAd Nauseamデッキのようにプレイできることがよくある。2ターン目にプレインズウォーカーを呼べる不条理なハンドがくるときがたまにあり、ほとんどの場合は少しだけ盤面を整えてちょっとだけドローを操作してからパワフルなアクションをする。
たしかに専用デッキに入っているAd Nauseamほどのパワーはプレインズウォーカーにはないけど、ジェイスをプレイするまでもないことはしょっちゅうある。Adとは違って毎回のようにジェイスブッパに全てを託す必要もないからね。
(※訳注:後半の "but you don’t have to go all in on playing a Jace, the Mind Sculptor very often." の訳は自信がない。。⇒rainさんから教えていただきました。thx!)


Maindeck:
4 Baleful Strix
3 Trinket Mage
3 Vendilion Clique

3 Jace, the Mind Sculptor
3 Tezzeret, Agent of Bolas

4 Brainstorm
4 Force of Will
4 Thoughtseize
3 Chrome Mox
3 Ensnaring Bridge
1 Chalice of the Void
1 Nihil Spellbomb
1 Pithing Needle
1 Sensei’s Divining Top

1 Seat of the Synod
1 Vault of Whispers
4 Island
1 Swamp
2 Misty Rainforest
4 Polluted Delta
1 Scalding Tarn
3 Underground Sea
1 Urborg, Tomb of Yawgmoth
3 Ancient Tomb
1 Academy Ruins

Sideboard:
3 Chalice of the Void
1 Cursed Scroll
1 Engineered Explosives
1 Grafdigger’s Cage
1 Tormod’s Crypt
4 Leyline of the Void
2 Liliana of the Veil
2 Perish


うまくまとまっていないデッキなのは認めるよ。何が必要なのかよく分かっていなかったんだ。
それはラウンド中に、特にマーベリックを相手にしたときに明らかになった。マーベリックの素晴らしいユーティリティ達を前にして本当に何一つ役に立つ道具がなかったんだ。Evan Wagstaff(彼は最近何度も対戦しているとても印象的なプレイヤーだ)と引き分け、Drew Levinに負けたけど、どちらもプレイしていたのはマーベリックだった。
もう1敗は赤単バーンでこのマッチアップは今後100万年は勝てないだろうね。

インディアナポリスのあと地元の大会に出る機会があって、少しデッキをいじったらとても良かったよ。


Maindeck:
4 Baleful Strix
3 Trinket Mage

3 Jace, the Mind Sculptor
4 Tezzeret, Agent of Bolas

4 Brainstorm
4 Force of Will
2 Temporal Mastery
4 Thoughtseize
3 Chrome Mox
3 Ensnaring Bridge
1 Pithing Needle
1 Relic of Progenitus
2 Sensei’s Divining Top

1 Darksteel Citadel
2 Seat of the Synod
2 Vault of Whispers
3 Island
1 Swamp
1 Flooded Strand
1 Marsh Flats
4 Polluted Delta
3 Underground Sea
1 Urborg, Tomb of Yawgmoth
3 Ancient Tomb

Sideboard:
3 Chalice of the Void
1 Cursed Scroll
2 Cursed Totem
1 Engineered Explosives
1 Ensnaring Bridge
1 Grafdigger’s Cage
1 Relic of Progenitus
1 Tormod’s Crypt
1 Welding Jar
3 Engineered Plague


アーティファクト土地の増量:
アーティファクトカウントが少なめで、テゼレットの+1能力で何も見つからないかもしれないのは合理的じゃない。Ensnaring Bridgeをプレイしたあとは奥義を使うことを考えるとアーティファクトカウントは重要だ。
Darksteel Citadelはかなりクールで、破壊されない5/5生物はいくつかのデッキに対して非常に強い。SCGレガシーオープンのときよりもTrinket Mageでサーチしたいことが多かったよ。

Temporal Masteryの採用:
このデッキで僕が好きなところの一つがAncient TombとChrome Mox経由で爆発的にカードを引けて、なおかつBrainstormとSense’s Divining Topのおかげで比較的安定していることだ。
Temporal Masteryはデッキの安定性を損なわず、爆発的な部分にフィットしている。地元のトーナメントでMastery2枚を試して、かなり感動した。Chrome Mox、Force of Will、ジェイス、Brainstormはどれも手札にあるTemporal Masteryを有益に活用できるし、Sensei’s Divining TopとテゼレットによってMasteryから追加のアドバンテージを得られる。
Masteryのために一時的に2枚目のTopを追加してみたけど、Topは引きたくないときよりも欲しいときの方が多いカードだね。序盤の盤面構築の補助としてTopを使う余裕はないけど、中盤から終盤では素晴らしいカードだ。
(※訳注:Masteryから独楽でアドバンテージ、というのは追加ターンに無駄ツモしてしまう確率を減らせることを指している、と思われる。)

サイドボードの再構築:
Cursed Totemは明らかにマーベリック用だけどEngineered Plagueも実はかなり仕事をする。Plagueの役割はサリアやマザーを殺すSulfur Elementalと似ているけれど、PlagueはおまけにNoble Hierarchも殺す。そんなのたいしたことないと思うかもしれないけど、Noble HierarchはよくEnsnaring Bridgeを渡ってきてどこかで対処しなきゃいけなくなるんだ。なぜか部族デッキが増えてきていることもサイドにPlagueを入れる理由の一つだね。
Cursed Scrollは多くの生物デッキ相手にすごく仕事をするし、Plagueが生物を撃ち落とせるサイズに保つ補助になる。

このデッキは間違いなく未完成品で、僕が普段はレガシートーナメントに出る機会がないのが残念だよ。もし近いうちにSCGオープンや他のレガシートーナメントでこのデッキをプレイしたいと思ってくれたなら、しっかりデッキを研究してほしい。爆発力があったり、妨害力があったり、安定していたり、型破りだったりするデッキはあるけれど、その全てを兼ね備えたデッキはほとんどないんだ。

Adam Prosak

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