ChannelFireballより。
デルバーデッキのプレイングとレガシー環境(Dig禁止、マリガンルール、万力)について。

万力活躍してほしいけど…。

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Delver of Secrets and the Future of Legacy
Bob Huang
2015/10/12

http://www.channelfireball.com/articles/delver-of-secrets-and-the-future-of-legacy/

もともとこの記事はグリクシスデルバーのガイドになるはずだった。残念ながらDig Through Timeが禁止されてグリクシスデルバーはかなりの変更が必要になったので、この記事ではもっと一般的な「デルバーデッキですべきこととすべきでないこと」を書くことにしたよ。今後のレガシーについての考察を添えてね。

よくあるミスプレイ

デルバーデッキを使うとき、ちょっとしたミスプレイをしている人たちをよく見かける。
ここに書くのはあくまでガイドラインであって、これらの「ミスプレイ」をすべきケースも間違いなくあるってことは忘れないでほしい。

1. 死儀礼より先にデルバーを出す ― デルバーは最速の脅威だけど、死儀礼とデルバーが共に入ったデッキでは95%の場合で死儀礼を先に出すべきだ。新マリガンルールでデルバーが裏返ることが保証されるケースが増えたことで、このパーセンテージが少し変わるかもしれないことには注意だね。だけど一般に、死儀礼は2ターン目に3マナを出してゲームプランを加速させる役目を持ち、それによりデルバーと同時に裏返すためのキャントリップをプレイできることも多い。このルールの例外として一番よくあるのは、死儀礼の燃料になる土地を墓地に落とせるかどうか分からないケース、あるいは相手がコンボなのでデルバーからのアップキープブレストで裏返し、アグロにクロックを刻む必要があるケースだ。この後者のケースが次のルールに繋がるよ。

2. デルバーを裏返すためにブレストを使う ― このプレイは本当によく見るけど、基本的には間違いだと僕は思っている。特にゲームが長引きそうな場合はね。ブレストはほぼ常に、2枚の不要牌をシャッフルして擬似アンリコとして使うか、テンポ相手に大きく置き去りにされないために土地か除去を探す最後の手段として使うべきカードだ。デルバーを裏返すためにブレストを撃つのが正当化されるのは、コンボ相手に速いクロックが必要な場合か、複数のデルバーを裏返せる場合だ。

3. ブレストとポンダーが両方手札にあるときブレスト後のシャッフル用にポンダーを使う ― これは決して確固としたルールじゃないけど、ポンダーをシャッフル手段として「ドブに捨てる」人たちをよく目にする。ポンダーはモダンで禁止されヴィンテージで制限されるほど強力で、実はパワーレベルで言えばブレストとそんなに違わないと僕は思っている。ポンダーにより土地1枚のハンドの多くがキープ可能になり、脅威を継続的に入手できるようになる。ブレストより先にポンダーを撃つことで必要な脅威や除去を見つける確率を最大化でき、そして多くの場合、その後のブレストと共に使うフェッチも手に入れることもできるだろう。

4. デッキ圧縮のためにフェッチを切る ― これは前にも言ったことがあるけど、死ぬまでに残り1ドローしかないとき以外にデッキ圧縮のためにフェッチを切ることは僕は決してしない。フェッチはキャントリップと共に使うのが素晴らしいし、表向きのデルバーと連携して占術をするためにも残しておくべきだ。デルバーの誘発でライブラリトップを見て、その後、不要牌を引く前にシャッフルしよう。もう一つよくあるのは、ブレストでDazeなどの死に札をトップに置き、デルバーを裏返し、その死に札をアップキープ中にシャッフルする使い方だ。

5. 間違った土地をフェッチする ― これは一見当たり前だけど、そうじゃない。マッチアップによっては、2ターン目にキャントリップで死儀礼や稲妻を探す必要が出てくる。そのため、1ターン目に持ってくるべきなのは、2ターン目にキャントリップで探そうと思っているカードの色と「合わない」方の土地ってことになる。これにより2枚のボルカやアンシーを出して事故る羽目になるのを防げる。

6. 死儀礼のにらみ合い ― 死儀礼は、場に1体だけの場合は直感的に動かせる。しかし複数体いる場合は非常に複雑になる。こちらの死儀礼は、相手の死儀礼の起動にレスポンスで対象を追放して「カウンター」するために使うことができる。ゲーム序盤の数ターンでは、マナを自分のターンに使うのが良いか、相手のターンまで残しておくのが良いかをはっきりさせることが重要になる。相手の土地が詰まっているのに対して、こちらはマナが伸びて脅威の展開を続けられることがあるよね。この状況ではおそらく死儀礼を立たせたままにしておく方がかしこい。一方、積極的に死儀礼を起動して相手のアンコウや墓忍びを遅らせた方が良い場合もある。本当に多種多様な状況があって、こうしておけば常にOKというルールはないのが実際だ。いま死儀礼を起動するのは妥当か、その結果どうなりそうか、とにかく考えてみてほしい。

7. ギタ調の早すぎるキャスト ― これは細かいルールだけど、僕はふつうギタ調を残しておくことを好む。ギタ調はYoung Pyromancerとの組み合わせで強くなるので、1ターン目にギタ調とポンダーが手札にある場合はギタ調を撃たず、ポンダーでヤンパイを引いて2ターン目に0マナでトークンと情報を得られるようにしたいね。

8. 余計な土地をプレイする ― 余った土地は手札に残し、ブレストでシャッフルできるようにしておこう。これはブレストの入ったデッキの一般則だけど、デルバーデッキにとってはより重要になる。こちらのカードは基本的に相手よりも弱い。そのため、必要なときにブレストで擬似カードアドバンテージを得られるように、死に札を残しておくことは大切なんだ。

9. ウィルで切るために持っておくべきキャントリップをキャストする ― これは文字通りだね。でも僕がやらかしたことのあるミスでもあり、言っておいた方がいいと思ったんだ。

10. デイズとウィルの誤ったサイドボーディング ― 僕がサイドボーディングでまず考えることは、そのマッチアップでの自分の立場だ。序盤の助けとなるカードが追加で必要か否か、じっくり終盤に勝つことを目指すのか。例えば、BUGデルバーを使ってRUGデルバーを相手にするとき、僕はデイズとウィルを多めに残す。RUGのゲームプランは非常に序盤に偏っていて、こちらは長期戦を目指すことになる可能性が高いからだ。RUGが相手の場合は単純に生き残ることがゴールになり、カウンターはその役に立つ。一方、相手がミラクルだったりBUGデルバーミラーの場合、僕はほとんどいつもDazeを抜く。長期戦になるのは確実で、できる限り死に札を減らしたいからだ。


いろんな風味のデルバーデッキ

今のところ、デルバーデッキにはおそらく6種類の味がありそうだ。アグロな順に並べると次のようになる:青赤デルバー、RUGデルバー、4色デルバー、Stifle入りBUGデルバー、トリコデルバー、ヒム入りBUGデルバー。
デルバーデッキを使うとき、特にミッドレンジ寄りのバージョンを使うときは自分の立場を見極めることが重要になる。自分よりもアグロなバージョンのデルバーデッキが相手の場合、できるだけ長く生き残れば自然と優位に立てるため、Force of Willは多めに残した方が良い。


青赤デルバー

長所: 軽い、丈夫なマナベース、Price of ProgressやBlood Moonを採用できる

短所: コンボとタルモに弱い

得意な相手: Infect, Shardless BUG

互角な相手: BUGデルバー, RUGデルバー, Lands, Death and Taxes, エルフ

苦手な相手: ミラクル, ANT, スニークショー


RUGデルバー

長所: 高い安定性, ハメパターンの多さ

短所: Stifleは刺さるかまったく何もしないか極端なカード――デッキの多くのカードがその手のカードだ

得意な相手: Infect, スニークショー

互角な相手: Shardless BUG, ミラクル, Death and Taxes, ANT

苦手な相手: BUGデルバー, Lands, エルフ


Stifle入りBUGデルバー

長所: RUGのようなハメパターンがいくつかあり、衰微というパーマネントへの優れた回答を持つ

短所: 良い1マナ除去がない

得意な相手: スニークショー, ANT, RUGデルバー

互角な相手: Shardless BUG, ミラクル, Infect

苦手な相手: Death and Taxes, Lands, エルフ, ヒム入りBUGデルバー


トリコデルバー

長所: Meddling Mage, Containment Priest, Rest in Peace, Swords to Plowsharesが使える

短所: ゲームプランが一貫しない、このデッキは大量の1マナ除去を持つので生物中心のメタで特に輝く

得意な相手: Infect, Death and Taxes, エルフ

互角な相手: スニークショー, ANT, RUGデルバー

苦手な相手: Shardless BUG, ミラクル, BUGデルバー, Lands


ヒム入りBUGデルバー

長所: コンボに強い、ヒムにより多くのハメ勝ちを拾える

短所: 遅くてぎこちない, マナベースが脆い

得意な相手: スニークショー, ANT, Stifle入りBUGデルバー, RUGデルバー

互角な相手: Infect, Shardless BUG, Lands

苦手な相手: Death and Taxes, エルフ, ミラクル

一般に、Landsとミラクルはデルバーにとってきつい相手だと思う。どちらのデッキにも勝つ手段はあるけど、慎重なプレイと少しの運が必要になる。
僕の主力はヒム入りBUGデルバーになりそうだ。これが今のリストだよ:

Lands
2 x 《Bayou》
4 x 《Underground Sea》
1 x 《Tropical Island》
4 x 《汚染された三角州/Polluted Delta》
1 x 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
4 x 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4 x 《不毛の大地/Wasteland》
Creatures
4 x 《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
4 x 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》 // 《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》
4 x 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
1 x 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
Noncreature spells
4 x 《Hymn to Tourach》
1 x 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
4 x 《思案/Ponder》
4 x 《渦まく知識/Brainstorm》
4 x 《突然の衰微/Abrupt Decay》
1 x 《見栄え損ない/Disfigure》
4 x 《Force of Will》
4 x 《目くらまし/Daze》
1 x 《森の知恵/Sylvan Library》

Sideboard
3 x 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 x 《見栄え損ない/Disfigure》
1 x 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
1 x 《夜の戦慄/Dread of Night》
2 x 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
1 x 《四肢切断/Dismember》
1 x 《真髄の針/Pithing Needle》
1 x 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
1 x 《無のロッド/Null Rod》
1 x 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
1 x 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》


戦乱のゼンディカー後のレガシー

探査の時代は終わった。
大きく変わるのはどこか、これから何が起こるのか、考えていることを書いていこうと思う。


Dig Through Timeの禁止

負け組

* グリクシスコントロールやグリクシスデルバーなどの青赤/xパイロマンサーデッキ
* オムニテル
* 低速デッキに対するキーカードとしてDigを使っていたデルバー系デッキ

勝ち組

* ミラクル ― 上記のデッキたちがキツイ相手だった。他のDigデッキほどにはDig喪失のダメージを受けない
* Shardless BUG ― ミラクルが頂点に立つことの恩恵を得て、青い低速のフェアデッキの中でベストという地位を取り戻す
* Infect ― ミラクルを餌食にするうえ、環境にあふれた青赤/xデルバーデッキをこれまで苦手としていた
* Lands ― オムニテル衰退の恩恵を得る

実際のところレガシーは、ミラクルが君臨しLandsが頭角を現しはじめていたKTK前の状態に戻るのだろうと思う。デルバーに対してこれほど敵意に満ちたメタはないね。
僕の予想が正しいかどうか、お楽しみに。


新しい占術マリガンルールの実施

新占術ルールをテストして、これがレガシーに導入されるのをとても嬉しく思ったよ。ポンダーとブレストを使わない、安定性に劣るデッキがこのルールで少し強化されることになるはずだからね。ポンダー入りデッキのマリガンが少ないのは土地1枚でキープできるケースが多いためだ。マーフォークやMUDのようなポンダーのないデッキはマリガンが多くなりがちで、序盤にちゃんと土地を並べられる可能性を高める占術ルールの恩恵を直に受ける。

トップがデルバーを裏返せるかどうかを知ることで、デルバーデッキがどれぐらい強くなるかも色々な人が話題にしている。デルバーデッキが恩恵を得られるのは次の2つの条件が揃ったときだけだ。

1. デルバーデッキがマリガンしていること。これは10%以下の確率だろう。
2. デルバーデッキが1ターン目にフェッチを切らずにデルバーを出すこと。これは15%以下。

これらが満たされ、トップがインスタントかソーサリーの場合、ようやくデルバーが裏返るという情報が意味を持つことになる。死儀礼ではなくデルバーを先に出すべきだと分かる、有用な情報だ。トップがインスタントとソーサリーではないという情報でも活用できて、占術でボトムに送りやっぱりデルバーを出そう。裏返る確率を高められる。

とりあえず僕に思いつくのはこんなシナリオだけど、めったに起きそうもないよね。


Black Viseの禁止解除

僕はBlack Viseは安全だと言ってきた。大多数のマッチアップで2ターン目より後にはほぼ死に札になる。Land TaxやWorldgorger Dragonと同じ道をたどってフェードアウトしそうな気がしてる。
とはいえ、デッキを考えてみずにはいられないよね。

Lands
3 x 《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
4 x 《大焼炉/Great Furnace》
4 x 《教議会の座席/Seat of the Synod》
2 x 《空僻地/Glimmervoid》
Creatures
4 x 《メムナイト/Memnite》
4 x 《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
4 x 《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》
4 x 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
4 x 《信号の邪魔者/Signal Pest》
3 x 《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》
Noncreature spells
4 x 《黒の万力/Black Vise》
4 x 《一日のやり直し/Day’s Undoing》
4 x 《オパールのモックス/Mox Opal》
4 x 《頭蓋囲い/Cranial Plating》
4 x 《感電破/Galvanic Blast》
4 x 《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》

先に言っておくと、このデッキはそんなに強くないと思ってる。Black ViseとDay’s Undoingの組み合わせにより中盤以降もダメージが狙えるというのがアイデアだ。Galvanic Blastや信奉者+Ravagerのような直接ダメージを大量搭載したデッキにとって、Day’s Undoingを撃ってアンタップを迎えれば理論上は非常に強力な動きができるはず。
でも、このデッキは正しい順序でカードを引く必要があり、たぶん昔からあるチャリス入り親和の方がまだやれそうなんだよね。

世界中のデルバー仲間たちに幸あれ!
いつものように、意見や質問はコメントしてね。

コメント

アッツー
2015年10月14日8:53

大変面白く読ませて頂きました。確かにコンボ使ってる側としても、1ターン目デルバーより、1ターン目死儀礼のが嫌ですねー。

Radish
2015年10月17日1:41

> アッツーさん
コメントありがとうございます!
死儀礼とデルバーはどっちが良いのかいまいちハッキリしていなかったのですが、やっぱり2ターン目に死儀礼可動するのがでかいんですね。勉強になります。

きゃべつ
2015年12月3日17:30

はじめまして
勝手ながらリンクさせていただきます。

いつもデルバーを好んで使っている為
自分のプレイを思い返しながら読ませていただき、
非常に勉強になりました。
素晴らしい記事ありがとうございます。

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