StarCityGamesより。
コンボプレイヤーの頭の中。
コンボの駆け引きを見るのは大好きです。やるのは下手ですが。
しかしこれでたったの数ターンとは・・・。
原文のテンポの良さを残そうと頑張りましたが、難しいですね。
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Eternal Europe - The Storm Experience
By Carsten Kotter
11/02/2012
http://www.starcitygames.com/magic/legacy/25130-Eternal-Europe-The-Storm-Experience.html
数週間前にStanislav CifkaがPTラヴニカへの回帰を勝利した後、フィーチャーマッチ卓で見た彼のデッキがあまりにも退屈だったことにかなりの数の人々が不満を述べていた。(※訳注:Stanislav CifkaのデッキはSecond Breakfast。)
僕がこの反応を見て思ったのは、僕の経験と全く違う、ということだった。
僕が飽き飽きしていたのはジャンドミラーだ:生物をプレイ、生物を除去、ハンデスをそちらに、生物をプレイ、生物を除去・・・以下繰り返し。ある時点でどちらかのプレイヤーが新たな生物か除去をプレイできなくなり、攻撃が始まって人が死ぬ。取るべき選択は明らかで、一直線なプレイ。予測可能なただのマジックだ。
一方、Cifkaがプレイするのを見るのは楽しかった。多くのカードが領域から領域へ移動し、確率を操作し、そして、相手がドローしうるものは何で、それで彼を止められるのか、それとも彼はコンボを繋げきるのか、という問いが常に存在した。とてもたくさんの考えるべきことがあった。
たぶんこれは、単に僕がスペル主体のマジックが好きだってことなんだろう。僕は正しいブロックの仕方を見出すことよりもカウンター合戦を好む。1~3ターン目にマナカーブに沿ったクリーチャーを出すよりも大量の儀式をキャストすることを好む。たぶんこれは僕の個人的な嗜好だ。
でもここには何か別のものも関係している。
おそらくそれは親しみだ。本当に多くのプレイヤーがコンボのプレイを見るのを嫌う理由は、彼らがそのデッキや、経験が必要とされるプレイの流れを単に知らないからってだけなんじゃないだろうか?
ともかく、僕が見たCifkaのプレイの中で、全てのコンボプレイヤーが真似しようと頑張るべきなのは彼のコンボの始め方だ。彼のコンボターンに対戦相手が干渉できなさそうなのが明らかなとき、彼は何をしたと思う?手札をテーブルに表向きで置いたんだ!考えてみてよ。これはオール・インだ――もしそこで勝てなければ、その後も勝てやしない。だからそうすることには本質的に何のコストもかからないんだ。
それにもかかわらず、これは普通は完全に一方的になってしまうゲームに対戦相手を巻き込むための素晴らしいジェスチャーになっている。ただ座ってあなたがコンボするのを眺める代わりに、彼らはあなたのターンをあなたと共にプレイすることになる。あなたが下した判断について考え、試合の結末に参加することになる。もちろん、コンボターンはすぐには終わらないだろうけど、少なくとも「帰って風呂でも入りたいな」なんて考える以外のことを相手にさせてあげられる。
コンボは飽き飽きするようなものではないはずだ。(エンジンによる)コンボを動かすのは繊細なダンスみたいなもので、どのタイミングで何をして、どうすれば繋げきる可能性を最大化できるか、頭の中で描き出さなきゃならない。自分がどこにいて最終的にどこに行きたいのか、かなり明確な考えを持って進む必要がある。それなのに、AからBへ行く道はとても複雑だ。
とはいえ、「仕掛けること」はコンボをプレイする楽しみの一部でしかない。コンボをプレイする(そして観戦する)のを僕にとって本当に面白いものにしているのは、モダンのトップ8ではめったに見られない次のことなんだ:実際にコンボを始められるようにゲーム最序盤を組み立てながら、正しいパーツを見つけようと奮闘すること。
この手のゲームをするのは信じられないぐらいエキサイティングで、神経が磨り減る。数えきれないほど考えるべきことがあり、思考の速さが試され、気を散らしてくるいろんなものがある――スロープレイを告げる時計がチクタクとプレッシャーを与えてくるのは言うまでもなく。
正直に言うと僕はこう信じてる。もし見ている人がコンボプレイヤーの頭の中を駆け巡っているものを全て見ることができたら、コンボの試合を観戦するのはMTGに関して目にするものの中で想像しうる限り最高のものの一つになるだろうってね。
もしあなたもそう思うなら、見てみよう!
舞台セット
僕らはヨーロッパの奥地のどこかで開かれている大きなトーナメントに来ている。参加者は多くて、8ラウンドとトップ8シングルエリミがあるようだ。
今こそ大暴れするときだ。これが僕が持ち込んだものだ:
Cabal ANT
Featured by Carsten Kotter on 2012-11-04 (Legacy)
Maindeck:
1 Tendrils of Agony
1 Ad Nauseam
1 Grim Tutor
4 Infernal Tutor
1 Past in Flames
4 Brainstorm
4 Ponder
2 Preordain
4 Gitaxian Probe
3 Cabal Therapy
4 Duress
4 Cabal Ritual
4 Dark Ritual
4 Lion’s Eye Diamond
4 Lotus Petal
2 Island
1 Swamp
2 Underground Sea
2 Volcanic Island
4 Misty Rainforest
4 Polluted Delta
Sideboard:
4 Xantid Swarm
3 Dread of Night
3 Abrupt Decay
3 Chain of Vapor
1 Bayou
1 Tropical Island
リアニには当たらないことに賭け、ドレッジ相手はダイスロールに勝たなきゃならないけど、それ以外の全てを速度か十分な対策のどちらかで倒すプランだ。
カメラ
8時間後、さっき述べたプランは実際ここまでうまくいった。僕は6-1で、IDで抜ける準備ができている。ペアリングが発表される。僕は美味しく握手するのを楽しみにしている。しかし――ペアリングシートにズームイン――なんてこった!下あたりだ。僕はプレイしなきゃならない。
よろしい、全てを賭けたワンラウンドだ。
アクション
僕は自分の卓に座るとダイス、ペン、メモを取り出す。シャッフルを始める。準備完了。相手を待つ。来たるラウンドに向けてアドレナリンが徐々に増してくる。
とうとう対戦相手が到着する。彼はさっき2,3卓離れたところで見かけていた。彼はRUGデルバーを使っている。つまり、これはガチなゲームだ。
リフルシャッフル。ディールシャッフル。リフルシャッフル。そして相手に渡す。
僕らは軽口を叩き、お互いの良いゲームを願う。
カモォォォン、ダイス!――彼がロールに勝つ。
いいだろう、後攻だ。
シャッフル、カットして相手に返す。
7枚数える。
彼はキープだ。
僕は1枚1枚拾い上げる:
Grim Tutor ― いいね、これはいずれ必要になるものだ。
Lotus Petal ― まあいいか。
Duress ― 彼は青だ。こいつは助けになるな。
Dark Ritual ― ああ、いいマナだね。
Ponder ― 順調だぞ。
Cabal Ritual ― ちくしょう、最後のカードよ頼む、土地であってくれ・・・。
Lotus Petal ― おしい。
「マリガン。」
リフル。ディール。リフル。相手に渡す。彼がシャッフルとカットをする。6枚数える。
Misty Rainforest ― これだよ、ついにきた!さっきの手札に欲しかったね。
Lotus Petal ― いいね、おそらく。
Ponder ― いいねいいね。
Dark Ritual ― こういうマナは欲しいね。
Misty Rainforest ― これはキープだな。
Brainstorm ― 神!
「キープ。」
彼はトロピからスタートしてPonder――シャッフルこい!――並び替えてドローだ。
オーケー、少なくとも彼はタップアウトだ。Stifleはない。
ドローする――Lion’s Eye Diamondだ。素晴らしい!仕掛けるためのマナは揃った。
今はこれからキャントリップを撃っていくためのマナを確保するべきだな。
Mistyをプレイして切る――残り19――島を持ってくる。「ポンダーだ。」
彼は少し考えて――これをウィルはしないだろう・・・じゃあDazeか?――そして頷く。
僕が見たのは:
Lion’s Eye Diamond
Misty Rainforest
Underground Sea
土地はスレショ相手には常に良い。僕はLED、リチュアル、ペタルを既に持っていて、必要なのは起爆剤と妨害だ。
「シャッフル。」ドローする――Cabal Therapyだ。Probeを引きたいね!
「エンド。」
彼がアンタップしてドローする。Misty Rainforestを出す。こちらを観察する――タップアウトできるか考えているんだろう?――そしてトロピをタップしてNimble Mongooseを出し、エンド。
彼はこちらがコンボだと気づいたようだ。StifleかSpell Pierceがあるのか?
僕は島をアンタップしてドロー――もう1枚のセラピーだ。
そしてダンスが始まる。
そう、僕には2枚のセラピーを使うための信頼できる黒マナが必要だ。このMistyがDeltaだったらなあ。沼は不毛されない・・・彼がStifleを持っているかどうかだけが問題になるんだが。
前方確認のためにペタルを使ってセラピーを撃つ価値があるか?くそ、Probeが欲しい。
「手札は何枚?」彼は5枚を広げる。
多すぎるぞちくしょう。
ペタルと儀式とLEDと2枚の土地で8マナになる――Dazeをケアしてチューターと起爆剤をプレイするのにちょうど十分だ。だとするとペタルは無駄遣いできない。
そして、Brainstormを撃つことは必要だろう。これはピアスされたくない。
Misty Rainforestをプレイし、Lotus Petalをプレイ。彼は頷く。
よし、勝負の時だ。Brainstormをキャスト。
彼は考え、そして頷く。
3枚引く:
Ponder
Misty Rainforest
Brainstorm
長いゲームの始まりだ。
手札にあるカードは全て欲しい。チューターを探すためのキャントリップ、仕掛けるためのマナ加速、妨害をキャストしたり不確定カウンターをかいくぐったりするための土地。
次のターンにフェッチを切ってセラピー開始したくなりそうだけど、このターンは何もせずにいよう。
何をライブラリに混ぜ込もうか・・・僕はまだチューターを手に入れていない。だからできる限り多くのカードを見る必要がある――つまり、キャントリップは残す。彼が持っていそうなDazeや不毛を無効化するために土地が必要だ。儀式とLEDは仕掛けるために欠かせない。なるほど、余っていると言えそうなのは2枚のセラピーだけだ。でも彼がウィルを持っていないことを確かめるために少なくとも1枚は必要で、それは残す。
もう1枚はドローすることにして、Brainstormを隠しておこう。もしも彼が何らかの方法でこちらを強制的にシャッフルさせてきたときでも最高の手札になるようにしておく。
セラピー、ブレストの順に戻す。
「エンド。」
彼はアンタップし、フェッチを切る――エンドステップ中も青マナを残してきた。Stifleがあるのか、それともただのタイトなプレイか?――Volcanic Islandを持ってくる(お互い19)。ドローする。1点アタック(残り18)。
トロピをプレイしてタルモ。
よし、まだ不毛はない。余分な土地を出してきたな。青マナを立てておく必要があるのは間違いないようだ。Spell Pierceであってくれ!
彼がエンドする。
アンタップ。Brainstormを引く。
時間はどれぐらい残っている?
「タルモの大きさは?3/4かな?」彼は数える。「ソーサリー、土地、インスタントで3/4だね。」
4ターン。それで火力圏内だ。
手札は?「4枚。」
オーケー、妨害は限られている。2枚目のセラピーはどこかにやってしまおう。キャントリップで追加の妨害が手に入る可能性は高いだろう。もみ消しチェックの時がきた。
「Mistyを切って17。」「解決だ。」
それを聞きたかった。手札にあるのはSpell Pierceだ。それともスネアを入れているか?
後で見ることにしよう。アンシーを持ってくる――黒マナが必要だ。彼が不毛を持っていないことを祈ろう。
アンシーを出す。いくぞ。ピアスは効かない。
もう1枚のMistyを出す。島をタップして、「ポンダー。」解決する。
見えたのは:
Duress
Dark Ritual
Tendrils of Agony
僕はスペルを何枚持ってる?リチュアル、LED、ブレスト、セラピー、デュレス、今撃ったポンダー・・・6か?ぜんぜん足りないな。テンドリルは無意味だ。まだ仕事をしない。セラピーの狙いを定めるためにデュレスが欲しい。そして儀式はマナ縛りに対抗するのに役立つだろう。デュレスを引き、儀式をトップに残そう。
並び替えて、デュレスをドローする。
ここでデュレスを撃つか?彼がピアスかデイズを持っていたら儀式を強制的にシャッフルさせられてしまうし、ペタルを切る羽目にすらなるかもしれない。しかしここでデュレスを撃たずに彼が不毛を持っていた場合、僕はかなりマズイ状態に陥る。
タルモとマングースでライフは13まで落ちる。おそらくPast in Flamesかチューター連打をする必要が出てくるだろう。トップに積んだ儀式は間違いなく必要になる。
「エンド。」
彼がアンタップしてドロー。4点アタック。残り13。
そのままエンド。
よし、不毛はない。
アンタップしてリチュアルをドロー。のぞき見の時間だ。
アンシーをタップ、「デュレス。」
レスポンスしてブレスト。ちぇ、完璧な情報は得られない!
彼はDaze、Spell Pierce、Delver of Secrets、Tarmogoyf、そしてBrainstormを公開する。
オーケー、こういう手札から隠すものはForce of Willしかない。僕はセラピーをとっておくか、このターンに決められるならブレストを落とすために使う必要がある。
2枚のリチュアルとLEDにペタルと土地を合わせて11マナ得られる。デイズとピアスのために払うと残りは8マナで、もし起爆剤が見つかればセラピーを撃ったうえで勝てるだけのマナがある。でも色マナのトラブルに陥る可能性はあるな。
いや待てよ。
トップに積んであるテンドリルで何とかして勝てないか?
ここまでストームカウントは2だ。2枚のリチュアルとLED、ブレスト、セラピーで7。彼が2回カウンターを使うかカウンターとブレストを撃てば、それで20点だ。彼をそこに誘い込めるか?
アンシーが1枚寝ていて、黒マナはフェッチとペタルだけ。ブレストでテンドリルを引き込むつもりならすぐにMistyを切るわけにはいかない。ブレストでテンドリルを引きにいった場合、彼の助けを借りながらの20点に全てを賭けることになる。正しい判断をするには彼が何をカウンターしようとしているか知る必要がある。
時計は進み続ける・・・
そう、デュレスするものを決めなきゃならない。これ以上計算している時間はない。
ブレストかピアスなのは間違いない。ブレストを落とせば彼の手札を知っている状態になる。そのまま勝てるか?
彼がこちらの儀式かブレストにピアスを使った場合、このターンに勝つのは無理だ。うん、ピアスはどの場合にも問題になる。
「ピアスを落とすよ。」
オーケー、デイズと、おそらくブレストからのウィルがある。ストームは2だ。LEDで3、儀式で4、儀式で5、セラピーで6、ブレストで7――16点しかない。彼がウィルをトップに積んでいるとすると、最初の儀式かLEDをデイズされたときに十分なストームとマナを得るにはテンドリルをシャッフルしなければならない。そしてもう1枚の儀式をウィルされれば終わりだ。
相手のライブラリにあるだろうStifleを無効化するためにフェッチを切り、新たなカードを手に入れて次のターンにブレストを撃とう。
フェッチでアンシーを持ってきて(残り12)、「エンド。」
彼がアンタップしてドロー。4点アタック(残り8)してからトロピを使って2体目のタルモを出し、エンド。
デルバーが手札にあるんだろう?ウィルを持っているというのはたぶん正しいな。
アンタップ。Grim Tutorをドロー。こいつが欲しかったんだ!
よし、勝利の時間だ。
彼が隠したカードはForce of Willだったという想定は正しいものとしよう。
ペタルと3枚の土地があり、2枚のリチュアルとLEDで11マナある。ライフは8でAd Nauseamは無理だ。チューター連打とPast in Flamesルートが残っている。
手札にあるストームは6なので、3枚のチューターが必要だ。これに6マナかかる。加えてセラピーとブレストに2マナ。さらにテンドリルと最初のGrim Tutor・・・15マナ必要――遠い。Past in Flamesルートだな。
Grim TutorとPiFに7マナかかり、墓地から2枚の儀式をキャストするのに8マナ目が必要で、チューターをフラッシュバックしてテンドリルを撃つにはもう2マナ要る。合計10マナだ。これならデイズを撃たれてもぴったり勝てる。悲しいことに、この道筋では隠されていたウィルに負けてしまう。なんとかしてセラピーを組み込む方法を見つけなきゃならない。
LEDは最も大きくマナを伸ばせる。こいつは危険に晒したくない。
僕がブレストを撃って彼がそれをウィルした場合、こちらは10マナ出て彼のライフは18になる。セラピーにレスポンスで何かされない限りデイズを無視できて、そうなればGrimでテンドリルを持ってきてこちらの勝ちだ。
しかし、彼が何もスペルをキャストしなかった場合はこちらが死んでしまう。ストームが1足りない。たぶんペタルのプレイを我慢すべきだったんだろう。まあ今となっては仕方がない話だ。
こちらがセラピーをキャストして彼がウィルした場合、ブレストを撃ってスペルによるマナ加速を見つければチューターチューターテンドリルが可能だ。彼がカウンターしなかった場合、ウィルを落とせるがデイズに負けてしまう。この場合はブレストで2マナ追加できる何かを見つけられるように祈る必要がある。
リチュアルからスタートして彼がそれをカウンターした場合、やはりブレストでマナソースを探す必要があるが、セラピーからの場合よりもかなり難しい。チューター連打ルートから遠ざかってしまう。
よし、セラピーを撃つのが最も多くの道があり、起きうる事態に対応できそうだ。
アンシーをタップ。「そちらを対象にセラピー。」
彼は考え、解決を許可する。Force of Willをコールして1枚落とし、Daze、Delver、Brainstormがまだ手札にある。
彼がブレストで引き入れられるように上から2枚目にウィルを隠していなくてよかった!
ブレストでもう1枚のウィルを入手されたら勝てない。その可能性は無視しよう。ブレストで2枚目のデイズを見つけてこちらの最初の儀式に向けて撃ち、青マナを縛ってくる可能性はケアした方が良いかもしれない。
アンシーをタップしてDark Ritual。ストームは2。解決する。
彼はこちらのマナかストームが足りなくなるようにチューターまで待つつもりみたいだ。賢いね。
BBBが浮いている。
島をタップ、「ブレスト。ストームは3。」解決する。
ドローする――マナこい、マナこい、マナこい:
Cabal Therapy
Polluted Delta
Brainstorm
ちくしょう。
オーケー、彼がブレストかデイズをキャストするようにセラピーで誘うことはできる。だがいつも少し足りないな。
ブレストを信じるべきなんじゃないだろうか。よし、新たなカードが見たい。まずはGrim Tutorでシャッフルした方がいいか?たぶんいいだろう。
ともかく、僕はリチュアルとLEDをキャストしようとしている。彼がそれに対してストームを増やしてくれるか見てみようじゃないか。
「Lion’s Eye Diamondをプレイ、ストーム4。」
ここでついにデイズを使ってくるか?
いや、解決。
「Dark Ritualをプレイ。ストーム5、BBが浮いてる。」解決する。
マナはBBBBBだ。
彼がどこかでデイズを使い、こちらが考えるのをやめてもよくなればいいんだが。デイズによるストームカウントも本当に欲しい・・・ペタル、LED、そして黒5マナ。ブレスト、チューター、テンドリルでは16点しかない。
Past in Flamesをチューターし、ブレストでリチュアルを探し当てるのを祈るしかないと思う。LEDはPast in Flamesをフラッシュバックするためにサクろう。
よし、6手目だ。行くぞ。
「Grim Tutorをプレイしてストームは6、BBが残ってる。」彼がDazeを撃つ。ストームは7だ。
こちらはレスポンスでブレスト+LEDサクリをすることができる。上から3枚目にある未知のカードが何かのスペルかマナソースであれば、テンドリルを持ってくるだけで勝てる。単にデイズを支払った場合はPast in Flamesを持ってくる必要があり、その後ブレストを撃って新しくなったトップ3枚からリチュアル系を見つけられれば勝てる。こっちの方が期待できそうだ。
「払う。浮きは黒1マナ。」
彼は計算し始めて、チューターは解決(残りライフ5)。
僕が考えたことが彼の手がかりとなって、こちらの手札にはインスタントがあり、彼のブレストで何も見つからなければ死ぬということに気づいただろう。そして、彼が意味のあるものをトップに隠していないのは明白だ。
Past in Flamesを手に入れる。
「ペタルをサクって青マナ、ブレストをプレイ、優先権はまだこちら。LEDをサクってRRR、BRRRが浮いててストームは8だ。」
ブレストが解決する。
カモンリチュアル!
Infernal Tutor
Infernal Tutor
届いてくれ!
Cabal Ritual
きた!
2枚のチューターを戻す。
「Cabal Ritualをプレイ、RRが浮いてる。ストームは9。」
レスポンスしてBrainstorm。ストームは10。
ウィルくるな、ウィルくるな、ウィルくるな!
Cabal Ritualにデイズ。「払う。赤1マナが浮いてて、ストーム11。」
Cabal Ritualは解決。
よっしゃ!
「Past in Flamesをフラッシュバック、浮きはBB、ストーム12。」
解決する。
話はこれでおしまい。
「リチュアルたくさんとデュレス、セラピーを再キャスト、そしてGrim Tutorを再キャストしてテンドリル。」
彼は盤面を片付けた。
カット
これで1ゲーム。緊張、厳しい判断、そして正しいタイミングでのちょっとした運。これがコンボの素晴らしさだ。
たぶんどちらのプレイヤーにももっと良いプレイがあったと思う――とても複雑だということはコンボのもう一つの素晴らしい点だ。
疑問に思う人がいるかもしれないので言っておくと、これは実際にあったトーナメントのレポートではないよ。この大きなトーナメントは完全にフィクションだ。このゲーム自体はどうかって?それはあなたが判断してくれ。
このコンボカバレッジの実験を楽しんでくれて、これをカメラの前で実演する人を見るのを少しでも好きになってくれたら嬉しいよ。
もしコンボに興味まで持ってくれたなら、ぜひトライしてほしい!行こう――魅惑のゲームが待ってる。
それじゃあまた次回、これを覚えておいてほしい:真のアクションはあなたの頭の中にある!
Carsten Kotter
コンボプレイヤーの頭の中。
コンボの駆け引きを見るのは大好きです。やるのは下手ですが。
しかしこれでたったの数ターンとは・・・。
原文のテンポの良さを残そうと頑張りましたが、難しいですね。
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Eternal Europe - The Storm Experience
By Carsten Kotter
11/02/2012
http://www.starcitygames.com/magic/legacy/25130-Eternal-Europe-The-Storm-Experience.html
数週間前にStanislav CifkaがPTラヴニカへの回帰を勝利した後、フィーチャーマッチ卓で見た彼のデッキがあまりにも退屈だったことにかなりの数の人々が不満を述べていた。(※訳注:Stanislav CifkaのデッキはSecond Breakfast。)
僕がこの反応を見て思ったのは、僕の経験と全く違う、ということだった。
僕が飽き飽きしていたのはジャンドミラーだ:生物をプレイ、生物を除去、ハンデスをそちらに、生物をプレイ、生物を除去・・・以下繰り返し。ある時点でどちらかのプレイヤーが新たな生物か除去をプレイできなくなり、攻撃が始まって人が死ぬ。取るべき選択は明らかで、一直線なプレイ。予測可能なただのマジックだ。
一方、Cifkaがプレイするのを見るのは楽しかった。多くのカードが領域から領域へ移動し、確率を操作し、そして、相手がドローしうるものは何で、それで彼を止められるのか、それとも彼はコンボを繋げきるのか、という問いが常に存在した。とてもたくさんの考えるべきことがあった。
たぶんこれは、単に僕がスペル主体のマジックが好きだってことなんだろう。僕は正しいブロックの仕方を見出すことよりもカウンター合戦を好む。1~3ターン目にマナカーブに沿ったクリーチャーを出すよりも大量の儀式をキャストすることを好む。たぶんこれは僕の個人的な嗜好だ。
でもここには何か別のものも関係している。
おそらくそれは親しみだ。本当に多くのプレイヤーがコンボのプレイを見るのを嫌う理由は、彼らがそのデッキや、経験が必要とされるプレイの流れを単に知らないからってだけなんじゃないだろうか?
ともかく、僕が見たCifkaのプレイの中で、全てのコンボプレイヤーが真似しようと頑張るべきなのは彼のコンボの始め方だ。彼のコンボターンに対戦相手が干渉できなさそうなのが明らかなとき、彼は何をしたと思う?手札をテーブルに表向きで置いたんだ!考えてみてよ。これはオール・インだ――もしそこで勝てなければ、その後も勝てやしない。だからそうすることには本質的に何のコストもかからないんだ。
それにもかかわらず、これは普通は完全に一方的になってしまうゲームに対戦相手を巻き込むための素晴らしいジェスチャーになっている。ただ座ってあなたがコンボするのを眺める代わりに、彼らはあなたのターンをあなたと共にプレイすることになる。あなたが下した判断について考え、試合の結末に参加することになる。もちろん、コンボターンはすぐには終わらないだろうけど、少なくとも「帰って風呂でも入りたいな」なんて考える以外のことを相手にさせてあげられる。
コンボは飽き飽きするようなものではないはずだ。(エンジンによる)コンボを動かすのは繊細なダンスみたいなもので、どのタイミングで何をして、どうすれば繋げきる可能性を最大化できるか、頭の中で描き出さなきゃならない。自分がどこにいて最終的にどこに行きたいのか、かなり明確な考えを持って進む必要がある。それなのに、AからBへ行く道はとても複雑だ。
とはいえ、「仕掛けること」はコンボをプレイする楽しみの一部でしかない。コンボをプレイする(そして観戦する)のを僕にとって本当に面白いものにしているのは、モダンのトップ8ではめったに見られない次のことなんだ:実際にコンボを始められるようにゲーム最序盤を組み立てながら、正しいパーツを見つけようと奮闘すること。
この手のゲームをするのは信じられないぐらいエキサイティングで、神経が磨り減る。数えきれないほど考えるべきことがあり、思考の速さが試され、気を散らしてくるいろんなものがある――スロープレイを告げる時計がチクタクとプレッシャーを与えてくるのは言うまでもなく。
正直に言うと僕はこう信じてる。もし見ている人がコンボプレイヤーの頭の中を駆け巡っているものを全て見ることができたら、コンボの試合を観戦するのはMTGに関して目にするものの中で想像しうる限り最高のものの一つになるだろうってね。
もしあなたもそう思うなら、見てみよう!
舞台セット
僕らはヨーロッパの奥地のどこかで開かれている大きなトーナメントに来ている。参加者は多くて、8ラウンドとトップ8シングルエリミがあるようだ。
今こそ大暴れするときだ。これが僕が持ち込んだものだ:
Cabal ANT
Featured by Carsten Kotter on 2012-11-04 (Legacy)
Maindeck:
1 Tendrils of Agony
1 Ad Nauseam
1 Grim Tutor
4 Infernal Tutor
1 Past in Flames
4 Brainstorm
4 Ponder
2 Preordain
4 Gitaxian Probe
3 Cabal Therapy
4 Duress
4 Cabal Ritual
4 Dark Ritual
4 Lion’s Eye Diamond
4 Lotus Petal
2 Island
1 Swamp
2 Underground Sea
2 Volcanic Island
4 Misty Rainforest
4 Polluted Delta
Sideboard:
4 Xantid Swarm
3 Dread of Night
3 Abrupt Decay
3 Chain of Vapor
1 Bayou
1 Tropical Island
リアニには当たらないことに賭け、ドレッジ相手はダイスロールに勝たなきゃならないけど、それ以外の全てを速度か十分な対策のどちらかで倒すプランだ。
カメラ
8時間後、さっき述べたプランは実際ここまでうまくいった。僕は6-1で、IDで抜ける準備ができている。ペアリングが発表される。僕は美味しく握手するのを楽しみにしている。しかし――ペアリングシートにズームイン――なんてこった!下あたりだ。僕はプレイしなきゃならない。
よろしい、全てを賭けたワンラウンドだ。
アクション
僕は自分の卓に座るとダイス、ペン、メモを取り出す。シャッフルを始める。準備完了。相手を待つ。来たるラウンドに向けてアドレナリンが徐々に増してくる。
とうとう対戦相手が到着する。彼はさっき2,3卓離れたところで見かけていた。彼はRUGデルバーを使っている。つまり、これはガチなゲームだ。
リフルシャッフル。ディールシャッフル。リフルシャッフル。そして相手に渡す。
僕らは軽口を叩き、お互いの良いゲームを願う。
カモォォォン、ダイス!――彼がロールに勝つ。
いいだろう、後攻だ。
シャッフル、カットして相手に返す。
7枚数える。
彼はキープだ。
僕は1枚1枚拾い上げる:
Grim Tutor ― いいね、これはいずれ必要になるものだ。
Lotus Petal ― まあいいか。
Duress ― 彼は青だ。こいつは助けになるな。
Dark Ritual ― ああ、いいマナだね。
Ponder ― 順調だぞ。
Cabal Ritual ― ちくしょう、最後のカードよ頼む、土地であってくれ・・・。
Lotus Petal ― おしい。
「マリガン。」
リフル。ディール。リフル。相手に渡す。彼がシャッフルとカットをする。6枚数える。
Misty Rainforest ― これだよ、ついにきた!さっきの手札に欲しかったね。
Lotus Petal ― いいね、おそらく。
Ponder ― いいねいいね。
Dark Ritual ― こういうマナは欲しいね。
Misty Rainforest ― これはキープだな。
Brainstorm ― 神!
「キープ。」
彼はトロピからスタートしてPonder――シャッフルこい!――並び替えてドローだ。
オーケー、少なくとも彼はタップアウトだ。Stifleはない。
ドローする――Lion’s Eye Diamondだ。素晴らしい!仕掛けるためのマナは揃った。
今はこれからキャントリップを撃っていくためのマナを確保するべきだな。
Mistyをプレイして切る――残り19――島を持ってくる。「ポンダーだ。」
彼は少し考えて――これをウィルはしないだろう・・・じゃあDazeか?――そして頷く。
僕が見たのは:
Lion’s Eye Diamond
Misty Rainforest
Underground Sea
土地はスレショ相手には常に良い。僕はLED、リチュアル、ペタルを既に持っていて、必要なのは起爆剤と妨害だ。
「シャッフル。」ドローする――Cabal Therapyだ。Probeを引きたいね!
「エンド。」
彼がアンタップしてドローする。Misty Rainforestを出す。こちらを観察する――タップアウトできるか考えているんだろう?――そしてトロピをタップしてNimble Mongooseを出し、エンド。
彼はこちらがコンボだと気づいたようだ。StifleかSpell Pierceがあるのか?
僕は島をアンタップしてドロー――もう1枚のセラピーだ。
そしてダンスが始まる。
そう、僕には2枚のセラピーを使うための信頼できる黒マナが必要だ。このMistyがDeltaだったらなあ。沼は不毛されない・・・彼がStifleを持っているかどうかだけが問題になるんだが。
前方確認のためにペタルを使ってセラピーを撃つ価値があるか?くそ、Probeが欲しい。
「手札は何枚?」彼は5枚を広げる。
多すぎるぞちくしょう。
ペタルと儀式とLEDと2枚の土地で8マナになる――Dazeをケアしてチューターと起爆剤をプレイするのにちょうど十分だ。だとするとペタルは無駄遣いできない。
そして、Brainstormを撃つことは必要だろう。これはピアスされたくない。
Misty Rainforestをプレイし、Lotus Petalをプレイ。彼は頷く。
よし、勝負の時だ。Brainstormをキャスト。
彼は考え、そして頷く。
3枚引く:
Ponder
Misty Rainforest
Brainstorm
長いゲームの始まりだ。
手札にあるカードは全て欲しい。チューターを探すためのキャントリップ、仕掛けるためのマナ加速、妨害をキャストしたり不確定カウンターをかいくぐったりするための土地。
次のターンにフェッチを切ってセラピー開始したくなりそうだけど、このターンは何もせずにいよう。
何をライブラリに混ぜ込もうか・・・僕はまだチューターを手に入れていない。だからできる限り多くのカードを見る必要がある――つまり、キャントリップは残す。彼が持っていそうなDazeや不毛を無効化するために土地が必要だ。儀式とLEDは仕掛けるために欠かせない。なるほど、余っていると言えそうなのは2枚のセラピーだけだ。でも彼がウィルを持っていないことを確かめるために少なくとも1枚は必要で、それは残す。
もう1枚はドローすることにして、Brainstormを隠しておこう。もしも彼が何らかの方法でこちらを強制的にシャッフルさせてきたときでも最高の手札になるようにしておく。
セラピー、ブレストの順に戻す。
「エンド。」
彼はアンタップし、フェッチを切る――エンドステップ中も青マナを残してきた。Stifleがあるのか、それともただのタイトなプレイか?――Volcanic Islandを持ってくる(お互い19)。ドローする。1点アタック(残り18)。
トロピをプレイしてタルモ。
よし、まだ不毛はない。余分な土地を出してきたな。青マナを立てておく必要があるのは間違いないようだ。Spell Pierceであってくれ!
彼がエンドする。
アンタップ。Brainstormを引く。
時間はどれぐらい残っている?
「タルモの大きさは?3/4かな?」彼は数える。「ソーサリー、土地、インスタントで3/4だね。」
4ターン。それで火力圏内だ。
手札は?「4枚。」
オーケー、妨害は限られている。2枚目のセラピーはどこかにやってしまおう。キャントリップで追加の妨害が手に入る可能性は高いだろう。もみ消しチェックの時がきた。
「Mistyを切って17。」「解決だ。」
それを聞きたかった。手札にあるのはSpell Pierceだ。それともスネアを入れているか?
後で見ることにしよう。アンシーを持ってくる――黒マナが必要だ。彼が不毛を持っていないことを祈ろう。
アンシーを出す。いくぞ。ピアスは効かない。
もう1枚のMistyを出す。島をタップして、「ポンダー。」解決する。
見えたのは:
Duress
Dark Ritual
Tendrils of Agony
僕はスペルを何枚持ってる?リチュアル、LED、ブレスト、セラピー、デュレス、今撃ったポンダー・・・6か?ぜんぜん足りないな。テンドリルは無意味だ。まだ仕事をしない。セラピーの狙いを定めるためにデュレスが欲しい。そして儀式はマナ縛りに対抗するのに役立つだろう。デュレスを引き、儀式をトップに残そう。
並び替えて、デュレスをドローする。
ここでデュレスを撃つか?彼がピアスかデイズを持っていたら儀式を強制的にシャッフルさせられてしまうし、ペタルを切る羽目にすらなるかもしれない。しかしここでデュレスを撃たずに彼が不毛を持っていた場合、僕はかなりマズイ状態に陥る。
タルモとマングースでライフは13まで落ちる。おそらくPast in Flamesかチューター連打をする必要が出てくるだろう。トップに積んだ儀式は間違いなく必要になる。
「エンド。」
彼がアンタップしてドロー。4点アタック。残り13。
そのままエンド。
よし、不毛はない。
アンタップしてリチュアルをドロー。のぞき見の時間だ。
アンシーをタップ、「デュレス。」
レスポンスしてブレスト。ちぇ、完璧な情報は得られない!
彼はDaze、Spell Pierce、Delver of Secrets、Tarmogoyf、そしてBrainstormを公開する。
オーケー、こういう手札から隠すものはForce of Willしかない。僕はセラピーをとっておくか、このターンに決められるならブレストを落とすために使う必要がある。
2枚のリチュアルとLEDにペタルと土地を合わせて11マナ得られる。デイズとピアスのために払うと残りは8マナで、もし起爆剤が見つかればセラピーを撃ったうえで勝てるだけのマナがある。でも色マナのトラブルに陥る可能性はあるな。
いや待てよ。
トップに積んであるテンドリルで何とかして勝てないか?
ここまでストームカウントは2だ。2枚のリチュアルとLED、ブレスト、セラピーで7。彼が2回カウンターを使うかカウンターとブレストを撃てば、それで20点だ。彼をそこに誘い込めるか?
アンシーが1枚寝ていて、黒マナはフェッチとペタルだけ。ブレストでテンドリルを引き込むつもりならすぐにMistyを切るわけにはいかない。ブレストでテンドリルを引きにいった場合、彼の助けを借りながらの20点に全てを賭けることになる。正しい判断をするには彼が何をカウンターしようとしているか知る必要がある。
時計は進み続ける・・・
そう、デュレスするものを決めなきゃならない。これ以上計算している時間はない。
ブレストかピアスなのは間違いない。ブレストを落とせば彼の手札を知っている状態になる。そのまま勝てるか?
彼がこちらの儀式かブレストにピアスを使った場合、このターンに勝つのは無理だ。うん、ピアスはどの場合にも問題になる。
「ピアスを落とすよ。」
オーケー、デイズと、おそらくブレストからのウィルがある。ストームは2だ。LEDで3、儀式で4、儀式で5、セラピーで6、ブレストで7――16点しかない。彼がウィルをトップに積んでいるとすると、最初の儀式かLEDをデイズされたときに十分なストームとマナを得るにはテンドリルをシャッフルしなければならない。そしてもう1枚の儀式をウィルされれば終わりだ。
相手のライブラリにあるだろうStifleを無効化するためにフェッチを切り、新たなカードを手に入れて次のターンにブレストを撃とう。
フェッチでアンシーを持ってきて(残り12)、「エンド。」
彼がアンタップしてドロー。4点アタック(残り8)してからトロピを使って2体目のタルモを出し、エンド。
デルバーが手札にあるんだろう?ウィルを持っているというのはたぶん正しいな。
アンタップ。Grim Tutorをドロー。こいつが欲しかったんだ!
よし、勝利の時間だ。
彼が隠したカードはForce of Willだったという想定は正しいものとしよう。
ペタルと3枚の土地があり、2枚のリチュアルとLEDで11マナある。ライフは8でAd Nauseamは無理だ。チューター連打とPast in Flamesルートが残っている。
手札にあるストームは6なので、3枚のチューターが必要だ。これに6マナかかる。加えてセラピーとブレストに2マナ。さらにテンドリルと最初のGrim Tutor・・・15マナ必要――遠い。Past in Flamesルートだな。
Grim TutorとPiFに7マナかかり、墓地から2枚の儀式をキャストするのに8マナ目が必要で、チューターをフラッシュバックしてテンドリルを撃つにはもう2マナ要る。合計10マナだ。これならデイズを撃たれてもぴったり勝てる。悲しいことに、この道筋では隠されていたウィルに負けてしまう。なんとかしてセラピーを組み込む方法を見つけなきゃならない。
LEDは最も大きくマナを伸ばせる。こいつは危険に晒したくない。
僕がブレストを撃って彼がそれをウィルした場合、こちらは10マナ出て彼のライフは18になる。セラピーにレスポンスで何かされない限りデイズを無視できて、そうなればGrimでテンドリルを持ってきてこちらの勝ちだ。
しかし、彼が何もスペルをキャストしなかった場合はこちらが死んでしまう。ストームが1足りない。たぶんペタルのプレイを我慢すべきだったんだろう。まあ今となっては仕方がない話だ。
こちらがセラピーをキャストして彼がウィルした場合、ブレストを撃ってスペルによるマナ加速を見つければチューターチューターテンドリルが可能だ。彼がカウンターしなかった場合、ウィルを落とせるがデイズに負けてしまう。この場合はブレストで2マナ追加できる何かを見つけられるように祈る必要がある。
リチュアルからスタートして彼がそれをカウンターした場合、やはりブレストでマナソースを探す必要があるが、セラピーからの場合よりもかなり難しい。チューター連打ルートから遠ざかってしまう。
よし、セラピーを撃つのが最も多くの道があり、起きうる事態に対応できそうだ。
アンシーをタップ。「そちらを対象にセラピー。」
彼は考え、解決を許可する。Force of Willをコールして1枚落とし、Daze、Delver、Brainstormがまだ手札にある。
彼がブレストで引き入れられるように上から2枚目にウィルを隠していなくてよかった!
ブレストでもう1枚のウィルを入手されたら勝てない。その可能性は無視しよう。ブレストで2枚目のデイズを見つけてこちらの最初の儀式に向けて撃ち、青マナを縛ってくる可能性はケアした方が良いかもしれない。
アンシーをタップしてDark Ritual。ストームは2。解決する。
彼はこちらのマナかストームが足りなくなるようにチューターまで待つつもりみたいだ。賢いね。
BBBが浮いている。
島をタップ、「ブレスト。ストームは3。」解決する。
ドローする――マナこい、マナこい、マナこい:
Cabal Therapy
Polluted Delta
Brainstorm
ちくしょう。
オーケー、彼がブレストかデイズをキャストするようにセラピーで誘うことはできる。だがいつも少し足りないな。
ブレストを信じるべきなんじゃないだろうか。よし、新たなカードが見たい。まずはGrim Tutorでシャッフルした方がいいか?たぶんいいだろう。
ともかく、僕はリチュアルとLEDをキャストしようとしている。彼がそれに対してストームを増やしてくれるか見てみようじゃないか。
「Lion’s Eye Diamondをプレイ、ストーム4。」
ここでついにデイズを使ってくるか?
いや、解決。
「Dark Ritualをプレイ。ストーム5、BBが浮いてる。」解決する。
マナはBBBBBだ。
彼がどこかでデイズを使い、こちらが考えるのをやめてもよくなればいいんだが。デイズによるストームカウントも本当に欲しい・・・ペタル、LED、そして黒5マナ。ブレスト、チューター、テンドリルでは16点しかない。
Past in Flamesをチューターし、ブレストでリチュアルを探し当てるのを祈るしかないと思う。LEDはPast in Flamesをフラッシュバックするためにサクろう。
よし、6手目だ。行くぞ。
「Grim Tutorをプレイしてストームは6、BBが残ってる。」彼がDazeを撃つ。ストームは7だ。
こちらはレスポンスでブレスト+LEDサクリをすることができる。上から3枚目にある未知のカードが何かのスペルかマナソースであれば、テンドリルを持ってくるだけで勝てる。単にデイズを支払った場合はPast in Flamesを持ってくる必要があり、その後ブレストを撃って新しくなったトップ3枚からリチュアル系を見つけられれば勝てる。こっちの方が期待できそうだ。
「払う。浮きは黒1マナ。」
彼は計算し始めて、チューターは解決(残りライフ5)。
僕が考えたことが彼の手がかりとなって、こちらの手札にはインスタントがあり、彼のブレストで何も見つからなければ死ぬということに気づいただろう。そして、彼が意味のあるものをトップに隠していないのは明白だ。
Past in Flamesを手に入れる。
「ペタルをサクって青マナ、ブレストをプレイ、優先権はまだこちら。LEDをサクってRRR、BRRRが浮いててストームは8だ。」
ブレストが解決する。
カモンリチュアル!
Infernal Tutor
Infernal Tutor
届いてくれ!
Cabal Ritual
きた!
2枚のチューターを戻す。
「Cabal Ritualをプレイ、RRが浮いてる。ストームは9。」
レスポンスしてBrainstorm。ストームは10。
ウィルくるな、ウィルくるな、ウィルくるな!
Cabal Ritualにデイズ。「払う。赤1マナが浮いてて、ストーム11。」
Cabal Ritualは解決。
よっしゃ!
「Past in Flamesをフラッシュバック、浮きはBB、ストーム12。」
解決する。
話はこれでおしまい。
「リチュアルたくさんとデュレス、セラピーを再キャスト、そしてGrim Tutorを再キャストしてテンドリル。」
彼は盤面を片付けた。
カット
これで1ゲーム。緊張、厳しい判断、そして正しいタイミングでのちょっとした運。これがコンボの素晴らしさだ。
たぶんどちらのプレイヤーにももっと良いプレイがあったと思う――とても複雑だということはコンボのもう一つの素晴らしい点だ。
疑問に思う人がいるかもしれないので言っておくと、これは実際にあったトーナメントのレポートではないよ。この大きなトーナメントは完全にフィクションだ。このゲーム自体はどうかって?それはあなたが判断してくれ。
このコンボカバレッジの実験を楽しんでくれて、これをカメラの前で実演する人を見るのを少しでも好きになってくれたら嬉しいよ。
もしコンボに興味まで持ってくれたなら、ぜひトライしてほしい!行こう――魅惑のゲームが待ってる。
それじゃあまた次回、これを覚えておいてほしい:真のアクションはあなたの頭の中にある!
Carsten Kotter
コメント
彼はこの場面で何を必要としていてその手を打ったのか
コンボ戦は"分かっている人"とそれ以外で観戦の楽しみが大きく変わりますよね
MtGはそれだけのものを描ける素地があるよね。素晴らしい。
ANT使いにとっては日常茶飯事ですが、非コンボ使いには理解できない楽しさだったんでしょうね
翻訳ありがとうございます
ANTを使っている方からそう言っていただけると安心します!
読んでいてとても楽しい記事でした。
> ゆうやんさん
ありがとうございます。自分も楽しめる範囲で続けていこうと思っています。
> Aさん
コメントありがとうございます。
思考過程が分かるとニヤニヤできますよね。じっと力を溜めるコンボのようなデッキは特に。
> Yanth
同じく、原文を読んでて麻雀放浪記を思い出してました。
考えに考えて、それでも確実にならないチャンスを掴めるかどうかのところまで行けば、もうそれは運ゲーじゃないと思うんだ。
> しょ~たんさん
美味しいところを詰め込んだのかと思いきや、これが日常茶飯事だからたまらないですよね。
文字にしてくれたCarsten Kotterに感謝してます。
コメントありがとうございました。
僕もコンボの駆け引きを見たり考えたりするのが好きなので、
この記事は読んでいてワクワクしました。
また読みに来ます。リンクしました。
はじめまして、リンクありがとうございます。
実際のトーナメントレポをここまで事細かに書くのは不可能なので、ありそうでなかなかない文章ですよね。
続編も訳しましたので、良ければお楽しみください。
こちらからもリンクさせていただきました。