StarCityGamesより。
渦まく知識/Brainstormについて。
掲載からわずか1年ちょっとでSCG Classicに入った記事です。
日本にも、この記事より1年以上前に書かれたブレストに関する素晴らしい記事があります。
http://43458.diarynote.jp/200905100158003828/
ちょうどレガシーを始めた頃にこちらの記事に出会って衝撃を受けてからはや3年。
使いこなしてます、と胸を張って言うにはまだまだ修行が足りないなあと思います。
やっぱりこのカードは楽しい!
-----
SCG Classic―Pondering Brainstorm
By AJ Sacher
11/22/2011
http://www.starcitygames.com/magic/fundamentals/23152_SCG_Classic_Pondering_Brainstorm.html
これは2010年7月29日に掲載された記事である。
マジックプレイヤーの結束を強める一つの方法は、お互いにクイズのような質問をしあって答えを議論すること。これは僕のお気に入りの娯楽だ。僕らが大好きなこのゲームから外れることなく、それでも新たな発見があって、この議論は頭をほぐす機会になる。熱っぽい討論も平和な会話もいつだって楽しい。
その中で何度も耳にした質問の一つが、このゲームで最もスキルが必要なカード、についてのものだ。
Gifts UngivenとFact or Fictionはいつも話題にのぼる。Cabal Therapyは青くないスペルで頂点に立つカードとしてしょっちゅうもてはやされるが、僕の考えではSensei’s Divining Topには負ける。チューターや基本的な除去のようなシンプルなカードが挙げられることすらある。
しかし、僕に言わせればナンバーワンのカードにはほとんど議論の余地はない。その栄誉はマジック史上で僕が一番好きなカードに与えられる。
もちろん、Brainstormのことだ。
Brainstormそれ自体がこのゲームの要となり、最終的に禁止の鉄槌(正確には制限の鉄槌)を下されるまでの間、ヴィンテージを定義付けた。この強力なインスタントとあまりにも似すぎていただけで、Ponderもまた斧を振るわれた*。
今レガシーがこれだけポピュラーなフォーマットになり、それを支える原動力としてBrainstormとの関わりは再び急激に増している。レガシーを競技としてプレイする人が増えるにしたがってBrainstormを正しく扱うプレイヤーの数もどんどん増えているが、学べることはまだまだあると僕は感じている。
過去に異なる場面で何度か言ってきたように、これまでも今も、レガシーは最もスキルを要するフォーマットだ。そのとても大きな理由はBrainstormの存在による。
はじめて参加したグランプリ、GPコロンバスよりもかなり前、僕はこのカードの使い方を知る人が集う秘密クラブの一員みたいなものだった。本当に多くの人がこのカードをとても下手に使うのを見て、この地区のレガシーイベントでいつも同じプレイヤーが良い順位をキープしているのはなぜなのか、だんだん分かってきた。ブレストが制限される前のヴィンテージにも同じことが言えた。
今日の記事ではこのカードについてくまなく探検してみよう。
なぜ一つの記事を1枚のカードに費やすのかって?そうだな、えーと・・・Brainstormは史上最もスキルを要するカードで、レガシーで最も優れたカードで、ほとんどいつも最も多くプレイされているカードだ。2日後のグランプリのフォーマットを定義付けるカードで、いくつか議論しておくのは当然だと思う。
Brainstormはキャントリップではない。
Brainstormは一見たいした仕事をしないように見えるため、よく考えずにキャストしてしまうことが多い。ここで問題なのは、Brainstormがキャントリップよりずっと深いカードなのに、これをキャントリップとみなしてしまっていることだ。
Optはキャントリップだ。Serum Visionsはキャントリップだ。Mental Noteはキャントリップだ。このキャントリップ気質は伝統的なNimble MongooseとWerebear入りのスレッショルドデッキからくるものだが、今日のスレショデッキは先祖よりも多少進化している。デッキのカードをどんどん使ってただ墓地を肥やすだけでなく、その先に続くもう少し複雑なゲームプランを持っている。
僕が目にするBrainstormに関するミスのほとんどは忍耐の欠如からくるものだ。
Josh Raydenは僕がマジックを始めた頃に多くのことを教えてくれた友人だが、彼はBrainstormのパワーについて素晴らしい名言を持っていた。彼はおおげさにこう言った。
「決してこのカードをキャストしようと思わないことだ。」
そしてこれは正しい。正直言って、このカードはキャストするには良すぎる。
Brainstormは情報によって力が増幅されるカードだ。多くの情報を得れば得るほどBrainstormはより良いカードになる。
土地とスペルがほどよく混ざった強い手札を持っていることを想像してみよう。そのときBrainstormはあなたに何をしてくれるだろう?
たいしたことはしない。しかし人々はこれをとりあえずキャストしてしまう。
長く待てば待つほど、あなたはより多くのカードを見ることになり、どのカードが必要でどれが必要でないかを正確に言えるポイントまでゲームは進行する。それにしたがってブレストしよう。
ブレインストーマーが犯す最大の罪は、不用意な1ターン目のキャストだ。これは自分のスペルの力を自分で奪ってしまっているようなものだ!
かつては2ターン目のアップキープにMystical Tutorを撃つことで最大の価値を得ることができた(もしくはEntomb、これは今でもできる)。しかし現在もはやこのプレイはできず、このようにカードを無駄に使うことにプレイヤーが弁解する余地はほとんどない。これをやった場合、2枚のカードを引いて1枚を戻すのとほぼ同じで、この文脈ではBrainstormはシャッフルしない1マナのSee Beyondのようなものだ。
ライブラリトップに戻した知っているカードのうち1枚を次のターンにすぐ引くことになるため、1枚だけ戻しているのと同じことになる。
そして1ターン待っていれば、カードをドローし、「それから」さらに3枚深く掘ることになったはずなので、見るカードが1枚減っているのと同じようなものだ。1ターン待つことにより、1ターン目にブレストを唱える人よりも1枚多くのカードを見ることができる。
このミスをしてしまう理由は、毎ターンできる限りマナを使うというルールが頭に刻み込まれているためだ。
2ターン目にTarmogoyfをキャストする予定なら、Brainstormを使うにはその次のターンを待つ必要がある、そうだろう?
そして、僕は「待つ必要がある」じゃなくて「待つチャンスがある」と捉えている。3ターン目のBrainstormによって1ターン目に使うよりも追加で2枚のカードを知り2枚深く掘ることは、ほとんどいつだって1ターン目に1マナを余らせてでもやる価値がある。
加えて、相手が1ターン目にTropical IslandやPolluted Deltaをプレイしていた場合はどうなるだろう?相手が何をプレイしているのかあなたにはまだ分からない。そこでBrainstormしたくなるかな?
待つことにより、あなたは自分の手札とゲームプランについてだけでなく、何を相手にしているかについてもより多くの情報を得られる。これが重要な理由は、Brainstormで何を戻すかを正しく決められるようになるからだけではなく、相手が今後プレイする土地によって彼らのアーキタイプが明確になり、その結果あなたのプランが変わりうるからでもある。
考えてみよう。相手のデッキがすぐさま正体を現すこともしばしばある。こんなふうに:
山からラッキー。
Taigaをフェッチしてナカティル。
平地を出してAether Vial。
セットランド、Mox DiamondからのExploration。
などなど。つまり、相手が何を使っているかをはっきり物語るスタートは数多くある。
あなたが推測をしなければならなくなるケースの多くは青絡みのデュアルかフェッチから始まる場合だ。Tropical Islandはカナディアンスレッショルドやニューホライズンのようなスレショ系デッキを意味しているかもしれない。タルモをタッチしたマーフォークや出だしの遅いLandsの可能性すらある。アルーレンや超起源やショーテルの一種かもしれない。
これは誰にも分からない。
青絡みのフェッチの場合は上に挙げたデッキのどれかかもしれないし、ストームコンボかもしれないし、マーフォークかもしれないし、その他諸々かもしれない。
待つことにより、あなたは相手にしているアーキタイプが何かを見定めることができる。また、初動を見ればそれ以上の情報がなくとも警戒警報をオフにできる場合も多い。
突然、Tarmogoyfのために2ターン目にタップアウトしたくなくなることもある。相手のプレイしているデッキにDazeが入っていないと分かっている場合、僕は単にTarmogoyfをプレイして次のターンにブレストで情報を得ることができる。しかし不明瞭な出だし(もしくは島からVialのように明らかなマーフォーク)の場合はDazeを撃たれる可能性が高く、僕はよりゆったりとターンを返すようになり、何気なくフェッチランドを置き、再びパスをする。
したがって、1ターン目のBrainstormはマナカーブに沿っているという議論は数多くのゲームで成り立たない。なぜならその状況で2マナスペルを何が何でも使うべきではないからだ。
DazeをケアしてTarmogoyfを出し、次のターンにブレストで情報を得るだけでなく、直後にフェッチを切ることによってカード入れ替えの価値を1ターン目にキャストする場合と比べて最大化できる。
言うまでもなく、1ターン目にブレストをキャストするためにフェッチを切らねばならないなら、その必要もないのに基本土地を持ってきて色マナを窮屈にするか、そうすべきでないのにWastelandに身をさらすかのどちらかになる可能性がある。
Brainstormのタイミングはエターナルフォーマットで最も重要なスキルの一つだ。
ブレストを1ターン目に撃つことの他に、何もすることがないときにこれをキャストしてしまうプレイヤーが多い。これはなおさら難しい問題だ。
僕の尊敬する上手いプレイヤーが、ほとんどいつも攻勢に出ている状況でBrainstormをプレイするのを見てきた。僕自身はかなり保守的な傾向がある。つまり、引き金を引くことができる最後の瞬間まで待ち、最大の情報を手に入れ、可能な限り深くライブラリを掘るのを好む。
他のプレイヤーはそれよりかなり早く発射する。何かチャンスを得たときにそれを連鎖させ、より大きなアドバンテージに増幅させようとしているんだね。
しかし、この一連のプレイはとてもリスキーで、Brainstormでハズレを引いたときに大きな罰を受けることになる。
待つことにより、Brainstormに付加価値がつくプレイができるように準備を整えておいた方が何かと都合がいいだろう。単にカードを濾過するだけでなく、Brainstormは多くの繊細な意味を持つカードだ。ほんのちょっとしたプレイが勝敗の分かれ目になり得る。
手札入れ替えの意味をなくしてしまったり潜在的な情報を得るのに失敗したりする以外に、早期に撃ってしまうことも、こういったオプションをゲーム終盤に使う可能性を閉ざしてしまう。
Brainstormが秘めた特殊能力の中で一番よく知られているのは、このカードが青いことだ。Force of Willのピッチコストにできることは表面的には大して魅力的な能力には思えないだろう。しかし十分な数のレガシーのゲームをこなせば、これにまつわることが何度も何度も起こることに気づくはずだ。
Brainstormを撃ってSense’s Divining Topをドローした場合、あなたは別の、潜在的により重要な青いスペルをピッチコストに使わざるを得なくなる(あるいは他に青カードがなく、カウンターできなくなるかもしれない)。しかしあなたがもう少し辛抱してTopをナチュラルドローした場合、カードを選ぶのには独楽が使え、そしてBrainstormはまだ手札にあって将来代替コストでカウンターを撃つために使うことができる。
もう一つのかなり知られたBrainstormの使い方は1枚か2枚の最高のカードをハンデスから隠すことだ。以下は今週末に向けたテストプレイの中で僕に起きた例だ:
僕はストームコンボを相手に相殺ソプターをプレイしていた。こちらの初手はブレスト、独楽、相殺、2枚の島、2枚のフェッチだった。
僕は土地をプレイして独楽をプレイせずにエンドした。相殺はこちらの唯一の防御カードで、これをDuressされるリスクは取れなかったからだ。案の定、彼はDuressからスタートし、僕はブレストを使ってもう1枚のBrainstormとEnlightened Tutorと土地を手に入れた。ここでまず独楽を、次に相殺を戻した。彼はEnlightened Tutorを落とし、私はドローして相殺をキャストした。僕のライブラリトップは独楽だと分かっている。
もし僕が単純に1ターン目に独楽をプレイしていたら、Duressで相殺を落とされて無防備にさせられていただろう。それだけでなく、シャッフルで混ぜ込むために1枚目に土地を戻していたら、Duressで独楽を落とされた上、相殺をプレイした後のライブラリトップは1マナだと分かっておらずフェッチを切った後のランダムなカードになって、2ターン目が無防備になっていただろう。そのうえもう1枚の独楽を持ってくるためにチューターを使う必要まである。
例えばForce of Willのような1枚の良いカードを隠し、その下に不要牌を埋めてシャッフルすることはこの例よりももっとよくある状況だが、2枚のカードを守ることが正しい状況を知っておくことは重要だ。
Brainstormは独楽なしで相殺をヒットさせるのにも使える。必要なのは独楽を探すためにBrainstormを使わず、手札に残しておくことだ。そしてカウンターしたいスペルを相手がキャストし、適切なマナコストのカードがあなたの手札にあるときに相殺の誘発にスタックでBrainstormを撃ち、トップをめくる前に正しいコストのカードを置いてタダでスペルをカウンターする。
Brainstormは解決したStandstillの被害を最小限に抑えるのにも使える。クロックがない、もしくはとても遅い相手にStandstillを置かれた場合、Standstillを割る前に対戦相手の手札が7枚かできれば8枚になるまで待ち、向こうのエンドステップにBrainstormを撃つプレイができる。
この動きのために使える能動的なインスタントというのは数少なく、同様に相手が自分のエンドステップに使う価値のある能動的なインスタントというのもほとんどない。これはつまり、相手のStandstillをAncestral Recallから「3枚引いて2,3枚捨てる」カードに変えたことになる。
この動きのためにIntuitionのようなカードを使ったときの問題は、相手がカウンターを持っている場合、Intuitionをカウンターしてクリンナップステップにディスカードする必要のあるカードを減らし、アドバンテージの損失を小さくできてしまうことだ。相手がBrainstormにカウンターを使いたがるなら、そうさせておけばよい。
デッキの中にある必要のあるカードをデッキに戻せることは皆が知っているBrainstormの能力だ。悪いカードや死に札を交換することを言っているのではない。デッキが機能するために絶対にライブラリの中になければならないカードについての話だ。
小さなものでは、フェッチ可能な土地を戻して後からフェッチしてこられるようにできる。大きなところでは、Progenitusを戻すことでNatural Orderしてくることが可能になる。このBrainstormの使い方についてはいろんなところで書かれているけれども、手札ではなくライブラリにあることが必要なカードを入れたデッキを使っているのにBrainstormを早期に撃ってしまうプレイヤーがいる。もしこの手のカードが入ったデッキを登録したなら、あなたはアグレッシブにブレストする権利を公式に放棄したことになる。早期に撃つことでキーカードをドローして手札で腐らせてしまうことを心配して、あなたは保守的になる必要がある。
初めのほうで言ったように、僕はBrainstormをとっておくように教えられた。そしてこれは最適なアプローチだと信じている。例外は少なくて、アグレッシブに撃つアプローチよりも多くの情報を得られる。
それはそれとして、僕は柔軟性が大事だと思っている。ライブラリを掘るべきなのはいつか、また我慢すべきなのはいつかを知る必要がある。これらの状況は動的かつ複雑で、完全なルールブックは存在しない。しかし、Brainstormの引き金を引くか否かを考えるための明確なサインを僕はいくつか知っている。
1 - シャッフル手段を既に持っているか?
もしそうでないなら、僕はほぼ間違いなく待つ。無駄ツモを2回して足踏みすることはまったく許容できないし、しばしば避けられない。
2 - 手札から取り除きたい2枚を既に持っているか?
もしそうでないなら、僕はおそらく待つ。ライブラリに混ぜ込んでも良いカードが十分にない状況でブレストを撃つと、マナを使うためにフェッチを切る必要がある場合に悲惨なことになる。(シャッフルしないために)フェッチを切らず展開を遅らせるか、またはシャッフルによって有用なカードを特に理由もなく捨てるかのどちらかをすることになってしまう。
この原則はよく見逃されている。プレイヤーたちはまるでライブラリに戻せるカードを引くことを想定しているようだが、完璧な土地とスペルを引かないとは言い切れない。常に不要牌があるという前提をおくことはできない。
加えてこの状況では、単に無駄な土地3枚を引き、そのうち1枚を手札にあったBrainstormと入れ替えただけに終わる可能性がある。
3 - 相殺によって何かをカウンターする必要があるか?
まだTopを出しておらず(トップレスとも言うね、冗談)、デッキに相殺がある場合、Brainstormを手札に残しておくかなり強い動機がある。
4 - Duressから守る必要があるか?
これは面白いポイントだ。というのも、実際はコンボに対してForce of Willを守る価値のない場面があるためだ。Willをトップに逃したとしても、相手はDuressを撃ったそのターン中に殺しにくるだろう。
しかし、これは独楽を出しているかもう2枚のドロースペルを持っている場合には当てはまらない。独楽を出している場合、Force of Willを隠したうえで、それにインスタントスピードでアクセスできる。隠したWillを引くために手札のスペルを使うつもりなら、少なくとも2枚は持っていないと相手にドロースペルを落とされてライブラリトップにアクセス不能になってしまうことを覚えておこう。
これらの状況では、相手がコンボピースを揃える前にゲームを終わらせるためにアグレッシブにBrainstormを使うことが正当化される。しかしそれでも、独楽か2枚のドロースペルでこのトリックを使うか、あるいはForce of WillをDuressさせてBrainstormでもう1枚を探すかの判断に僕はたいてい慎重過ぎるほど慎重になる。加えて、Duressが解決した後にForce of Willを使うためのピッチコストを残しておく必要がある。この選択はゲーム中のたくさんの要因を考慮した十分な計算による複雑な判断にもとづいて行われるものだ。
何が言えるかって?このカードにはスキルが必要だってことさ!
5 - 優勢か?
もし相手より優勢かイーブンであれば、僕は待つ可能性が高い。劣勢な場合、押し切られる前に相手に追いつくことがとても重要になる。一方で、強いプレッシャーを受けていないならば待つことは十分にペイする。
6 - このマナが必要になるだろうか?
ブレストフェッチをした後、残りのマナをタップしてすぐにクリーチャーをキャストし、Dazeされる人をときどき見かける。これはブレストのプレイというよりはDazeケアについての話だとは分かっているが、この記事でどうしても触れたい話題だ。というのもこれは起こりすぎなほど起きている本当に悪いプレイだからだ。
フェッチを起こしたまま単にクリーチャーを唱えれば、相手にDazeを使わせずに次のターンのブレストシャッフルまで可能だ。相手はもしDazeを使えばただカードを1枚ドブに捨てることになる**。
7 - Brainstormをより良くするエンジンがデッキに入っているか?
Life from the LoamやCrucible of Worldsが動き出していれば、Brainstormは文字通りAncestral Recallになる。これらのカードアドバンテージエンジンを動かす予定があるなら、動き始めてから使ったほうがBrainstormはより良いものになる。
たとえソーサリータイミングでのBrainstormであっても、カードを戻すときには自分が何をしているのかを慎重に考えてほしい。すぐにシャッフルする場合は答えは簡単で、悪いカードを2枚捨てることになる。
しかし戻したカードのうち1枚または両方を再び引こうとしている場合、これを正しく行うことは信じられないほど重要だ。シャッフルしない理由がシャッフル手段がないからであっても、手札が良すぎて2枚を捨てられないからであっても。
Tarmogoyfをこのターンではなく次のターンにキャストするつもりなら、Thoughtseizeされないようにタルモをトップに置こう。良くないカードを直感的に積むだけなら簡単だが、そうすると最高のカードをDuressやThoughtseize、Hymn to Tourach、Vendilion Clique、Cabal Therapyによって失う可能性を残すことになる。
上から2枚目に積むカードが意味を持つ場面を知っておくことは大事だ。そういう場面はあまり頻繁にはないため見落としやすいが、いざその場面になったときには極めて重要になるためだ。
さっきのCounterbalanceとSensei’s Divining Topの例を取り上げよう。もしDuressされなかったとしても、僕は相手のエンドステップにBrainstormを使って上から2枚目に1マナスペルを積み込んでおき、相殺がすぐに効果を発揮するようにしただろう。
この記事はだいぶ長くなったし吸収すべき情報をたくさん書いてしまったので、最後のいくつかの注意点は簡潔に述べようと思う。
Zooを相手にするとき、こちらにシャッフル手段がない場合でも相手のPath to Exileを利用できることを覚えておこう。
ブレストで戻すカードを手に入れるためにDazeの代替コストが使える。そのうえこれはフェッチ可能な土地だ。
最後に、常にプランを持とう。Brainstormによって何を探し何を戻すのか、キャストする前に明らかにしておこう。
ライブラリの上にどんな3枚の組み合わせがあってもその後の道筋を思い描けるぐらいまで自分のデッキをよく知るべきだ。そして心の目で見たことが気に入らないなら、さらなる情報を得るまで待つ以外にやることはない。
自分のデッキリストも正確に覚えておくべきだ。これによって探しているカードが見つかるおよその確率を計算し、トライに値するかどうかを考えることができる***。
締めくくりとして、Brainstormを我慢することをとにかく覚えよう。やがて来る、より大きな価値をブレストから得られる瞬間を探そう。
ブレストがただ手札にあり、そしてやることがないというのはこのカードをキャストする理由にはならない。Jace, the Mind Sculptorの能力とは違い、ブレストはある特定のタイミングで使う必要がある。ブレストはインスタントで、使うチャンスは一度だけだ。だから正しく使おう。
スティーブ・マーティンのようにさようなら!
AJ Sacher
P.S. 僕はこの記事のパート2を計画しているが、GPに間に合うように仕上げることはできなさそうだ。途中までは書いており、今回の記事に載せたいくつかの原則に立ち戻りながらPonderについても同じように議論をして、プレイするときにキーとなる両カードの違いを指摘する。実際のプレイに出てくる多くの状況を例として挙げ、私ならどうするかを書いている。頭の体操として面白いものになるように、またできればBrainstormとPonderについて議論されてきたたくさんの原理を示したいと思っている。
(※訳注:面白そうなのですが、AJ Sacherの連載はこの記事で終了し、続編は少なくともSCGには掲載されていないようです。)
* Preordainを見るとPonderやBrainstormの制限と矛盾しているように思えるかもしれないが、BrainstormとPonderが殺された本当の理由は、壊れた制限カードを探すのにこれらが役に立ちすぎるとウィザーズが考えたためだ。ブレストポンダーと違って判断する前に3枚目のカードを見ることができないため、この新たに印刷されたカードセレクターは正常だとみなされている。
** 別にもう一つ考えておくべきなのは、ダブルDazeをケアする必要がときどきあるということだ。実際はこの状況はかなり珍しい。何かをケアしているとき、多くの人は盤面をそのまま見て相手が2枚のDazeを持っているかもしれないと考える。しかし、その時点までのゲームの進行から対戦相手の手札を読んでみよう。もしあなたが6枚の土地を出しており、相手がブレストからのシャッフルを2回している場合、彼はおそらくDazeをライブラリに戻しているため、2枚のDazeを持っている可能性は低い。
*** 確率はそれだけではプレイする価値があるかどうかを教えてくれない。成功に繋がる可能性を考えて評価する必要がある。つまり、シャッフル手段を引く確率が60%あるが引けなかったら死ぬという場合、望むものを手に入れられそうではあるが僕は待つことにするだろう。盤上の確率計算はベストな判断をしようとするときに必要となる優れた情報の一部に過ぎず、判断それ自体ではない。
P.P.S. 1枚のマジックのカードに4000単語の説明では不十分だと言わんばかりに、何人かの人からEnlightened Tutorベースのコントロールデッキのアップデート版について尋ねられた。これだよ:
Enlightened Tutor Control
Featured by AJ Sacher on 2010-08-01 (Legacy)
Maindeck:
4 Brainstorm
4 Force of Will
2 Counterspell
4 Swords to Plowshares
4 Enlightened Tutor
2 Jace, the Mind Sculptor
1 Moat
1 Porphyry Nodes
4 Counterbalance
4 Sensei’s Divining Top
1 Crucible Of Worlds
1 Engineered Explosives
1 Ensnaring Bridge
1 Pithing Needle
1 Sword of the Meek
2 Thopter Foundry
1 Tormod’s Crypt
1 Seat of the Synod
6 Island
2 Plains
2 Tundra
1 Underground Sea
4 Flooded Strand
3 Misty Rainforest
2 Polluted Delta
1 Academy Ruins
Sideboard:
1 Engineered Explosives
1 Relic of Progenitus
1 Ethersworn Canonist
4 Meddling Mage
1 Back to Basics
1 Circle of Protection: Red
1 Future Sight
1 Humility
1 Porphyry Nodes
1 Threads of Disloyalty
1 Wheel of Sun and Moon
渦まく知識/Brainstormについて。
掲載からわずか1年ちょっとでSCG Classicに入った記事です。
日本にも、この記事より1年以上前に書かれたブレストに関する素晴らしい記事があります。
http://43458.diarynote.jp/200905100158003828/
ちょうどレガシーを始めた頃にこちらの記事に出会って衝撃を受けてからはや3年。
使いこなしてます、と胸を張って言うにはまだまだ修行が足りないなあと思います。
やっぱりこのカードは楽しい!
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SCG Classic―Pondering Brainstorm
By AJ Sacher
11/22/2011
http://www.starcitygames.com/magic/fundamentals/23152_SCG_Classic_Pondering_Brainstorm.html
これは2010年7月29日に掲載された記事である。
マジックプレイヤーの結束を強める一つの方法は、お互いにクイズのような質問をしあって答えを議論すること。これは僕のお気に入りの娯楽だ。僕らが大好きなこのゲームから外れることなく、それでも新たな発見があって、この議論は頭をほぐす機会になる。熱っぽい討論も平和な会話もいつだって楽しい。
その中で何度も耳にした質問の一つが、このゲームで最もスキルが必要なカード、についてのものだ。
Gifts UngivenとFact or Fictionはいつも話題にのぼる。Cabal Therapyは青くないスペルで頂点に立つカードとしてしょっちゅうもてはやされるが、僕の考えではSensei’s Divining Topには負ける。チューターや基本的な除去のようなシンプルなカードが挙げられることすらある。
しかし、僕に言わせればナンバーワンのカードにはほとんど議論の余地はない。その栄誉はマジック史上で僕が一番好きなカードに与えられる。
もちろん、Brainstormのことだ。
Brainstormそれ自体がこのゲームの要となり、最終的に禁止の鉄槌(正確には制限の鉄槌)を下されるまでの間、ヴィンテージを定義付けた。この強力なインスタントとあまりにも似すぎていただけで、Ponderもまた斧を振るわれた*。
今レガシーがこれだけポピュラーなフォーマットになり、それを支える原動力としてBrainstormとの関わりは再び急激に増している。レガシーを競技としてプレイする人が増えるにしたがってBrainstormを正しく扱うプレイヤーの数もどんどん増えているが、学べることはまだまだあると僕は感じている。
過去に異なる場面で何度か言ってきたように、これまでも今も、レガシーは最もスキルを要するフォーマットだ。そのとても大きな理由はBrainstormの存在による。
はじめて参加したグランプリ、GPコロンバスよりもかなり前、僕はこのカードの使い方を知る人が集う秘密クラブの一員みたいなものだった。本当に多くの人がこのカードをとても下手に使うのを見て、この地区のレガシーイベントでいつも同じプレイヤーが良い順位をキープしているのはなぜなのか、だんだん分かってきた。ブレストが制限される前のヴィンテージにも同じことが言えた。
今日の記事ではこのカードについてくまなく探検してみよう。
なぜ一つの記事を1枚のカードに費やすのかって?そうだな、えーと・・・Brainstormは史上最もスキルを要するカードで、レガシーで最も優れたカードで、ほとんどいつも最も多くプレイされているカードだ。2日後のグランプリのフォーマットを定義付けるカードで、いくつか議論しておくのは当然だと思う。
Brainstormはキャントリップではない。
Brainstormは一見たいした仕事をしないように見えるため、よく考えずにキャストしてしまうことが多い。ここで問題なのは、Brainstormがキャントリップよりずっと深いカードなのに、これをキャントリップとみなしてしまっていることだ。
Optはキャントリップだ。Serum Visionsはキャントリップだ。Mental Noteはキャントリップだ。このキャントリップ気質は伝統的なNimble MongooseとWerebear入りのスレッショルドデッキからくるものだが、今日のスレショデッキは先祖よりも多少進化している。デッキのカードをどんどん使ってただ墓地を肥やすだけでなく、その先に続くもう少し複雑なゲームプランを持っている。
僕が目にするBrainstormに関するミスのほとんどは忍耐の欠如からくるものだ。
Josh Raydenは僕がマジックを始めた頃に多くのことを教えてくれた友人だが、彼はBrainstormのパワーについて素晴らしい名言を持っていた。彼はおおげさにこう言った。
「決してこのカードをキャストしようと思わないことだ。」
そしてこれは正しい。正直言って、このカードはキャストするには良すぎる。
Brainstormは情報によって力が増幅されるカードだ。多くの情報を得れば得るほどBrainstormはより良いカードになる。
土地とスペルがほどよく混ざった強い手札を持っていることを想像してみよう。そのときBrainstormはあなたに何をしてくれるだろう?
たいしたことはしない。しかし人々はこれをとりあえずキャストしてしまう。
長く待てば待つほど、あなたはより多くのカードを見ることになり、どのカードが必要でどれが必要でないかを正確に言えるポイントまでゲームは進行する。それにしたがってブレストしよう。
ブレインストーマーが犯す最大の罪は、不用意な1ターン目のキャストだ。これは自分のスペルの力を自分で奪ってしまっているようなものだ!
かつては2ターン目のアップキープにMystical Tutorを撃つことで最大の価値を得ることができた(もしくはEntomb、これは今でもできる)。しかし現在もはやこのプレイはできず、このようにカードを無駄に使うことにプレイヤーが弁解する余地はほとんどない。これをやった場合、2枚のカードを引いて1枚を戻すのとほぼ同じで、この文脈ではBrainstormはシャッフルしない1マナのSee Beyondのようなものだ。
ライブラリトップに戻した知っているカードのうち1枚を次のターンにすぐ引くことになるため、1枚だけ戻しているのと同じことになる。
そして1ターン待っていれば、カードをドローし、「それから」さらに3枚深く掘ることになったはずなので、見るカードが1枚減っているのと同じようなものだ。1ターン待つことにより、1ターン目にブレストを唱える人よりも1枚多くのカードを見ることができる。
このミスをしてしまう理由は、毎ターンできる限りマナを使うというルールが頭に刻み込まれているためだ。
2ターン目にTarmogoyfをキャストする予定なら、Brainstormを使うにはその次のターンを待つ必要がある、そうだろう?
そして、僕は「待つ必要がある」じゃなくて「待つチャンスがある」と捉えている。3ターン目のBrainstormによって1ターン目に使うよりも追加で2枚のカードを知り2枚深く掘ることは、ほとんどいつだって1ターン目に1マナを余らせてでもやる価値がある。
加えて、相手が1ターン目にTropical IslandやPolluted Deltaをプレイしていた場合はどうなるだろう?相手が何をプレイしているのかあなたにはまだ分からない。そこでBrainstormしたくなるかな?
待つことにより、あなたは自分の手札とゲームプランについてだけでなく、何を相手にしているかについてもより多くの情報を得られる。これが重要な理由は、Brainstormで何を戻すかを正しく決められるようになるからだけではなく、相手が今後プレイする土地によって彼らのアーキタイプが明確になり、その結果あなたのプランが変わりうるからでもある。
考えてみよう。相手のデッキがすぐさま正体を現すこともしばしばある。こんなふうに:
山からラッキー。
Taigaをフェッチしてナカティル。
平地を出してAether Vial。
セットランド、Mox DiamondからのExploration。
などなど。つまり、相手が何を使っているかをはっきり物語るスタートは数多くある。
あなたが推測をしなければならなくなるケースの多くは青絡みのデュアルかフェッチから始まる場合だ。Tropical Islandはカナディアンスレッショルドやニューホライズンのようなスレショ系デッキを意味しているかもしれない。タルモをタッチしたマーフォークや出だしの遅いLandsの可能性すらある。アルーレンや超起源やショーテルの一種かもしれない。
これは誰にも分からない。
青絡みのフェッチの場合は上に挙げたデッキのどれかかもしれないし、ストームコンボかもしれないし、マーフォークかもしれないし、その他諸々かもしれない。
待つことにより、あなたは相手にしているアーキタイプが何かを見定めることができる。また、初動を見ればそれ以上の情報がなくとも警戒警報をオフにできる場合も多い。
突然、Tarmogoyfのために2ターン目にタップアウトしたくなくなることもある。相手のプレイしているデッキにDazeが入っていないと分かっている場合、僕は単にTarmogoyfをプレイして次のターンにブレストで情報を得ることができる。しかし不明瞭な出だし(もしくは島からVialのように明らかなマーフォーク)の場合はDazeを撃たれる可能性が高く、僕はよりゆったりとターンを返すようになり、何気なくフェッチランドを置き、再びパスをする。
したがって、1ターン目のBrainstormはマナカーブに沿っているという議論は数多くのゲームで成り立たない。なぜならその状況で2マナスペルを何が何でも使うべきではないからだ。
DazeをケアしてTarmogoyfを出し、次のターンにブレストで情報を得るだけでなく、直後にフェッチを切ることによってカード入れ替えの価値を1ターン目にキャストする場合と比べて最大化できる。
言うまでもなく、1ターン目にブレストをキャストするためにフェッチを切らねばならないなら、その必要もないのに基本土地を持ってきて色マナを窮屈にするか、そうすべきでないのにWastelandに身をさらすかのどちらかになる可能性がある。
Brainstormのタイミングはエターナルフォーマットで最も重要なスキルの一つだ。
ブレストを1ターン目に撃つことの他に、何もすることがないときにこれをキャストしてしまうプレイヤーが多い。これはなおさら難しい問題だ。
僕の尊敬する上手いプレイヤーが、ほとんどいつも攻勢に出ている状況でBrainstormをプレイするのを見てきた。僕自身はかなり保守的な傾向がある。つまり、引き金を引くことができる最後の瞬間まで待ち、最大の情報を手に入れ、可能な限り深くライブラリを掘るのを好む。
他のプレイヤーはそれよりかなり早く発射する。何かチャンスを得たときにそれを連鎖させ、より大きなアドバンテージに増幅させようとしているんだね。
しかし、この一連のプレイはとてもリスキーで、Brainstormでハズレを引いたときに大きな罰を受けることになる。
待つことにより、Brainstormに付加価値がつくプレイができるように準備を整えておいた方が何かと都合がいいだろう。単にカードを濾過するだけでなく、Brainstormは多くの繊細な意味を持つカードだ。ほんのちょっとしたプレイが勝敗の分かれ目になり得る。
手札入れ替えの意味をなくしてしまったり潜在的な情報を得るのに失敗したりする以外に、早期に撃ってしまうことも、こういったオプションをゲーム終盤に使う可能性を閉ざしてしまう。
Brainstormが秘めた特殊能力の中で一番よく知られているのは、このカードが青いことだ。Force of Willのピッチコストにできることは表面的には大して魅力的な能力には思えないだろう。しかし十分な数のレガシーのゲームをこなせば、これにまつわることが何度も何度も起こることに気づくはずだ。
Brainstormを撃ってSense’s Divining Topをドローした場合、あなたは別の、潜在的により重要な青いスペルをピッチコストに使わざるを得なくなる(あるいは他に青カードがなく、カウンターできなくなるかもしれない)。しかしあなたがもう少し辛抱してTopをナチュラルドローした場合、カードを選ぶのには独楽が使え、そしてBrainstormはまだ手札にあって将来代替コストでカウンターを撃つために使うことができる。
もう一つのかなり知られたBrainstormの使い方は1枚か2枚の最高のカードをハンデスから隠すことだ。以下は今週末に向けたテストプレイの中で僕に起きた例だ:
僕はストームコンボを相手に相殺ソプターをプレイしていた。こちらの初手はブレスト、独楽、相殺、2枚の島、2枚のフェッチだった。
僕は土地をプレイして独楽をプレイせずにエンドした。相殺はこちらの唯一の防御カードで、これをDuressされるリスクは取れなかったからだ。案の定、彼はDuressからスタートし、僕はブレストを使ってもう1枚のBrainstormとEnlightened Tutorと土地を手に入れた。ここでまず独楽を、次に相殺を戻した。彼はEnlightened Tutorを落とし、私はドローして相殺をキャストした。僕のライブラリトップは独楽だと分かっている。
もし僕が単純に1ターン目に独楽をプレイしていたら、Duressで相殺を落とされて無防備にさせられていただろう。それだけでなく、シャッフルで混ぜ込むために1枚目に土地を戻していたら、Duressで独楽を落とされた上、相殺をプレイした後のライブラリトップは1マナだと分かっておらずフェッチを切った後のランダムなカードになって、2ターン目が無防備になっていただろう。そのうえもう1枚の独楽を持ってくるためにチューターを使う必要まである。
例えばForce of Willのような1枚の良いカードを隠し、その下に不要牌を埋めてシャッフルすることはこの例よりももっとよくある状況だが、2枚のカードを守ることが正しい状況を知っておくことは重要だ。
Brainstormは独楽なしで相殺をヒットさせるのにも使える。必要なのは独楽を探すためにBrainstormを使わず、手札に残しておくことだ。そしてカウンターしたいスペルを相手がキャストし、適切なマナコストのカードがあなたの手札にあるときに相殺の誘発にスタックでBrainstormを撃ち、トップをめくる前に正しいコストのカードを置いてタダでスペルをカウンターする。
Brainstormは解決したStandstillの被害を最小限に抑えるのにも使える。クロックがない、もしくはとても遅い相手にStandstillを置かれた場合、Standstillを割る前に対戦相手の手札が7枚かできれば8枚になるまで待ち、向こうのエンドステップにBrainstormを撃つプレイができる。
この動きのために使える能動的なインスタントというのは数少なく、同様に相手が自分のエンドステップに使う価値のある能動的なインスタントというのもほとんどない。これはつまり、相手のStandstillをAncestral Recallから「3枚引いて2,3枚捨てる」カードに変えたことになる。
この動きのためにIntuitionのようなカードを使ったときの問題は、相手がカウンターを持っている場合、Intuitionをカウンターしてクリンナップステップにディスカードする必要のあるカードを減らし、アドバンテージの損失を小さくできてしまうことだ。相手がBrainstormにカウンターを使いたがるなら、そうさせておけばよい。
デッキの中にある必要のあるカードをデッキに戻せることは皆が知っているBrainstormの能力だ。悪いカードや死に札を交換することを言っているのではない。デッキが機能するために絶対にライブラリの中になければならないカードについての話だ。
小さなものでは、フェッチ可能な土地を戻して後からフェッチしてこられるようにできる。大きなところでは、Progenitusを戻すことでNatural Orderしてくることが可能になる。このBrainstormの使い方についてはいろんなところで書かれているけれども、手札ではなくライブラリにあることが必要なカードを入れたデッキを使っているのにBrainstormを早期に撃ってしまうプレイヤーがいる。もしこの手のカードが入ったデッキを登録したなら、あなたはアグレッシブにブレストする権利を公式に放棄したことになる。早期に撃つことでキーカードをドローして手札で腐らせてしまうことを心配して、あなたは保守的になる必要がある。
初めのほうで言ったように、僕はBrainstormをとっておくように教えられた。そしてこれは最適なアプローチだと信じている。例外は少なくて、アグレッシブに撃つアプローチよりも多くの情報を得られる。
それはそれとして、僕は柔軟性が大事だと思っている。ライブラリを掘るべきなのはいつか、また我慢すべきなのはいつかを知る必要がある。これらの状況は動的かつ複雑で、完全なルールブックは存在しない。しかし、Brainstormの引き金を引くか否かを考えるための明確なサインを僕はいくつか知っている。
1 - シャッフル手段を既に持っているか?
もしそうでないなら、僕はほぼ間違いなく待つ。無駄ツモを2回して足踏みすることはまったく許容できないし、しばしば避けられない。
2 - 手札から取り除きたい2枚を既に持っているか?
もしそうでないなら、僕はおそらく待つ。ライブラリに混ぜ込んでも良いカードが十分にない状況でブレストを撃つと、マナを使うためにフェッチを切る必要がある場合に悲惨なことになる。(シャッフルしないために)フェッチを切らず展開を遅らせるか、またはシャッフルによって有用なカードを特に理由もなく捨てるかのどちらかをすることになってしまう。
この原則はよく見逃されている。プレイヤーたちはまるでライブラリに戻せるカードを引くことを想定しているようだが、完璧な土地とスペルを引かないとは言い切れない。常に不要牌があるという前提をおくことはできない。
加えてこの状況では、単に無駄な土地3枚を引き、そのうち1枚を手札にあったBrainstormと入れ替えただけに終わる可能性がある。
3 - 相殺によって何かをカウンターする必要があるか?
まだTopを出しておらず(トップレスとも言うね、冗談)、デッキに相殺がある場合、Brainstormを手札に残しておくかなり強い動機がある。
4 - Duressから守る必要があるか?
これは面白いポイントだ。というのも、実際はコンボに対してForce of Willを守る価値のない場面があるためだ。Willをトップに逃したとしても、相手はDuressを撃ったそのターン中に殺しにくるだろう。
しかし、これは独楽を出しているかもう2枚のドロースペルを持っている場合には当てはまらない。独楽を出している場合、Force of Willを隠したうえで、それにインスタントスピードでアクセスできる。隠したWillを引くために手札のスペルを使うつもりなら、少なくとも2枚は持っていないと相手にドロースペルを落とされてライブラリトップにアクセス不能になってしまうことを覚えておこう。
これらの状況では、相手がコンボピースを揃える前にゲームを終わらせるためにアグレッシブにBrainstormを使うことが正当化される。しかしそれでも、独楽か2枚のドロースペルでこのトリックを使うか、あるいはForce of WillをDuressさせてBrainstormでもう1枚を探すかの判断に僕はたいてい慎重過ぎるほど慎重になる。加えて、Duressが解決した後にForce of Willを使うためのピッチコストを残しておく必要がある。この選択はゲーム中のたくさんの要因を考慮した十分な計算による複雑な判断にもとづいて行われるものだ。
何が言えるかって?このカードにはスキルが必要だってことさ!
5 - 優勢か?
もし相手より優勢かイーブンであれば、僕は待つ可能性が高い。劣勢な場合、押し切られる前に相手に追いつくことがとても重要になる。一方で、強いプレッシャーを受けていないならば待つことは十分にペイする。
6 - このマナが必要になるだろうか?
ブレストフェッチをした後、残りのマナをタップしてすぐにクリーチャーをキャストし、Dazeされる人をときどき見かける。これはブレストのプレイというよりはDazeケアについての話だとは分かっているが、この記事でどうしても触れたい話題だ。というのもこれは起こりすぎなほど起きている本当に悪いプレイだからだ。
フェッチを起こしたまま単にクリーチャーを唱えれば、相手にDazeを使わせずに次のターンのブレストシャッフルまで可能だ。相手はもしDazeを使えばただカードを1枚ドブに捨てることになる**。
7 - Brainstormをより良くするエンジンがデッキに入っているか?
Life from the LoamやCrucible of Worldsが動き出していれば、Brainstormは文字通りAncestral Recallになる。これらのカードアドバンテージエンジンを動かす予定があるなら、動き始めてから使ったほうがBrainstormはより良いものになる。
たとえソーサリータイミングでのBrainstormであっても、カードを戻すときには自分が何をしているのかを慎重に考えてほしい。すぐにシャッフルする場合は答えは簡単で、悪いカードを2枚捨てることになる。
しかし戻したカードのうち1枚または両方を再び引こうとしている場合、これを正しく行うことは信じられないほど重要だ。シャッフルしない理由がシャッフル手段がないからであっても、手札が良すぎて2枚を捨てられないからであっても。
Tarmogoyfをこのターンではなく次のターンにキャストするつもりなら、Thoughtseizeされないようにタルモをトップに置こう。良くないカードを直感的に積むだけなら簡単だが、そうすると最高のカードをDuressやThoughtseize、Hymn to Tourach、Vendilion Clique、Cabal Therapyによって失う可能性を残すことになる。
上から2枚目に積むカードが意味を持つ場面を知っておくことは大事だ。そういう場面はあまり頻繁にはないため見落としやすいが、いざその場面になったときには極めて重要になるためだ。
さっきのCounterbalanceとSensei’s Divining Topの例を取り上げよう。もしDuressされなかったとしても、僕は相手のエンドステップにBrainstormを使って上から2枚目に1マナスペルを積み込んでおき、相殺がすぐに効果を発揮するようにしただろう。
この記事はだいぶ長くなったし吸収すべき情報をたくさん書いてしまったので、最後のいくつかの注意点は簡潔に述べようと思う。
Zooを相手にするとき、こちらにシャッフル手段がない場合でも相手のPath to Exileを利用できることを覚えておこう。
ブレストで戻すカードを手に入れるためにDazeの代替コストが使える。そのうえこれはフェッチ可能な土地だ。
最後に、常にプランを持とう。Brainstormによって何を探し何を戻すのか、キャストする前に明らかにしておこう。
ライブラリの上にどんな3枚の組み合わせがあってもその後の道筋を思い描けるぐらいまで自分のデッキをよく知るべきだ。そして心の目で見たことが気に入らないなら、さらなる情報を得るまで待つ以外にやることはない。
自分のデッキリストも正確に覚えておくべきだ。これによって探しているカードが見つかるおよその確率を計算し、トライに値するかどうかを考えることができる***。
締めくくりとして、Brainstormを我慢することをとにかく覚えよう。やがて来る、より大きな価値をブレストから得られる瞬間を探そう。
ブレストがただ手札にあり、そしてやることがないというのはこのカードをキャストする理由にはならない。Jace, the Mind Sculptorの能力とは違い、ブレストはある特定のタイミングで使う必要がある。ブレストはインスタントで、使うチャンスは一度だけだ。だから正しく使おう。
スティーブ・マーティンのようにさようなら!
AJ Sacher
P.S. 僕はこの記事のパート2を計画しているが、GPに間に合うように仕上げることはできなさそうだ。途中までは書いており、今回の記事に載せたいくつかの原則に立ち戻りながらPonderについても同じように議論をして、プレイするときにキーとなる両カードの違いを指摘する。実際のプレイに出てくる多くの状況を例として挙げ、私ならどうするかを書いている。頭の体操として面白いものになるように、またできればBrainstormとPonderについて議論されてきたたくさんの原理を示したいと思っている。
(※訳注:面白そうなのですが、AJ Sacherの連載はこの記事で終了し、続編は少なくともSCGには掲載されていないようです。)
* Preordainを見るとPonderやBrainstormの制限と矛盾しているように思えるかもしれないが、BrainstormとPonderが殺された本当の理由は、壊れた制限カードを探すのにこれらが役に立ちすぎるとウィザーズが考えたためだ。ブレストポンダーと違って判断する前に3枚目のカードを見ることができないため、この新たに印刷されたカードセレクターは正常だとみなされている。
** 別にもう一つ考えておくべきなのは、ダブルDazeをケアする必要がときどきあるということだ。実際はこの状況はかなり珍しい。何かをケアしているとき、多くの人は盤面をそのまま見て相手が2枚のDazeを持っているかもしれないと考える。しかし、その時点までのゲームの進行から対戦相手の手札を読んでみよう。もしあなたが6枚の土地を出しており、相手がブレストからのシャッフルを2回している場合、彼はおそらくDazeをライブラリに戻しているため、2枚のDazeを持っている可能性は低い。
*** 確率はそれだけではプレイする価値があるかどうかを教えてくれない。成功に繋がる可能性を考えて評価する必要がある。つまり、シャッフル手段を引く確率が60%あるが引けなかったら死ぬという場合、望むものを手に入れられそうではあるが僕は待つことにするだろう。盤上の確率計算はベストな判断をしようとするときに必要となる優れた情報の一部に過ぎず、判断それ自体ではない。
P.P.S. 1枚のマジックのカードに4000単語の説明では不十分だと言わんばかりに、何人かの人からEnlightened Tutorベースのコントロールデッキのアップデート版について尋ねられた。これだよ:
Enlightened Tutor Control
Featured by AJ Sacher on 2010-08-01 (Legacy)
Maindeck:
4 Brainstorm
4 Force of Will
2 Counterspell
4 Swords to Plowshares
4 Enlightened Tutor
2 Jace, the Mind Sculptor
1 Moat
1 Porphyry Nodes
4 Counterbalance
4 Sensei’s Divining Top
1 Crucible Of Worlds
1 Engineered Explosives
1 Ensnaring Bridge
1 Pithing Needle
1 Sword of the Meek
2 Thopter Foundry
1 Tormod’s Crypt
1 Seat of the Synod
6 Island
2 Plains
2 Tundra
1 Underground Sea
4 Flooded Strand
3 Misty Rainforest
2 Polluted Delta
1 Academy Ruins
Sideboard:
1 Engineered Explosives
1 Relic of Progenitus
1 Ethersworn Canonist
4 Meddling Mage
1 Back to Basics
1 Circle of Protection: Red
1 Future Sight
1 Humility
1 Porphyry Nodes
1 Threads of Disloyalty
1 Wheel of Sun and Moon
コメント
良記事ありがとうございます!(^ー^)
ここ最近同じ事を考えてブレストを使ってますが、考え方を文章に出来る事ってすごいですよね。
ブレストの使い方、物事の考え方…色々な情報が得られました。
ありがとうございます!!
また何度も読み返したいので、リンクさせて頂きましたm(__)m
書いてあるのは基本的なことばかりなのですが、ちゃんとやるのは大変ですよね。
コメントありがとうございます!
> セイさん
ありがとうございます。
分かってるつもりでもちゃんと書くのは難しくて、頭の中を記事に残してくれるのは本当にありがたいです。
> ゆずぽんさん
ありがとうございます。訳した甲斐があります。
こちらからもリンクさせていただきますね。
今回の記事も非常に楽しかったです。
いつかPonderの記事も見てみたいものですが…w
スタンの話になってしまいますが、Predrdainの記事で面白かった記事をちょこっとご紹介を。
えいちてぃーてぃーぴー://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?ID=9237
Radishさんのような綺麗な訳ではありませんが、自分のDNの2010年11月1日の日記で訳してあります。
Preordainの記事、ありがとうございます!未読でした。
翻訳記事読ませていただきました。デジャヴなことが書かれていて面白いw
Ponderの記事があれば一揃いだったのですが、残念ながらやっぱり無いみたいです。