Channel Fireballより。
2012/6/24に行われたSCG Legacy Open DetroitでCaleb Durwardがエルフで2位になったときのレポート。
エルフのことをよく知らなかったので、鏡の精体を使った無限コンボやサイドのインアウトなど勉強になりました。
"Pointy-Eared Folk": 耳のとがった者たち
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Legacy Weapon - Pointy-Eared Folk
Posted by Caleb Durward
July 5, 2012
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-pointy-eared-folk/
デトロイトでのレガシーオープンでエルフを使おうとは思っていなかった。
考えてさえいなかった。
Brainstormと独楽とForce of Willを入れたデッキが理想だった。
開催地に着いたとき、ほとんど知り合いがいなかった。知っているのはトレーダーではなくプレイヤーばかりで、彼らは自分のデッキしか持ってきていなかった。仲間のRobのカードを使って間に合わせでツギハギだらけのストームデッキを作ったが、Burning Wishが見当たらなかった。
まず私はJon Johnsonのところで足を止めた。彼はドレッジ相手にエルフをプレイしていた。
彼のデッキはゲームのあらゆる段階でやりたいようにやっているようだった。
私は何らかのエンジンをベースにしたデッキが大好きで、このデッキはとても楽しそうに見えた。
Jonは私の求めるBurning Wishを持っていなかった。
次にAriに会ったが、彼は笑って言った。
「Burning Wishだって?俺はAri Laxだよ。自分のストームデッキで使うに決まってるじゃないか。」
彼は、Griselbrand対策にReanimateとBriberyの入ったウィッシュボードを見せてくれた。
私は笑顔だったが、彼には私の顔が残念そうに見えたに違いない。
というのも、彼は自分のエルフデッキを私に使うように提案してきたんだ。数分間無意味な詮索をした末に、彼の提案にのることにした。
AriとChris Andersonがこのデッキの勝ち筋を親切に教えてくれた。
たいていの場合は典型的なエンジンを決めて勝つ。カードを引き、マナを生成し、勝利手段を探して、妨害を経由してプレイする。
しかしこのデッキには、限られたリソースでも無限コンボを決められるトリックがある。
これが教えてもらった最も簡単な3つのコンボだ:
1.
Priest of Titania、Mirror Entity、Wirewood Symbioteが出ている状況から始める。
1マナで鏡の精体を起動し、次にPriestをタップして3マナを出し、共生虫で自身をバウンスする(Priestをアンタップ)。結果として、1マナ増えて最初の状態になる(Glimpse of Natureを撃っていればキャントリップもつく)。
2.
Heritage Druid、Mirror Entity、Nettle Sentinel、Wirewood Symbioteから始める。
1マナで精体を起動し、ドルイドの能力でイラクサと共生虫ともう一体エルフをタップし、共生虫をバウンスする(イラクサでない方のエルフをアンタップ)。共生虫を再度唱えてイラクサをアンタップ――これで1マナ増えて最初の状態に戻る。
(※訳注:ドルイド、イラクサ、精体の3体タップから始めれば最初の1マナも不要ですね。)
3.
これはトリッキーだ。
2体のWirewood Symbiote、Mirror Entity、Heritage Druidから始める。
1マナを精体に使い、次に3体をタップして緑3マナを得る。寝ている共生虫をバウンスしてエルフをアンタップし、出し直す。マナプールには緑2マナ残っている。精体を起動し、再び遺産のドルイドを使う、これで緑4マナ。共生虫を2体ともバウンスして残り2体のエルフを起こし、共生虫をプレイし直す。
これで1マナ増えて最初の状態になる。
最後のルートでマナを出す必要がある場合は要注意だ――Glimpse of Natureは「引いてもよい」ではないので、自分のデッキを引ききってしまわないように気を付ける必要がある。
幸いGreen Sun’s Zenithをライブラリに戻すことができるので、これは起こりにくくなっている。
ループを省略するときだけ慎重になろう。例えば、Glimpseを2回唱えた後に「これを(3番のループを)10回繰り返します」と言ってしまうと、あなたは60枚ドローすることになる。こりゃだめだ。
一度無限コンボを決めれば、鏡の精体の起動とWirewood Symbioteのバウンスを繰り返して召喚酔いしていないエルフを全てアンタップし、精体で500/500になったそいつらでアタックできる。
週末を通して無限ループは3回決まった。3番のループが2回に、2番が1回。
レガシーのイベントを勝ち抜こうとしたとき、おそらくどこかでループを決めなきゃならない場面はあるが、ほとんどのゲームは良い手札をキープして正しい順序で使えば勝てるだろう。いくつかのゲームでは正しくフェッチを使う必要があったり(Wastelandが出ている、あるいは出てきそうな場合)、大量の妨害をくぐり抜けて勝つ道筋を導き出すことも必要になるだろう。
これが私がスリーブに入れたデッキだ:
Elves!
* Main Deck
* 4 Verdant Catacombs
* 2 Misty Rainforest
* 1 Wooded Foothills
* 1 Dryad Arbor
* 2 Savannah
* 3 Forest
* 1 Horizon Canopy
* 2 Gaea’s Cradle
* 1 Pendelhaven
* 2 Quirion Ranger
* 1 Regal Force
* 1 Viridian Shaman
* 3 Birchlore Rangers
* 4 Elvish Visionary
* 4 Wirewood Symbiote
* 4 Heritage Druid
* 4 Llanowar Elves
* 2 Fyndhorn Elves
* 3 Priest of Titania
* 2 Mirror Entity
* 4 Nettle Sentinel
* 4 Green Sun’s Zenith
* 4 Glimpse of Nature
* 1 Crop Rotation
* Sideboard
* 2 Humility
* 1 Meekstone
* 2 Thorn of Amethyst
* 1 Thalia, Guardian of Thraben
* 4 Faerie Macabre
* 1 Scavenging Ooze
* 1 Gaddock Teeg
* 1 Qasali Pridemage
* 1 Mortarpod
* 1 Umezawa’s Jitte
週末を通して、サイドボードのカードは2枚目のHumility以外は全て使った。これはショーテルデッキ相手のときしかサイドインしないのだが、やつらには勝てる。
一方、1枚目のHumilityは多くの仕事をする。
Chris Andersonのリストとのもう一つの違いは十手だ。
彼は十手は良かったと言っていたし、これなしでは私はトップ8に残れなかっただろう。
Round 1: RUG
ゲーム1、私はエルフをテーブルに並べ「ループを見るかい?」と言った。
私が何枚かカードを引いたあと、相手は投了した。
SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Humility, +1 Meekstone
ゲーム2、彼はDelver of Secretsからスタートし、ビートを開始した。
2,3ターン後、私は6ライフを残してHumilityを解決。彼の場にいる3/2飛行と2体の4/5を3体の1/1に変え、私はボードに7体の1/1を展開し始めた。
勝ち。
Round 2: ?
このラウンドでどうプレイしたのか思い出せない。
ごめんね。
Round 3: Jon Eldonの青白
これはなかったことになったフィーチャーマッチだ。
ゲーム1、彼は私の1ターン目Heritage Druidをウィル。彼がUmezawa’s Jitteを出しているあいだに私は手札を吐き出した。
十手は緑頂点してきたViridian Shamanで割り、彼はStoneforge MysticでBatterskullをサーチした。
幸い、十分な戦力とWirewood Symbioteが出ていた。彼のBatterskullによるブロックとアタックに対して、Germに出くわしたエルフを毎回バウンスした。
1,2ターンの後、Jonは場を片付けた。
SB:
-1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte
ゲーム2、私はソープロ、ヴェンディからの瞬唱ソープロをくらった。Wrath of Godが私のボードを壊滅させ、そこから復旧することはできなかった。
相手の場にいる瞬唱と墓地に積み上がったクリーチャーを見て、私はサイドミスしたことを悟った。
SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Scavenging Ooze, +1 Mortarpod
ゲーム3、私は先攻で1マリし、彼は私の1ターン目マナ生物をソープロした。
それでも早期にGlimpseを使って爆発し、彼を倒した。
Round 4: Josh Glantzmanのマーベリック
これはビデオフィーチャーマッチだった。
ゲーム1、JoshはGaddock Teegをプレイし、私の手札にある2枚の緑頂点を腐らせた。
幸いなことに彼のデッキの残りは緑と白のクリーチャーばかりで、最後には私が彼を上回った。
SB:
-1 Green Sun’s Zenith, -1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod
ゲーム2、私は十手ハンドをキープしたが、彼はそれを阻止するMother of Runesと、さらにLinvala, Keeper of SilenceをサーチするためのFauna Shamanまで出してきた。
倒せない3/4飛行を前にほとんど投了しかけの場面でBirchlore Rangersを手に入れて変異で出し、マザーで止まらない無色ダメージによって主導権を得ようとした。
しかし、彼はSwords to Plowsharesで対処した。
ゲーム3、彼は1ターン目Noble Hierarchからの2ターン目Knight of the Reliquaryという出だし。
私は3ターン目に勝利した。
カバレッジチームがうっかり――ほとんど事故で――同時に複数のエルフデッキをフィーチャーしてしまったため、さらにもう一つのエルフのフィーチャーマッチを見させられた多くの人がTwitterで愚痴を言っていた。
カバレッジマネージャーのGlenn Jonesはこの事態に次のようにツイートした:
「こんなことどうやって想像するんだい?Calebはいつもクレイジーなものしかプレイしないじゃないか。」
ナンテコッタイ。
Round 5: RUGテンポ
このマッチは典型的なエルフの動きで勝った。
ここで、私の車の同乗者に会った。RUGを使っていたJeremyも無敗で、私達はお互いに当たらないことを祈った。もし当たれば二人のうちどちらかはトップ8に進めるだろうが、一方、二人がともにトップ8に進む確率は、当たらない場合の方が高い。
Round 6: 親和(勝ってID2回で抜け)
ペアリングが発表され、Jeremyと私はハイタッチをした。
身内同士でプレイしなくていい。これはトーナメントマジックを素晴らしいものにし、旅を価値あるものにしてくれる友人達の間ではめったにない、最高の瞬間の一つだ。
ゲーム1、私はそこそこ良いハンドだったが、私が彼を倒す前に、彼のCranial PlatingとInkmoth Nexusが私をきっちり殺した。
このゲームはGreen Sun’s Zenithがあれば勝てるだろう。メインに入れたViridian ShamanをサーチしてWirewood Symbioteで使い回せばイージーウィンだからね。
SB:
-2 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Qasali Pridemage, +1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod
ゲーム2、彼は序盤にEthersworn Canonistを出し、私はViridian Shamanのための緑頂点をまたも持っていなかった。
彼のVault Skirgeに殴られながらお互いにドローゴーを続け、私は1ターンに1枚のElvish Visionaryをプレイするだけでまいっていた。
私の最終ターン、ついにMirror Entityを引き込み、自軍を全部15/15にした。彼は持っていたDispatchによって死なずに済んだが、場にいるクリーチャーでのチャンプはマストだった。
彼のターン、彼は最後の2枚のハンドを展開し、ミシュラン2枚を起動して、再びきっかり私を倒した。
私の知る限り、当時のスタンダードでの親和対エルフは、親和にとってつらいマッチアップだ。それをやってのけた対戦相手を称えよう。
Round 7: RyanのRUGアグロ(勝てばほぼ抜け)
この時点でJeremyは抜けが確定し、3人目の同乗者Rob Vacaは今のレガシーでは最悪のデッキである青白相殺ソプターを使って私と同じく1敗だった。
Ryanは知人で、イベントの前にお互いのリストについて少し話をしていた。
彼は、典型的なRUGテンポよりは青赤デルバーを彷彿とさせるような、かなりアグレッシブなRUGのリストを使っていた。緑はタルモとKird Apeのために入っている。
先ほどのラウンドでは彼と隣の席になり、二人とも勝ってID2回で抜けのところを落としている。
ゲーム1は、序盤のGlimpse of Natureのおかげでなんとか私がとった。
SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Meekstone, +1 Humility
ゲーム2は土地3枚とHumilityのあるハンドをキープ。
火力がこちらを遅らせ、彼は順調に脅威を送り出した。私がやっとHumilityを張ったときには、彼はこちらよりも多くのクリーチャーを出しており、さらにMind Harnessがとどめとなった。
ゲーム3、私は2ターン目に手札を大量展開し、3ターン目に十手をプレイして装備。そのまま逃げ切った。
Round 8:
1敗ラインのオポトップとして、私は引き分ければトップ8に行くことができた。
しかし、例によって対戦相手はそうではなく、やる必要があった。
私のドローの申し出を断ったあと、対戦相手はシャッフルして手札を引いた。お互いにキープし、私がエルフを出した。
彼はそれを見下ろし、気遣うように言った。
「それはVeteran Explorerじゃないよ。」
「ああ、もちろん違う。」
(※訳注:Caleb DurwardはNic Fitを好んで使っていた。)
こちらが手札を展開しきったあと、彼はジェイスをプレイしてブレストした。
私はMirror Entityを出して彼を倒した。
SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Thalia, Guardian of Thraben, +1 Gaddock Teeg
ガドックを入れるとき緑頂点を削らないように言われた。この伝説のヘイトベアーを出す前に手札のZenithは使い切ることができるためだ。
ゲーム2、彼は先攻で4枚になるまでマリガンした。再び後攻をやるか持ちかけそうになったが、 IDをするか、再度持ちかけそうになったがすんでのところで抑えた。
我々はマジックをするためにここまで来ていて、彼はマジックをすることを選んだプレイすることをために先攻を選んだ。
それをもう一度聞くことは失礼だ。
(※追記訳注:誤訳していました。高潮のさん、ご指摘ありがとうございました!)
彼は1ターン目にSensei’s Divining Topを出し、私はアタッカーを何体か展開した。彼はTerminusを奇跡で撃ち、私には数枚の手札だけが残された。
ゲームは少し前よりもだいぶ負けに傾いているように見えた。
最終的には、私は十分なプレッシャーを用意できて、彼はジェイスをプレイしたが、こちらが勝った。
準々決勝: Jon Eldon
スイスラウンドでもあたった青白石鍛冶プレイヤーだ。
このゲーム、私がマリガンしたときに何人かのジャッジが彼を脇に連れ出した。テーブルを離れるとき、彼が困惑した顔をしているのを見た。
時間が経ち、事情が飲み込めてきた。
ジャッジ達が彼に見当違いな話をして、何も起こらない。これが最良のシナリオだ。
その後は、ただ悪くなる一方だ。
たぶん私が他の冷血な出場者達と比べて感情移入しすぎなのだろうが、デッキ登録ミスみたいなことで対戦相手が自身を負かしてしまうのは愉快なことじゃない。
トップ8のリストは既にチェック済みのため、これがデッキ登録ミスでないことは分かっていた。つまり、おそらく何らかの取り調べが行われている。
私は何もすることがなく、気分が沈み、ジャッジと軽く話をした。このあともまだやるべきマジックは残っており、ゲームをするモードになっていなければそこでベストを尽くすことはできない。
注文していたピザをRobが持って来てくれて、ジャッジは親切にも待っている間に食べることを許してくれた。
カフェインとストレスは私の代謝をとても落としていた。朝から何も食べていなかったにもかかわらず、2,3切れがやっと喉を通っただけだった。
結局、ジャッジ達はJonと一緒に戻ってきた。
この若者はもはや私がスイスラウンドで相対したような大胆で思慮深いプレイヤーではなかった。彼はもうろうとしており、目は赤かった。
数分後、彼らは再び立ち去り、ジャッジは彼のデッキを取りに戻ってきて、私に次のラウンドに進むように言った。
私のこれまでで最も満足いかないマリガンはこうして終わった。
後に自宅に向かう車の中で、#twobatterskullsで話題になっていたビデオをRobが見せてくれた。Jonはヴェンディを出されたときにフェッチを使ってシャッフルし、彼のライブラリのボトムにあったBatterskullを手札に落とし入れていた。
私はびっくりし、このビデオをどう考えればいいのか分からなかった。
Jonは好ましい対戦相手だった。私は彼を裁いたり嫌悪したりする気になれなかった。幸い、私にはそれをする必要はない。
友人達が「準々決勝でbyeだなんてお前はツイてるな」とかそういうことを言っているのを聞いたが、私はツイてるなんて思えなかった(し、今も思わない)。私はマジックをするために長旅をしてきたのに、自分の対戦相手になるだろう人が過去をほじくり返されている間じっと待つ、極めて不快なラウンドをやるハメになった。
たとえ誰かが罰を受けるに値するとしても、私はその人の悲惨な状況から楽しみを取り上げることはできないし、そうしている人を見るとサディスティックだと思う。
イカサマ師や、犯罪者や、スーパーで列に割り込む人達はそれでも人間で、多くの場合、周囲の環境が彼らを作り出す。ある意味、彼らは学ぶべき教訓そのものだ。私たちは容易く学ばせてもらえることに感謝すべきだと思う。
私はジャッジの仕事を羨ましいとは思わないし、私たちのためにジャッジがいてくれるのを嬉しく思う。
私はゲームのプレイを研究し、彼らは今回のような状況について研究する。
結局、Jonがカメラの前でやったことと、私の彼に対する印象とは合っていない。一方で、これに厳しいペナルティを課さなければ、あらゆることにペナルティを与えられないことになる。
準決勝: Chris Andersonとのエルフミラー
Chrisとの対戦は、彼が入れていない十手を私はサイドに入れているため、私に有利なことは分かっていた。
それでも、Chrisはこのデッキについて週末ずっと助言をくれており、私は彼(とAri)の助けがなければこの場にはいなかっただろうから、トップ4をスプリットする申し出を断ったのはまったくひどいことのように思われた。加えて、彼は常に、いかなるときにもエルフを使ってきており、私が少しでもつまづけば負ける可能性はいくらでもあった。
組み合わせ表のもう一方はRUGを使うJeremyがLandsと対戦、絶望的なマッチアップだ。これもまたスプリットを受け入れる理由になる。
ゲーム1、初手をキープし、2ターン目にはGaea’s CradleとMirror Entityを含めて手札を全展開した。
「あのさ、鏡の精体はエムラよりいいと思うよ」と私は言った。
この週末の初めの頃、私はChrisにエムラを入れるべきかどうかをたずねた。私の理由は、いわばヘルメットをかぶりたかったというのと、このデッキの経験がなく、精体のループが複雑すぎるように思えたからだった。
Chrisは私の理由がいかにバカげているか、精体はコンボにもビートにも役立つのに、エムラを引くのは実質マリガンしているのと同じだということを力説した。
Chrisの忠告を聞いていなければ私はトップ8には残らなかっただろう。このゲームで安定して結果を残すには、友人の意見を聞くときと、自らの意見を聞くときをバランスさせることが重要だ。常に正しくあることは誰にもできない。
Chrisは自分のターンにカードを引き、盤上を片付けた。
SB:
-1 Viridian Shaman, -1 Birchlore Rangers
+1 Mortarpod, +1 Umezawa’s Jitte
Chrisは先攻でマリガンしたが、手札には満足なようだった。私は十手ハンドをキープした。
お互いにマナ生物を出し、Chrisは2ターン目に手札を展開しきって、最後に緑頂点でElvish Visionaryを持ってきた。
私は3マナを出し、頂点でPriest of Titaniaを持ってきた。Priestはボード上の両者のエルフの数を参照するので、ChrisはPriest(とMortarpod)に回答するか、このターン中に私を倒さねばならない。
彼はGlimpse of Natureを持っていたが私を殺すには燃料が足りず、私は自分のターンにRegal ForceでMortarpodを調達し、彼を倒した。
試合後、Lands対RUGの対戦が終わるのを待った。LandsがRUGを破った後、RobがJeremyを励ますハグをしようと近づいたが、Jeremyは相手にしようとしなかった。
「お前はいらないよ。いるのはピザだ。」
Jeremyは、大の大人から聞くことはほとんどない、不機嫌な子どものような声でそう言った。
彼の悔しさを思い、そのふてくされた顔を見て私は微笑んだ。
決勝: Lands
Landsについてはみんなまったく読みたくないんじゃないかな?そうだろう?
私は負けた。有利なマッチアップではあったけれども。
明るい面を挙げれば、対戦相手は「このトーナメント」のラウンド3で私が水没させたのと同一人物だ。
(※訳注:「このトーナメント」(原文ではリンク)はMステ入りZooでCalebが優勝した2011年7月のSCG Legacy Open Cincinnati。レポートはこちら(英語)→http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-getting-there-in-cincinnati/)
もし機会があればレポートのラウンド3を読んでみてほしい。後手のZooがベルチャーに勝ってしまうようなおかしな時期に開かれたトーナメントだが、このLandsとの対戦はこれまでで最も気に入っているレガシーストーリーの一つだ。
今週末のGPではエルフをプレイすることになりそうだ。このデッキは安定していて、パワフルで、RUGとマーベリックと青白とスニークショーとリアニに強い。
一方、まだ完成はしておらず、GPに向けてより多く妨害要素を入れることになるだろう。
読んでくれてありがとう。
Caleb Durward
2012/6/24に行われたSCG Legacy Open DetroitでCaleb Durwardがエルフで2位になったときのレポート。
エルフのことをよく知らなかったので、鏡の精体を使った無限コンボやサイドのインアウトなど勉強になりました。
"Pointy-Eared Folk": 耳のとがった者たち
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Legacy Weapon - Pointy-Eared Folk
Posted by Caleb Durward
July 5, 2012
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-pointy-eared-folk/
デトロイトでのレガシーオープンでエルフを使おうとは思っていなかった。
考えてさえいなかった。
Brainstormと独楽とForce of Willを入れたデッキが理想だった。
開催地に着いたとき、ほとんど知り合いがいなかった。知っているのはトレーダーではなくプレイヤーばかりで、彼らは自分のデッキしか持ってきていなかった。仲間のRobのカードを使って間に合わせでツギハギだらけのストームデッキを作ったが、Burning Wishが見当たらなかった。
まず私はJon Johnsonのところで足を止めた。彼はドレッジ相手にエルフをプレイしていた。
彼のデッキはゲームのあらゆる段階でやりたいようにやっているようだった。
私は何らかのエンジンをベースにしたデッキが大好きで、このデッキはとても楽しそうに見えた。
Jonは私の求めるBurning Wishを持っていなかった。
次にAriに会ったが、彼は笑って言った。
「Burning Wishだって?俺はAri Laxだよ。自分のストームデッキで使うに決まってるじゃないか。」
彼は、Griselbrand対策にReanimateとBriberyの入ったウィッシュボードを見せてくれた。
私は笑顔だったが、彼には私の顔が残念そうに見えたに違いない。
というのも、彼は自分のエルフデッキを私に使うように提案してきたんだ。数分間無意味な詮索をした末に、彼の提案にのることにした。
AriとChris Andersonがこのデッキの勝ち筋を親切に教えてくれた。
たいていの場合は典型的なエンジンを決めて勝つ。カードを引き、マナを生成し、勝利手段を探して、妨害を経由してプレイする。
しかしこのデッキには、限られたリソースでも無限コンボを決められるトリックがある。
これが教えてもらった最も簡単な3つのコンボだ:
1.
Priest of Titania、Mirror Entity、Wirewood Symbioteが出ている状況から始める。
1マナで鏡の精体を起動し、次にPriestをタップして3マナを出し、共生虫で自身をバウンスする(Priestをアンタップ)。結果として、1マナ増えて最初の状態になる(Glimpse of Natureを撃っていればキャントリップもつく)。
2.
Heritage Druid、Mirror Entity、Nettle Sentinel、Wirewood Symbioteから始める。
1マナで精体を起動し、ドルイドの能力でイラクサと共生虫ともう一体エルフをタップし、共生虫をバウンスする(イラクサでない方のエルフをアンタップ)。共生虫を再度唱えてイラクサをアンタップ――これで1マナ増えて最初の状態に戻る。
(※訳注:ドルイド、イラクサ、精体の3体タップから始めれば最初の1マナも不要ですね。)
3.
これはトリッキーだ。
2体のWirewood Symbiote、Mirror Entity、Heritage Druidから始める。
1マナを精体に使い、次に3体をタップして緑3マナを得る。寝ている共生虫をバウンスしてエルフをアンタップし、出し直す。マナプールには緑2マナ残っている。精体を起動し、再び遺産のドルイドを使う、これで緑4マナ。共生虫を2体ともバウンスして残り2体のエルフを起こし、共生虫をプレイし直す。
これで1マナ増えて最初の状態になる。
最後のルートでマナを出す必要がある場合は要注意だ――Glimpse of Natureは「引いてもよい」ではないので、自分のデッキを引ききってしまわないように気を付ける必要がある。
幸いGreen Sun’s Zenithをライブラリに戻すことができるので、これは起こりにくくなっている。
ループを省略するときだけ慎重になろう。例えば、Glimpseを2回唱えた後に「これを(3番のループを)10回繰り返します」と言ってしまうと、あなたは60枚ドローすることになる。こりゃだめだ。
一度無限コンボを決めれば、鏡の精体の起動とWirewood Symbioteのバウンスを繰り返して召喚酔いしていないエルフを全てアンタップし、精体で500/500になったそいつらでアタックできる。
週末を通して無限ループは3回決まった。3番のループが2回に、2番が1回。
レガシーのイベントを勝ち抜こうとしたとき、おそらくどこかでループを決めなきゃならない場面はあるが、ほとんどのゲームは良い手札をキープして正しい順序で使えば勝てるだろう。いくつかのゲームでは正しくフェッチを使う必要があったり(Wastelandが出ている、あるいは出てきそうな場合)、大量の妨害をくぐり抜けて勝つ道筋を導き出すことも必要になるだろう。
これが私がスリーブに入れたデッキだ:
Elves!
* Main Deck
* 4 Verdant Catacombs
* 2 Misty Rainforest
* 1 Wooded Foothills
* 1 Dryad Arbor
* 2 Savannah
* 3 Forest
* 1 Horizon Canopy
* 2 Gaea’s Cradle
* 1 Pendelhaven
* 2 Quirion Ranger
* 1 Regal Force
* 1 Viridian Shaman
* 3 Birchlore Rangers
* 4 Elvish Visionary
* 4 Wirewood Symbiote
* 4 Heritage Druid
* 4 Llanowar Elves
* 2 Fyndhorn Elves
* 3 Priest of Titania
* 2 Mirror Entity
* 4 Nettle Sentinel
* 4 Green Sun’s Zenith
* 4 Glimpse of Nature
* 1 Crop Rotation
* Sideboard
* 2 Humility
* 1 Meekstone
* 2 Thorn of Amethyst
* 1 Thalia, Guardian of Thraben
* 4 Faerie Macabre
* 1 Scavenging Ooze
* 1 Gaddock Teeg
* 1 Qasali Pridemage
* 1 Mortarpod
* 1 Umezawa’s Jitte
週末を通して、サイドボードのカードは2枚目のHumility以外は全て使った。これはショーテルデッキ相手のときしかサイドインしないのだが、やつらには勝てる。
一方、1枚目のHumilityは多くの仕事をする。
Chris Andersonのリストとのもう一つの違いは十手だ。
彼は十手は良かったと言っていたし、これなしでは私はトップ8に残れなかっただろう。
Round 1: RUG
ゲーム1、私はエルフをテーブルに並べ「ループを見るかい?」と言った。
私が何枚かカードを引いたあと、相手は投了した。
SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Humility, +1 Meekstone
ゲーム2、彼はDelver of Secretsからスタートし、ビートを開始した。
2,3ターン後、私は6ライフを残してHumilityを解決。彼の場にいる3/2飛行と2体の4/5を3体の1/1に変え、私はボードに7体の1/1を展開し始めた。
勝ち。
Round 2: ?
このラウンドでどうプレイしたのか思い出せない。
ごめんね。
Round 3: Jon Eldonの青白
これはなかったことになったフィーチャーマッチだ。
ゲーム1、彼は私の1ターン目Heritage Druidをウィル。彼がUmezawa’s Jitteを出しているあいだに私は手札を吐き出した。
十手は緑頂点してきたViridian Shamanで割り、彼はStoneforge MysticでBatterskullをサーチした。
幸い、十分な戦力とWirewood Symbioteが出ていた。彼のBatterskullによるブロックとアタックに対して、Germに出くわしたエルフを毎回バウンスした。
1,2ターンの後、Jonは場を片付けた。
SB:
-1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte
ゲーム2、私はソープロ、ヴェンディからの瞬唱ソープロをくらった。Wrath of Godが私のボードを壊滅させ、そこから復旧することはできなかった。
相手の場にいる瞬唱と墓地に積み上がったクリーチャーを見て、私はサイドミスしたことを悟った。
SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Scavenging Ooze, +1 Mortarpod
ゲーム3、私は先攻で1マリし、彼は私の1ターン目マナ生物をソープロした。
それでも早期にGlimpseを使って爆発し、彼を倒した。
Round 4: Josh Glantzmanのマーベリック
これはビデオフィーチャーマッチだった。
ゲーム1、JoshはGaddock Teegをプレイし、私の手札にある2枚の緑頂点を腐らせた。
幸いなことに彼のデッキの残りは緑と白のクリーチャーばかりで、最後には私が彼を上回った。
SB:
-1 Green Sun’s Zenith, -1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod
ゲーム2、私は十手ハンドをキープしたが、彼はそれを阻止するMother of Runesと、さらにLinvala, Keeper of SilenceをサーチするためのFauna Shamanまで出してきた。
倒せない3/4飛行を前にほとんど投了しかけの場面でBirchlore Rangersを手に入れて変異で出し、マザーで止まらない無色ダメージによって主導権を得ようとした。
しかし、彼はSwords to Plowsharesで対処した。
ゲーム3、彼は1ターン目Noble Hierarchからの2ターン目Knight of the Reliquaryという出だし。
私は3ターン目に勝利した。
カバレッジチームがうっかり――ほとんど事故で――同時に複数のエルフデッキをフィーチャーしてしまったため、さらにもう一つのエルフのフィーチャーマッチを見させられた多くの人がTwitterで愚痴を言っていた。
カバレッジマネージャーのGlenn Jonesはこの事態に次のようにツイートした:
「こんなことどうやって想像するんだい?Calebはいつもクレイジーなものしかプレイしないじゃないか。」
ナンテコッタイ。
Round 5: RUGテンポ
このマッチは典型的なエルフの動きで勝った。
ここで、私の車の同乗者に会った。RUGを使っていたJeremyも無敗で、私達はお互いに当たらないことを祈った。もし当たれば二人のうちどちらかはトップ8に進めるだろうが、一方、二人がともにトップ8に進む確率は、当たらない場合の方が高い。
Round 6: 親和(勝ってID2回で抜け)
ペアリングが発表され、Jeremyと私はハイタッチをした。
身内同士でプレイしなくていい。これはトーナメントマジックを素晴らしいものにし、旅を価値あるものにしてくれる友人達の間ではめったにない、最高の瞬間の一つだ。
ゲーム1、私はそこそこ良いハンドだったが、私が彼を倒す前に、彼のCranial PlatingとInkmoth Nexusが私をきっちり殺した。
このゲームはGreen Sun’s Zenithがあれば勝てるだろう。メインに入れたViridian ShamanをサーチしてWirewood Symbioteで使い回せばイージーウィンだからね。
SB:
-2 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Qasali Pridemage, +1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod
ゲーム2、彼は序盤にEthersworn Canonistを出し、私はViridian Shamanのための緑頂点をまたも持っていなかった。
彼のVault Skirgeに殴られながらお互いにドローゴーを続け、私は1ターンに1枚のElvish Visionaryをプレイするだけでまいっていた。
私の最終ターン、ついにMirror Entityを引き込み、自軍を全部15/15にした。彼は持っていたDispatchによって死なずに済んだが、場にいるクリーチャーでのチャンプはマストだった。
彼のターン、彼は最後の2枚のハンドを展開し、ミシュラン2枚を起動して、再びきっかり私を倒した。
私の知る限り、当時のスタンダードでの親和対エルフは、親和にとってつらいマッチアップだ。それをやってのけた対戦相手を称えよう。
Round 7: RyanのRUGアグロ(勝てばほぼ抜け)
この時点でJeremyは抜けが確定し、3人目の同乗者Rob Vacaは今のレガシーでは最悪のデッキである青白相殺ソプターを使って私と同じく1敗だった。
Ryanは知人で、イベントの前にお互いのリストについて少し話をしていた。
彼は、典型的なRUGテンポよりは青赤デルバーを彷彿とさせるような、かなりアグレッシブなRUGのリストを使っていた。緑はタルモとKird Apeのために入っている。
先ほどのラウンドでは彼と隣の席になり、二人とも勝ってID2回で抜けのところを落としている。
ゲーム1は、序盤のGlimpse of Natureのおかげでなんとか私がとった。
SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Meekstone, +1 Humility
ゲーム2は土地3枚とHumilityのあるハンドをキープ。
火力がこちらを遅らせ、彼は順調に脅威を送り出した。私がやっとHumilityを張ったときには、彼はこちらよりも多くのクリーチャーを出しており、さらにMind Harnessがとどめとなった。
ゲーム3、私は2ターン目に手札を大量展開し、3ターン目に十手をプレイして装備。そのまま逃げ切った。
Round 8:
1敗ラインのオポトップとして、私は引き分ければトップ8に行くことができた。
しかし、例によって対戦相手はそうではなく、やる必要があった。
私のドローの申し出を断ったあと、対戦相手はシャッフルして手札を引いた。お互いにキープし、私がエルフを出した。
彼はそれを見下ろし、気遣うように言った。
「それはVeteran Explorerじゃないよ。」
「ああ、もちろん違う。」
(※訳注:Caleb DurwardはNic Fitを好んで使っていた。)
こちらが手札を展開しきったあと、彼はジェイスをプレイしてブレストした。
私はMirror Entityを出して彼を倒した。
SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Thalia, Guardian of Thraben, +1 Gaddock Teeg
ガドックを入れるとき緑頂点を削らないように言われた。この伝説のヘイトベアーを出す前に手札のZenithは使い切ることができるためだ。
ゲーム2、彼は先攻で4枚になるまでマリガンした。
我々はマジックをするためにここまで来ていて、彼はマジックをすることを選んだ
それをもう一度聞くことは失礼だ。
(※追記訳注:誤訳していました。高潮のさん、ご指摘ありがとうございました!)
彼は1ターン目にSensei’s Divining Topを出し、私はアタッカーを何体か展開した。彼はTerminusを奇跡で撃ち、私には数枚の手札だけが残された。
ゲームは少し前よりもだいぶ負けに傾いているように見えた。
最終的には、私は十分なプレッシャーを用意できて、彼はジェイスをプレイしたが、こちらが勝った。
準々決勝: Jon Eldon
スイスラウンドでもあたった青白石鍛冶プレイヤーだ。
このゲーム、私がマリガンしたときに何人かのジャッジが彼を脇に連れ出した。テーブルを離れるとき、彼が困惑した顔をしているのを見た。
時間が経ち、事情が飲み込めてきた。
ジャッジ達が彼に見当違いな話をして、何も起こらない。これが最良のシナリオだ。
その後は、ただ悪くなる一方だ。
たぶん私が他の冷血な出場者達と比べて感情移入しすぎなのだろうが、デッキ登録ミスみたいなことで対戦相手が自身を負かしてしまうのは愉快なことじゃない。
トップ8のリストは既にチェック済みのため、これがデッキ登録ミスでないことは分かっていた。つまり、おそらく何らかの取り調べが行われている。
私は何もすることがなく、気分が沈み、ジャッジと軽く話をした。このあともまだやるべきマジックは残っており、ゲームをするモードになっていなければそこでベストを尽くすことはできない。
注文していたピザをRobが持って来てくれて、ジャッジは親切にも待っている間に食べることを許してくれた。
カフェインとストレスは私の代謝をとても落としていた。朝から何も食べていなかったにもかかわらず、2,3切れがやっと喉を通っただけだった。
結局、ジャッジ達はJonと一緒に戻ってきた。
この若者はもはや私がスイスラウンドで相対したような大胆で思慮深いプレイヤーではなかった。彼はもうろうとしており、目は赤かった。
数分後、彼らは再び立ち去り、ジャッジは彼のデッキを取りに戻ってきて、私に次のラウンドに進むように言った。
私のこれまでで最も満足いかないマリガンはこうして終わった。
後に自宅に向かう車の中で、#twobatterskullsで話題になっていたビデオをRobが見せてくれた。Jonはヴェンディを出されたときにフェッチを使ってシャッフルし、彼のライブラリのボトムにあったBatterskullを手札に落とし入れていた。
私はびっくりし、このビデオをどう考えればいいのか分からなかった。
Jonは好ましい対戦相手だった。私は彼を裁いたり嫌悪したりする気になれなかった。幸い、私にはそれをする必要はない。
友人達が「準々決勝でbyeだなんてお前はツイてるな」とかそういうことを言っているのを聞いたが、私はツイてるなんて思えなかった(し、今も思わない)。私はマジックをするために長旅をしてきたのに、自分の対戦相手になるだろう人が過去をほじくり返されている間じっと待つ、極めて不快なラウンドをやるハメになった。
たとえ誰かが罰を受けるに値するとしても、私はその人の悲惨な状況から楽しみを取り上げることはできないし、そうしている人を見るとサディスティックだと思う。
イカサマ師や、犯罪者や、スーパーで列に割り込む人達はそれでも人間で、多くの場合、周囲の環境が彼らを作り出す。ある意味、彼らは学ぶべき教訓そのものだ。私たちは容易く学ばせてもらえることに感謝すべきだと思う。
私はジャッジの仕事を羨ましいとは思わないし、私たちのためにジャッジがいてくれるのを嬉しく思う。
私はゲームのプレイを研究し、彼らは今回のような状況について研究する。
結局、Jonがカメラの前でやったことと、私の彼に対する印象とは合っていない。一方で、これに厳しいペナルティを課さなければ、あらゆることにペナルティを与えられないことになる。
準決勝: Chris Andersonとのエルフミラー
Chrisとの対戦は、彼が入れていない十手を私はサイドに入れているため、私に有利なことは分かっていた。
それでも、Chrisはこのデッキについて週末ずっと助言をくれており、私は彼(とAri)の助けがなければこの場にはいなかっただろうから、トップ4をスプリットする申し出を断ったのはまったくひどいことのように思われた。加えて、彼は常に、いかなるときにもエルフを使ってきており、私が少しでもつまづけば負ける可能性はいくらでもあった。
組み合わせ表のもう一方はRUGを使うJeremyがLandsと対戦、絶望的なマッチアップだ。これもまたスプリットを受け入れる理由になる。
ゲーム1、初手をキープし、2ターン目にはGaea’s CradleとMirror Entityを含めて手札を全展開した。
「あのさ、鏡の精体はエムラよりいいと思うよ」と私は言った。
この週末の初めの頃、私はChrisにエムラを入れるべきかどうかをたずねた。私の理由は、いわばヘルメットをかぶりたかったというのと、このデッキの経験がなく、精体のループが複雑すぎるように思えたからだった。
Chrisは私の理由がいかにバカげているか、精体はコンボにもビートにも役立つのに、エムラを引くのは実質マリガンしているのと同じだということを力説した。
Chrisの忠告を聞いていなければ私はトップ8には残らなかっただろう。このゲームで安定して結果を残すには、友人の意見を聞くときと、自らの意見を聞くときをバランスさせることが重要だ。常に正しくあることは誰にもできない。
Chrisは自分のターンにカードを引き、盤上を片付けた。
SB:
-1 Viridian Shaman, -1 Birchlore Rangers
+1 Mortarpod, +1 Umezawa’s Jitte
Chrisは先攻でマリガンしたが、手札には満足なようだった。私は十手ハンドをキープした。
お互いにマナ生物を出し、Chrisは2ターン目に手札を展開しきって、最後に緑頂点でElvish Visionaryを持ってきた。
私は3マナを出し、頂点でPriest of Titaniaを持ってきた。Priestはボード上の両者のエルフの数を参照するので、ChrisはPriest(とMortarpod)に回答するか、このターン中に私を倒さねばならない。
彼はGlimpse of Natureを持っていたが私を殺すには燃料が足りず、私は自分のターンにRegal ForceでMortarpodを調達し、彼を倒した。
試合後、Lands対RUGの対戦が終わるのを待った。LandsがRUGを破った後、RobがJeremyを励ますハグをしようと近づいたが、Jeremyは相手にしようとしなかった。
「お前はいらないよ。いるのはピザだ。」
Jeremyは、大の大人から聞くことはほとんどない、不機嫌な子どものような声でそう言った。
彼の悔しさを思い、そのふてくされた顔を見て私は微笑んだ。
決勝: Lands
Landsについてはみんなまったく読みたくないんじゃないかな?そうだろう?
私は負けた。有利なマッチアップではあったけれども。
明るい面を挙げれば、対戦相手は「このトーナメント」のラウンド3で私が水没させたのと同一人物だ。
(※訳注:「このトーナメント」(原文ではリンク)はMステ入りZooでCalebが優勝した2011年7月のSCG Legacy Open Cincinnati。レポートはこちら(英語)→http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-getting-there-in-cincinnati/)
もし機会があればレポートのラウンド3を読んでみてほしい。後手のZooがベルチャーに勝ってしまうようなおかしな時期に開かれたトーナメントだが、このLandsとの対戦はこれまでで最も気に入っているレガシーストーリーの一つだ。
今週末のGPではエルフをプレイすることになりそうだ。このデッキは安定していて、パワフルで、RUGとマーベリックと青白とスニークショーとリアニに強い。
一方、まだ完成はしておらず、GPに向けてより多く妨害要素を入れることになるだろう。
読んでくれてありがとう。
Caleb Durward
コメント
ところでラウンド8なのですが、「再び後攻をやるか〜」と訳されているところ、おそらくここの draw は intentional draw のことだと思われます。その後の play も「先攻」ではなく、単にマジックをすることを選んだ、という訳でよいかと思います。
これからも楽しみにしています。では。
自分ではまったく気づいていませんでした。たしかに先攻後攻をやり直すのはルール的にもあり得ないですね。
早速修正しました。
仕事が忙しくなってきたのと、英語記事のストックがだんだん減ってきていて、ペースはちょっと落ちるかもしれませんが、これからも楽しんでいただければ嬉しいです。